チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー

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二章 冒険者の少女

思わぬ臨時収入

「あら? カナちゃん、どうしたのかしら?」

 冒険者ギルドへ戻った私は、受付のティアさんと目が合った。

「ブルラビットを倒したんですけど、どうすればいいですか?」

「ブルラビットを……倒したの? 何か証明できるものはあるかしら?」

「一応これなら……」

 私は背負っていたカゴからブルラビットの角を取り出した。

「確かにブルラビットの角ね。あれ……? 今日、ブルラビットの討伐依頼があったはずだけど……カナちゃん受けてたかしら?」

「いえ、受けてませんけど……」

 そういえば朝、討伐依頼が貼られていた気がする。  
 内容までは見ていなかったけど……。

「えーっと……確かこの辺に……あ、あったあった」

 ティアさんは掲示板から依頼書を一枚持ってきた。  
 そこには確かに「ブルラビット1頭の討伐」と書かれている。

 まだ残っているということは、誰も受注していなかったらしい。

「ブルラビットはね、ベテランからすると報酬が物足りないのよ。でも初心者から見れば脅威。中堅の人もわざわざ受けないし……。だから、なかなか受注されないの」

 報酬を見ると 5,000エント と書かれていた。  
 私からすれば十分魅力的だけど、ベテランには安いのだろう。

「確かに、あの突進は脅威でしたね……」

「でしょ? 稀に出てくるんだけど、挑んだ新人は大体大怪我して帰ってくるのよ。一人で、しかもほぼ無傷で帰ってきたのはカナちゃんくらいじゃないかしら?」

「いえ、たまたまで……。ところで、この角はどうすれば?」

「ちょっと待って。その前にこの書類にサインしてくれる?このブルラビット討伐、カナちゃんが達成したことにしておくから」

「いえ、受注してないのに……」

「いいのいいの。どうせ誰も受けないんだから。はい、この依頼書と討伐報告書、それから報酬受取の書類にサインして」

「は、はあ……」

 私は言われるままにサインした。

「はい、確かに。これが成功報酬の5,000エントね」

 ティアさんは袋に入ったお金を渡してくれた。

「それで、この角はどうすれば?」

「それはあなたのものよ。薬屋でも武器屋でも雑貨屋でも買い取ってくれるわ。もちろん記念に取っておくのもアリね。売るなら、色々聞いて一番高いところに売るといいわ」

「ブルラビット本体はどうすればいいですか?」

「そうね……毛皮は剥げば仕立て屋が3,000エント前後で買ってくれるわ。肉は血抜きして、ある程度の大きさに切ればギルドで買い取るわよ」

「食べられるんですか……?」

「ブルラビットの硬い肉でも食べられる調理法があるみたいよ」

「なるほど……」

「解体や運搬に人手がいるなら、ギルド職員を派遣するわ」

「では、お願いします」

「分かったわ。男性職員を数人送るから、場所まで案内してね」

「はい!」

 その後、私はギルドの男性職員たちと一緒にブルラビットを解体した。

 毛皮は仕立て屋に 3,300エント、肉はギルドに 2,500エント で買い取ってもらえた。

 角は色々な店で聞いた結果、雑貨屋が一番高く 1万エント で買い取ってくれた。

 討伐報酬と合わせて、  
 今日だけで 20,800エント の思わぬ臨時収入を得たのだった。
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