チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー

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五章 探し求める少女

カナ、酔っぱらう

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 酒場で情報を得ようとしていた私は、すっかりとカウンター席で酔いつぶれてしまい、意識が朦朧としていた……。

 あのマスターから情報を聞き出すのに結構お酒を飲まされた……。

 しかも私自身お酒は初めてで、尚且つあのフルーツリキュールが飲みやすいため気が付かずに飲んでいると、いつの間にか酔が回ってしまっていた……。
 実際目の前の世界がグルグルと回っている……。

 でも、そのおかげで、ギガインパクトを覚えれたし、この先の砂漠を進むとサンドラという街があることも分かった……。

 決して酔ったことは無駄ではない……はず。

「それはいいんらけろだけど……、フィーリエちゃんとの待ち合わせ場所……決めれらっけてたっけ……?」

 酔った影響か呂律もいまいち回らない……。
 そもそも待ち合わせ自体したかも覚えていない……。

 ダメだ……、酔って頭が全然回らない……。

「おい、お嬢さん大丈夫かい……?まあ、飲ませすぎた俺が言うのも何だけど……。お嬢さん仲間がいるんたろ?どこで待ち合わせしてるんだい……?」

にゃかま仲間は……フィーリエちゃんときてま~しゅま~すれもでも……、ろこどこで待ち合わせたのか……、そもそも待ち合わせたのか……、おぼえてましぇんせん……!」

「参ったな……、つい飲ませすぎちまったよ……。そのフィーリエって子はどんなの子なんだい……?」

「フィーリエちゃんは……、おっぱいの大きいハーフドワ~フのおにゃのこなのれす女の子なんです!対するわらひは……、おっぱいが小さいのれふ……!にゃじぇだなぜだ……っ!!」

「なぜだって……、知らないよ……」

「ミリアも、バッシュも……、み~んなわらひの身体がめあれ目当てで、だ~れもわらひのことしゅき好きって言ってくれにゃいないの……!もっとも、ミリアはおんにゃなんらけろね女なんだけどね!あは!あはははは……っ!!」

 わらひは笑いながらカウンターを手でバンバンと叩く。

「はあ……、めんどくさい子に酒を勧めちまったな、こりゃ……」

 完全に酔っ払った私に対し、酒場のマスターは深くため息を付いていたのだった……。


 ◆◆◆


 ーフィーリエー

 遅い……。

 今日泊まる宿屋を確保したあたしは待ち合わせ場所である町の広場で待ちぼうけとなっていた……。
 冒険者ギルドか酒場で情報を集めて来ると言っていたカナが広場に全然来ない……。

 あまりにも遅いから干し肉や水などを買ったりと、旅の支度も終わらせた。
 それでもまだ来ない……。

 どこかで道に迷ったのか、何かトラブルでもあったのか……、それともナンパされて宿屋に連れ込まれた……?

 あの娘、胸は小さいけど顔は可愛いからね~……。

「……よし、探そう!」

 少し思案した結果、カナを探すことにした。

 町の人に聞くと、ここには冒険者ギルドは無いことが分かった。

 となると後は酒場か、宿屋に連れ込まれたか……。

 一先ず宿屋から聞いてみるか……。

 まずはここから近い宿屋へと当たってみることにした。
 宿屋の主人や女将にカナの特徴を伝え、来たかどうかを尋ねるもどこの宿屋でも来てないと言われた……。
 通りすがりの人にカナの特徴を伝えても知らないという……。

 となると、あとは酒場かな……?
 あたしは酒場の場所を町の人から聞いて向かうことにした。


 ◆◆◆


 酒場へと着くと、まだ時間帯が早いからかあまり人はいない……が、目的の人物ならカウンターに突っ伏していた……。

「あーーっ!カナこんな所にいた……っ!」

 あたしは肩を怒らせながら酒場へと入る。
 何をしているのかと思えば、カナは顔を真っ赤にして酔いつぶれてしまっていた……。

「あ~、フィーリエちゃんだ~っ!」

 う……、酔ってかなり陽気なカナの口からかなり酒の匂いがする……。
 この娘、一体どれだけ飲んだんだろう……?

