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二章 冒険者の少女
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私は今途方に暮れていた……。
折角集めた薬草は全てホーンラビットにあげてしまい、そのホーンラビットもどこかに去ってしまった……。
「ど……どうしよう……」
このまま手ぶらで帰ったら期日が残っているとは言え、なにか言われるかも知れない……。
幸いなことに夕暮れまで時間がある。
まずは兎に角、薬草をまた集めることにした。
「ふう……、どうにかさっき位集まったかな」
十数分後、必死に集めたことでどうにかカゴに四分の一くらいの薬草を集めることが出来た。
あとは、ホーンラビットだけど……。
こちらの様子を伺っているホーンラビットと見つけると、私は覚悟を決めて剣を抜いた。
(か……可愛そうだけど……)
「……はっ!」
私の放った剣撃がホーンラビットを斬りつける!
その瞬間、生き物を斬るという嫌な手応えが剣を伝って来る。
これで仕留めることが出来たかと思ったけど、ホーンラビットにはまだ息があった。
ホーンラビットは苦しそうに、そして痛々しく斬られた背中を庇いながら逃げようとする様に胸が痛む。
(変な手心はかえってこの子を苦しませるだけなんだ……)
「痛かったよね……、私が変に手加減したばかりに……ごめんね」
私はホーンラビットに謝りながらとどめを刺した。
この時私は生まれて始めて動物を手に掛けたのだった。
「あとはこの角を……角を……」
ホーンラビットの角を切り取ろうとするも、角が小さくて剣ではかなり切りにくい。
ナイフがあれば便利なんだろうけど、持ってはいない。
ナイフを買わなかったことを後悔しながら四苦八苦してどうにか角を切り取ることに成功した。
倒したホーンラビットとその角を籠にいれると、その後もホーンラビットを倒していった。
◆◆◆
「グレンさん、戻りました!」
ホーンラビットをどのくらい倒しただろうか、カゴがホーンラビットで一杯になってしまっていたので、冒険者ギルドへと戻ってきた。
外から街の中へと戻る時は、開いている門から入り、門番に名前を言って街の中に入ることが決まりらしい。
門番の人に聞くと、日中は門の扉は開いているけど、夜になると閉められるらしい。
「おお、カナちゃん戻ったか……て、そのカゴは何だ?」
門番だけでなく、グレンさんもこのカゴにはやや呆れているようだ。
「そんな事より、薬草とホーンラビットの角は集まったか?」
「はい、これでどうですか?」
「確かに薬草とホーンラビットの角だ。よくやったな!ほら、報酬だ」
籠の中の薬草とホーンラビットの角を渡すと、グレンさんは優しげな笑みを浮かべ、報酬の600エントを手渡してくれた。
「あと、ホーンラビットも持ってきました」
「カナちゃん……、悪いがこれはあまり買い取れんな……。俺が欲しいのは肉であって、ホーンラビットそのものじゃない……。今回は特別に買い取ってやるが、次からは頭と毛皮と内蔵を除けておいてくれ……」
グレンさんは今度は渋い顔で200エントをくれた。
(ある程度は捌いておいたほうがいいのか……。ということはやっぱりナイフがいるかな……)
「ホーンラビットは旅の食料にもなる。捌き方をきちんと覚えておいて損はない。練習ついでだ、カナちゃんこのホーンラビットを捌いてくれ」
グレンさんからナイフを借りると、捌き方を教えてもらいながら持って帰ったホーンラビットを全て捌いていった。
「おわった……!」
捌き始めてから数時間後、ようやくホーンラビットを全て捌く事ができた。
「ご苦労だったな。ホーンラビットを捌いた礼として、メシを奢ってやるよ」
「え……っ!?いいんですかっ!?」
「ああ、勿論だ!その代わりホーンラビットの肉だがな」
やっぱりそうなるのか……。
まあ、かなり捌いたからね……。
「ウサギ肉の香草焼きにしてやるから少し待ってな」
グレンさんはニヤリと笑うと、厨房の方へと向かっていった。
◆◆◆
「はあ……!疲れた……っ!」
食事とお風呂を終えると、間借りしている部屋に戻り私はベッドへと倒れ込んだ。
元の世界に戻る手がかりを探すため、取り敢えずは冒険者になれた。
だけど、これから先どう手掛かりを探せば良いのかが全く見当が付かない。
この街のことでさえまだ良く分かってないのに、この世界ともなると尚の事分からない。
分からないことだらけで分からない事が分からない……。
まるで、海のど真ん中に落とした小さな針を探すようなものだ。
「ふぁ……」
考え事をしていると欠伸が出てくる……。
とにかく今は目の前のことをひとつずつこなして行こう……。そう思いながら私は眠りへと就いた……。
折角集めた薬草は全てホーンラビットにあげてしまい、そのホーンラビットもどこかに去ってしまった……。
「ど……どうしよう……」
このまま手ぶらで帰ったら期日が残っているとは言え、なにか言われるかも知れない……。
幸いなことに夕暮れまで時間がある。
まずは兎に角、薬草をまた集めることにした。
「ふう……、どうにかさっき位集まったかな」
十数分後、必死に集めたことでどうにかカゴに四分の一くらいの薬草を集めることが出来た。
あとは、ホーンラビットだけど……。
こちらの様子を伺っているホーンラビットと見つけると、私は覚悟を決めて剣を抜いた。
(か……可愛そうだけど……)
「……はっ!」
私の放った剣撃がホーンラビットを斬りつける!
