チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー

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二章 冒険者の少女

魔法を覚えてみない?

「いただきま~す!」

 その日の夜。  
 ブルラビットを倒した自分へのご褒美として、私は冒険者ギルドのカウンター席でビーフステーキ、スープ、パン、サラダを注文した。

 全部で1,680エント。  
 少し高いけど、今日は思わぬ収入があったし、たまには贅沢してもいい。

 一口食べると、肉汁の旨みが口いっぱいに広がった。

(元の世界のより美味しい……!)

 ただ、冒険者向けだからか量が多い。  
 元の世界の倍くらいある気がする。

「食べ切れるかな……」

 食べ切れたとしても太りそうな気がする。  
 そんな一抹の不安を覚えつつ、今は美味しさを楽しむことにした。

「カナちゃん、隣いいかしら?」

 声をかけられて振り向くと、セーラさんの姿があった。

「セーラさん。はい、どうぞ」

「ありがとう。カナちゃん、ギルドの人から聞いたんだけど……ブルラビットを倒したんですって?」

「あ、はい。なんとか倒せました」

 どうやら噂はすでに広まっているらしい。

「冒険者になって2日目でブルラビット討伐なんてすごいじゃない。それで、何人で倒したの?」

「一人です。私一人で」

「ひ、一人で!? 大丈夫だったの!? 怪我もしてないみたいだけど……」

「はい、なんとか……」

「すごいわよ……! 私たちも倒したことはあるけど、ディンたちとパーティ組みたてで連携も取れなくて大変だったんだから!」

「そ、そうなんですか……?」

 どうやら私は思っていた以上にすごいことをしたらしい。

「これは期待の大型新人かしら? ふふ♪」

「あは……あはは……」

 セーラさんはにこやかに微笑むが、あまり期待されるとプレッシャーが……。

「それより、カナちゃん。魔法、覚えてみない?」

「魔法……ですか?」

「そうよ。魔法を覚えたら冒険がぐっと楽になるわ」

 魔法……。  
 別の世界から来た私でも使えるのだろうか。

「魔法なんて、呪文を覚えれば誰でも使えるわよ。街の図書館に、生活魔法や旅の初級魔法が載ってる本があるから見てみるといいわ」

 魔法の強さは人によるけどね、とセーラさんは付け加えた。

(なら……明日は魔法の勉強でもしてみようかな)

 そう思いながら、私はセーラさんと話をしつつ食事を楽しんだ。
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