79 / 214
四章 海を渡った少女
妖狐、玉藻
かなりの量の料理を食べた後、私は食後のデザートにアイスクリームとパフェを食べていた。
バイキング形式にもかかわらず、アイスクリームは溶けておらず、氷結魔法の応用で維持されているようだ。
私は幸せな顔をしてデザートまで食べていると、見覚えのある服を持った狐の半獣人のような若い女性が目の前を通り過ぎるのが見えた。
確かあれはバッシュの服……?
「あの……、すみません。その服どうしたんですか……?」
私はバッシュの服を持った女性に声をかけてみることにした。
「ん……?そなたは誰じゃ……?この服は妾がうつけ者の鬼から賭博で得た戦利品じゃ」
どうやらバッシュはこの人に負けたようだ。
それにしても……なんか変な喋り方をする人だなぁ……。
「私はカナと言います。その服は多分私の仲間のものだと思うので、よければ返して欲しいのですけど……」
「ほう……、そなたはカナと申すか。妾は玉藻じゃ。妖狐の玉藻じゃ。この服は妾の得た戦利品故においそれとは返せぬ」
どうやら返してくれる気はないようだ……。
威張るように胸を反らすと、玉藻さんの大きな胸がプルンと揺れる。
く……、この人のも大きい……!
まあ、私のでもないし、変に賭けなんかしたバッシュが悪いのだからどうでもいいことではある……。
「まあ、どうしてもというのなら返してやらぬこともないが……妾に勝てれば返すとしよう」
「勝てればって言っても私は賭け事とかしませんよ……?」
「別に賭博でなくても良い。何でも良いぞ?」
う~ん……、なんでもと言われても……。
まさかここで剣を振り回すわけにも……。
あ……!そうだっ!
私は一つの妙案を思いついた。
「では、ジャンケンはどうですか?」
「ジャンケンか……。良いぞ、相手をいたそう」
「では、私が勝ったらその服は返してもらいますよ」
「では……、妾が勝てばそうじゃの、妾の旅に付き合ってもらおうかの」
「旅の仲間に……?」
「そうじゃ、あの鬼のように裸に剥かれるよりは良かろう」
私と玉藻さんはニヤリと笑みを浮かべながら隅の方へと移動した。
◆◆◆
「さて、ルールの確認じゃが、十回やって妾が一度でも負ければそなたの勝ちじゃ。じゃが、そなたが負ければ妾の旅に付き合ってもらうぞ?」
「一回勝てばいいんですか?」
「無論じゃ。妾は戯言は申さぬ。その代わり、お主が負ければどこを目指しているのかは知らぬが、妾に付いてきてもらうぞ?」
普通に考えれば十回連続で勝つのはかなり難しい。
しかし、玉藻さんはよほどの自信があるのか、余裕の笑みを浮かべていた。
「わかりました……、やります……!」
「よかろう、それでは」
まず最初にジャンケンをして私がパーで、玉藻さんがチョキを出す。
く……、負けてしまった。
でもまだまだ……!まだ一回負けただけだっ!まだチャンスは9回ある……っ!
---
しかし……、何回も勝負するもなぜか勝てず、連続で9敗と追い詰められてしまっていた……。
「ほれほれ、どうした。残り一回じゃ。もう後がないぞ?」
「くぅ……っ!!」
玉藻さんが嬉しそうにニヤニヤと笑っている。
どうやっても勝てない……!何を出しても必ず負ける……っ!
く……くそ~っ!
なんでこの人は私が出す手が分かるんだろう……っ!?
「引くのなら今のうちじゃぞ?じゃがその代わりこの鬼の服は返さぬし、お主には土下座をしてもらうことになるがの」
「まだ……!まだやります……!」
そう……!次に勝てばいいのだ……っ!しかし……。
「では、行くぞ?ジャンケン……!」
「ポン……!」
私はパーで……、玉藻さんは……チョキ!
「ま……負けた……」
「んふふふ……。さて、妾の勝ちじゃの」
く……くぅ~……っ!!
結局一回も勝てずに10連敗してしまった……っ!
「妾の勝ちじゃ。さて、カナとやら。約束通り妾の旅に付き合ってもらうぞ?」
こうして負けてしまった私は玉藻さんのパーティーへと加えられたのだった……。
バイキング形式にもかかわらず、アイスクリームは溶けておらず、氷結魔法の応用で維持されているようだ。
私は幸せな顔をしてデザートまで食べていると、見覚えのある服を持った狐の半獣人のような若い女性が目の前を通り過ぎるのが見えた。
確かあれはバッシュの服……?