その瞬間、生き物を斬るという嫌な手応えが剣を伝って来る。
これで仕留めることが出来たかと思ったけど、ホーンラビットにはまだ息があった。
ホーンラビットは苦しそうに、そして痛々しく斬られた背中を庇いながら逃げようとする様に胸が痛む。
(変な手心はかえってこの子を苦しませるだけなんだ……)
「痛かったよね……、私が変に手加減したばかりに……ごめんね」
私はホーンラビットに謝りながらとどめを刺した。
この時私は生まれて始めて動物を手に掛けたのだった。
「あとはこの角を……角を……」
ホーンラビットの角を切り取ろうとするも、角が小さくて剣ではかなり切りにくい。
ナイフがあれば便利なんだろうけど、持ってはいない。
ナイフを買わなかったことを後悔しながら四苦八苦してどうにか角を切り取ることに成功した。
倒したホーンラビットとその角を籠にいれると、その後もホーンラビットを倒していった。
◆◆◆
「グレンさん、戻りました!」
ホーンラビットをどのくらい倒しただろうか、カゴがホーンラビットで一杯になってしまっていたので、冒険者ギルドへと戻ってきた。
外から街の中へと戻る時は、開いている門から入り、門番に名前を言って街の中に入ることが決まりらしい。
門番の人に聞くと、日中は門の扉は開いているけど、夜になると閉められるらしい。
「おお、カナちゃん戻ったか……て、そのカゴは何だ?」
門番だけでなく、グレンさんもこのカゴにはやや呆れているようだ。
「そんな事より、薬草とホーンラビットの角は集まったか?」
「はい、これでどうですか?」
「確かに薬草とホーンラビットの角だ。よくやったな!ほら、報酬だ」
籠の中の薬草とホーンラビットの角を渡すと、グレンさんは優しげな笑みを浮かべ、報酬の600エントを手渡してくれた。
「あと、ホーンラビットも持ってきました」
「カナちゃん……、悪いがこれはあまり買い取れんな……。俺が欲しいのは肉であって、ホーンラビットそのものじゃない……。今回は特別に買い取ってやるが、次からは頭と毛皮と内蔵を除けておいてくれ……」
グレンさんは今度は渋い顔で200エントをくれた。
(ある程度は捌いておいたほうがいいのか……。ということはやっぱりナイフがいるかな……)
「ホーンラビットは旅の食料にもなる。捌き方をきちんと覚えておいて損はない。練習ついでだ、カナちゃんこのホーンラビットを捌いてくれ」
グレンさんからナイフを借りると、捌き方を教えてもらいながら持って帰ったホーンラビットを全て捌いていった。
「おわった……!」
捌き始めてから数時間後、ようやくホーンラビットを全て捌く事ができた。
「ご苦労だったな。ホーンラビットを捌いた礼として、メシを奢ってやるよ」
「え……っ!?いいんですかっ!?」
「ああ、勿論だ!その代わりホーンラビットの肉だがな」
やっぱりそうなるのか……。
まあ、かなり捌いたからね……。
「ウサギ肉の香草焼きにしてやるから少し待ってな」
グレンさんはニヤリと笑うと、厨房の方へと向かっていった。
◆◆◆
「はあ……!疲れた……っ!」
食事とお風呂を終えると、間借りしている部屋に戻り私はベッドへと倒れ込んだ。
元の世界に戻る手がかりを探すため、取り敢えずは冒険者になれた。
だけど、これから先どう手掛かりを探せば良いのかが全く見当が付かない。
この街のことでさえまだ良く分かってないのに、この世界ともなると尚の事分からない。
分からないことだらけで分からない事が分からない……。
まるで、海のど真ん中に落とした小さな針を探すようなものだ。
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