「ああ、良かった……!あんたこの娘の仲間かい……?」

「え……?あ、うん……。確かにこの子はあたしの仲間だけど……。」

「いやぁ。ついこのお嬢さんに酒を勧めすぎちゃってね……、変に絡まれて困ってたんだよ……」

わらひよっれない酔ってない!それよりマスタ~、どうすればわらひ男の人からモテると思う~……?おっぱい大きくにゃらにゃいとならないとと無理なのかなぁ~……、ねえ、マスタ~、わらひのおっぱい大きくしてよぉ~……」

「ちょっと、勘弁してくれよ……」

 カナが鎧を脱ごうとするとマスターは本気で困り果てていた……。

 それにしても、カナは酔うと絡むのか……。
 うん、カナには酒は今後飲ませないようにしよう。
 あと、酒場にも行かせないようにしよう……!

「すみません、それじゃあこの子回収していきます」

 あたしはカナを背負うと、カナが飲み食いした代金を支払うと酒場を出て宿屋へと向かった。


 ◆◆◆


「フィーリエちゃん!わらひギガインパクトって魔法覚えたのっ!すごいでしょ~っ!これで、しゃんどわ~むサンドワームを倒すのっ!!」

 カナがあたしの背中の上で大声で叫んでいる。
 耳元で叫ぶものだからかなりうるさい……。

「わかったから耳元で大声出さないでよ……」

「次はしゃんどらサンドラに行くぞー!おおーーっ!!」

 今度は次の目的地なのだろうか……?
 手足をバタつかせて大声で叫んでいる。

「カナ……!暴れたら落ちるから……っ!」

「じゃあ、わらひを、おろひて降ろしてもいいよぉ~。自分歩くから……。」

 試しにおろしてみるとフラフラと覚束ない足取りで町を歩き出す。
 そんな歩き方だから当然知らない人とぶつかりそうにもなる……。
 そして……。

「あた……!」

 なにもない所でカナは転んだ……、しかも頭から……。
 そして、お尻を突き上げて転んでいるため、スカートがめくれて水色のストライプ柄のパンツが丸見えとなっていた。
 ダメだ……、この娘は酔うとポンコツだ……。

「はあ……、カナやっぱりあたしがおんぶする……」

 カナの前にしゃがみ込むと、カナはあたしの背中へとよじ登ってきた。

「あは……、あはははは……!わらひ何も無い所で転んじゃった……!ごめんねフィーリエちゃん……!」

 その後もカナはかなり上機嫌ではしゃいでいたが、宿屋へと着く頃にはカナはあたしの背中の上で寝てしまっていた……。
 しかし……。

「とあぁぁ~~……っ!!」

 宿屋の借りている部屋に着くと、カナは起きたかと思うと突然服や鎧、下着まで脱ぎ捨てると素っ裸になってベッドへとダイブした。

「あは!あはははは……っ!!あ~、あっついっ!!フィーリエちゃんも脱いでみなよ!涼しくてひもひいい気持ちいいよぉ~……!」

 ああ~、涼しくて気持ちいいって言いたいのね……。

 酒を飲んだから体が火照って熱いのだろう……、さらに砂漠も近いためなおさらなんだと思うけど……、なんでいきなり全部脱ぐかな、この酔っぱらいは……!

「カナ……!せめて服くらい着なよ……!」

「えぇ~……、いいじゃん……。そんな事より、フィーリエちゃんも脱ごうよぉ~……!」

「え……?ひゃあ……っ!?」

 カナに近付くといきなり抱きついてきて、ベッドへと押し倒された……!
 引き離そうとするも、その華奢な見た目に似合わず意外と力が強い……!

「いやいやいや……!あたしは脱がないから……っ!というか離して……!」

「え~……!だってパーティのにゃかを深めるにはしゅきんしっぷスキンシップが大事だって、ミリアしゃんさんひってた言ってたもん……!というわけで、フィーリエちゃんもぎゅ~……!」

 ミリアって誰……っ!?
 カナは酒臭い息を吐きながら上機嫌にあたしに頬ずりをしてくる。

「この……!いい加減に……!て、あれ……?」

「くぅ~……、くぅ~……。」

 無理矢理抜け出そうとするとカナの力が抜けていた。
 よく見るとカナは静かに寝息を立てて眠っていた。

「はぁぁぁぁ~~~……っ!!」

 あたしは深くため息を付くとカナを引き剥がしてベッドから起き上がる。

 もうやだ、この酔っぱらい……。
 ほんとこの娘にはぜっっったいに酒は飲ませられない……!

 あたしはカナのポーチから下着と部屋着を取り出して着せると、あたしは食事を食べに出かけることにした。
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