チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー

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四章 海を渡った少女

サーバルの町

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 ーカナー

 ムイスの村を発って二日後……、私達は日の高いうちにサーバルの町へと辿り着いた。

 この町は、平地に存在する町で周囲に危険な魔物や動物がいないためか、防護壁のようなものは存在しない。

 ラウルやリーツェのような中規模な街ではなく、小さな町のようで、一軒の宿屋に部屋を借りると、必要なものの買い出しへと向かうことにする。

 旅の食料等を買いに町を歩いていると、民家の他に宿屋がニ軒に食堂兼酒場が一軒、あとはスケベ通り程ではないが、アレをする店が男性用、女性用と三軒づつある。

 この町には冒険者ギルドはないようだが、買い物の途中に三人組の男性冒険者のパーティとすれ違った。
 どうやら、私達同様に旅の途中に寄ったのかも知れない。

「ねえ、カナ。スケベ店にいかない?」

 買い物を終え、日が沈みかけた頃に宿屋へと戻るとフィーリエがスケベ店に誘ってきた。
 スケベ店とは勿論スケベなことをする店の総称らしい。

「スケベ店か……、うん、いいよ」

「ほう……、カナはスケベ店に行くのか。おおかた、バッシュがいなくなったから男のモノが恋しくなったのじゃろ?」

 玉藻がにししとイヤらしげな笑みを浮かべて私を見ている。

「うぐ……!」

 図星を突かれてしまった……。
 あれだけ散々事あるごとにされて来たら私だって男の人のが欲しくなってしまう……。

 というか、私もすっかりエッチな娘になってしまったようだ……。

 最初の頃はラウルのスケベ通りに誘われただけで顔を真っ赤にしていたのに、今では誘われたらほいほい行くようになってしまった……。

 いつか自分ひとりでも行ってしまいそうだ。
 なれって怖い……。

「玉藻はどうする?」

「妾は行かぬ。妾は夫以外とはしない主義なのじゃ」

 フィーリエが玉藻も誘うが、玉藻は断っていた。

「分かった。じゃあ、カナ行こうか」

「うん」

「その間、妾は色々と情報を調べておくとしようかの」

「なら、後で酒場兼食堂で落ち合おう」

「承知した」

 私達は再び宿屋を出ると、それぞれ目的の場所へと向かった。


 ◆◆◆


 女性用のスケベ店が並ぶ場所に辿り着くと、そこにはアレ目的の多くの女性と数人の男性の姿があった。

 この町のスケベ店は、女性用ということで男性は客引きくらいと思っていたが、なぜか客引き以外の男性の姿も見える。
 まさか、男の人が女性用のスケベ店を利用する訳じゃ無いよね……?

「カナはどこの店にする?」

「そうだね~……」

 男性のことは置いておいて、私はどの店にするか周りを見渡す。
 と言っても三軒しかない……。

 看板を見ると、スライムの沼、魔触の森、獣の雄叫び、という3つの店が建っている。

 スライムの沼はスライムか何かなのだろう、リーツェの時に駆除したスライムを思い浮かべるけど、あれが相手をするってことなのかな……?

 獣の雄叫びは多分獣人族が相手なのだろうと言うことは容易に想像がつく。

 しかし魔触の森は……なんだろう……?
 スライムの沼と獣の雄叫びは想像が付くけど、魔触の森って何……?

「カナ決めた……?て、魔触の森……?へ~、カナって見かけによらず、かなりスケベなんだ~」

 気になって魔触の森を見つめていると、フィーリエがニヤニヤとイヤらしげな笑みを浮かべて、私を見ていた。

「い……いや……、これがどんなのか気になっただけで……!」

「そっか~、どのくらい気持ちよくしてもらえるのか気になっちゃうのか~。気になるなら行ってみるといいよ。という訳で行ってらっしゃ~いっ!」

「ちょ……!話を聞いて……きゃあ……っ!?」

 必死に弁解をしようとするも、フィーリエは聞いてくれず、それどころか店の中に押し込まれてしまった……。

「いらっしゃいませ、ようこそ魔触の森へ!」

 店内にの受け付けにエルフの魔法使い風のような女性スタッフと思われる人が立っていた。

「え……えっと……」

「当店は初めてご利用ですか?」

「は……はい……」

「当店は触手による責で、普通の男性相手では決して味わうことのできない快感を得ることが出来ることをお約束しております。本日はどれになさいますか?」

 メニュー表を見ると、花触手、肉触手、水生触手、虫触手と、様々な触手が書かれている。

 ここは触手専門のスケベ店のようだ。
 そしてこのメニュー表を見てフィーリエが言っていた意味が今始めて分かった。

 好き好んで触手に行こうとする人は確かにかなりスケベだと言えるだろう……。

「え……えっと……、初めてでも安心なのってありますか……?」

 私は恐る恐る聞いてみる、

「始めての方は花触手か肉触手がおすすめですね。特に触手初心者の方は花触手がよろしいかと……」

「で……では花触手で……」

「は~い、畏まりました~。花触手1名様でーすっ!」

 奥からやって来たスタッフに連れられ、部屋に行くとまるで森をイメージしたような部屋だった。

「それでは、ごゆっくりどうぞ~」

 スタッフが去り、部屋に一人取り残された私に蔓のような触手が這い寄ってくる。
 そして……、時間が来るまでかなり気持ちよくしてもらったのだった……。
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