「あの……、すみません。その服どうしたんですか……?」
私はバッシュの服を持った女性に声をかけてみることにした。
「ん……?そなたは誰じゃ……?この服は妾がうつけ者の鬼から賭博で得た戦利品じゃ」
どうやらバッシュはこの人に負けたようだ。
それにしても……なんか変な喋り方をする人だなぁ……。
「私はカナと言います。その服は多分私の仲間のものだと思うので、よければ返して欲しいのですけど……」
「ほう……、そなたはカナと申すか。妾は玉藻じゃ。妖狐の玉藻じゃ。この服は妾の得た戦利品故においそれとは返せぬ」
どうやら返してくれる気はないようだ……。
威張るように胸を反らすと、玉藻さんの大きな胸がプルンと揺れる。
く……、この人のも大きい……!
まあ、私のでもないし、変に賭けなんかしたバッシュが悪いのだからどうでもいいことではある……。
「まあ、どうしてもというのなら返してやらぬこともないが……妾に勝てれば返すとしよう」
「勝てればって言っても私は賭け事とかしませんよ……?」
「別に賭博でなくても良い。何でも良いぞ?」
う~ん……、なんでもと言われても……。
まさかここで剣を振り回すわけにも……。
あ……!そうだっ!
私は一つの妙案を思いついた。
「では、ジャンケンはどうですか?」
「ジャンケンか……。良いぞ、相手をいたそう」
「では、私が勝ったらその服は返してもらいますよ」
「では……、妾が勝てばそうじゃの、妾の旅に付き合ってもらおうかの」
「旅の仲間に……?」
「そうじゃ、あの鬼のように裸に剥かれるよりは良かろう」
私と玉藻さんはニヤリと笑みを浮かべながら隅の方へと移動した。
◆◆◆
「さて、ルールの確認じゃが、十回やって妾が一度でも負ければそなたの勝ちじゃ。じゃが、そなたが負ければ妾の旅に付き合ってもらうぞ?」
「一回勝てばいいんですか?」
「無論じゃ。妾は戯言は申さぬ。その代わり、お主が負ければどこを目指しているのかは知らぬが、妾に付いてきてもらうぞ?」
普通に考えれば十回連続で勝つのはかなり難しい。
しかし、玉藻さんはよほどの自信があるのか、余裕の笑みを浮かべていた。
「わかりました……、やります……!」
「よかろう、それでは」
まず最初にジャンケンをして私がパーで、玉藻さんがチョキを出す。
く……、負けてしまった。
でもまだまだ……!まだ一回負けただけだっ!まだチャンスは9回ある……っ!
---
しかし……、何回も勝負するもなぜか勝てず、連続で9敗と追い詰められてしまっていた……。
「ほれほれ、どうした。残り一回じゃ。もう後がないぞ?」
「くぅ……っ!!」
玉藻さんが嬉しそうにニヤニヤと笑っている。
どうやっても勝てない……!何を出しても必ず負ける……っ!
く……くそ~っ!
なんでこの人は私が出す手が分かるんだろう……っ!?
「引くのなら今のうちじゃぞ?じゃがその代わりこの鬼の服は返さぬし、お主には土下座をしてもらうことになるがの」
「まだ……!まだやります……!」
そう……!次に勝てばいいのだ……っ!しかし……。
「では、行くぞ?ジャンケン……!」
「ポン……!」
私はパーで……、玉藻さんは……チョキ!
「ま……負けた……」
「んふふふ……。さて、妾の勝ちじゃの」
く……くぅ~……っ!!
結局一回も勝てずに10連敗してしまった……っ!
「妾の勝ちじゃ。さて、カナとやら。約束通り妾の旅に付き合ってもらうぞ?」
こうして負けてしまった私は玉藻さんのパーティーへと加えられたのだった……。
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~
あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。
彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。
剣も魔法も得意ではない主人公は、
最強のメイドたちに守られながら生きている。
だが彼自身は、
「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。
自分にできることは何か。
この世界で、どう生きていくべきか。
最強の力を持つ者たちと、
何者でもない一人の青年。
その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。
本作は、
圧倒的な安心感のある日常パートと、
必要なときには本格的に描かれる戦い、
そして「守られる側の成長」を軸にした
完結済み長編ファンタジーです。
シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。
最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。
なお、シリーズ第二作目が、現在なろう様、カクヨム様で連載しています。
2月13日完結予定。
その後、アルファポリス様にも投稿する予定でいます。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。