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五章 探し求める少女
フィーリエとの別れ
翌朝……、私はサンドラの街を発つため街の外れへと来ていた。
そんな私をフィーリエが見送ってくれている。
フィーリエは装備工房での仕事が決まったのか、工房で作業するための作業着のようなものを着ていた。
「それじゃあ、フィーリエ……。私行くね……」
「カナ、短い間だったけどありがとう……。あたしカナと冒険した日のことは忘れないよ」
「私もフィーリエの事は忘れない……」
フィーリエとはサーミラの町で半ば強引に着いてきた娘だった……。
でも、彼女のその力強さはパーティの戦力の要で特にキメラとの戦いで発揮されていた。
私がお酒で大失態した時は介抱してくれたりと、結構迷惑をかけた事もあったけど、明るくていい子だった。
私はそんなフィーリエの事も忘れない……。
「それじゃあ……、またね……!」
私はフィーリエと軽くハグをした後、マジックオーブを取り出し、マーゼの教会をイメージする……。
すると、玉は光りだして私は光の中へと包まれた……。
◆◆◆
光が消えた時、私はマーゼの教会の前に立っていた。
「か……カナさん……っ!?」
そして、目の前にマーロウさんの姿があった……!
マーロウさんはいきなり現れた私を見て心底驚いていた……!
「うわぁ……っ!?ま……マーロウさん……っ!?」
目の前に人がいるとは思わなかったので、思わず後ろへと転んでしまう……。
「カナさん、大丈夫ですか……?」
マーロウさんは私へと手を差し伸べると、それを掴んで起き上がる。
「マーロウさん、すみません……。」
「いえ……、ですが急に現れたので驚きました……」
「驚かせてすみません……、実は……」
私はマーロウさんにアルアナから貰ったマジックオーブの事を説明する。
「なるほど……、そうでしたか。アルアナ様からそのようなものを……」
「それで、そのアルアナ……様に会いたいのですが……」
「ええ、いいですよ」
私はマーロウさんの許可を得ると、教会の裏にある崖へと向かい、神殿へと転送される扉へと向かった。
---
扉を開け、中に入ると私は光に包まれ、アルアナの神殿へとやって来る。
「お……?カナか。何の用だ?」
私の顔を見ると、退屈そうにしていたアルアナの表情が嬉しそうなものへと変わった。
「えっと……サンドワームの肝を持ってきました」
私は魔法のポーチからサンドワームの肝を取り出す。
その瞬間また手にベチョリとした感触を感じる……。
うぇ……、この感触は何度やっても嫌だ……。
「ふむ……、サンドワームの肝はいいが、そんなに沢山はいらんぞ。ほんの少しでいい、切り分けろ」
「うえぇ……っ!?」
私の口から思わず嫌そうな声が漏れ出た。
こ……これを切り分けろ……?
このナメクジのようなイヤな触り心地の肝を……っ!?
「なんだ、その嫌そうな声は……。まさか、私に切れと言うのか……?そんな事をしたら私の手が汚れるではないか」
どうやらアルアナも汚れるのが嫌なようだ……。
仕方ない……。
私は剣を抜くと、サンドワームの肝を少し斬り取り、アルアナへと手渡そうとすると、アルアナは魔法でそれを浮かせてお皿のようなものへと置いた。
「サンドワームの肝、ご苦労だったな。これは腐らぬよう私がきちんと管理しておく」
「次はどこに行けば指定の素材が手に入る魔物がいますか……?」
「……教えてやったのは最初だけだ。あとは自分でどうにかしろ。冒険者だろ?」
「うぐ……!」
アルアナの言葉に私は思わず言葉に詰まる。
どうやら教えてくれる気は無いらしい……。
ケチだ!
私は残ったサンドワームの肝はまた魔法のポーチへと戻し、神殿を後にした。
そして、手がまたネチョネチョになってしまった……。
◆◆◆
サイドストーリー
―フィーリエ―
カナがサンドラの街を後にした……。
あたしは今装備工房で槌を持って武器を作っている……!
皆からはドワーフの血を引いているからか、腕が良いと褒められた……。
自慢ではないが、あたしが使っていた装備も親父に教わりながら自分で作った物だ。
その時も親父は腕が良いと言ってくれた。
でも、それはあたしが娘だから言ってくれたのだとばかり思っていた。
でも、どうやらそうではないらしい……。
全く知らない他人から褒められると、とても嬉しい。
頑張ろうという気になってくる……!
ここに来られたのもカナのお陰だ。
あたしが勝手にカナの旅に付いてきて、今度は勝手にここの工房で働きたいと言うと、カナは快く許してくれた……。
最初はダメだと怒られるとばかり思っていたけど、カナは怒らなかった。
こんなワガママばかり言うあたしを許してくれたカナには感謝しかない……。
だから……、あたしはそんなカナのための装備を作るんだ……っ!
あたしの手で、親父が作ったあの装備をも超える物を作って……、カナに使ってもらうんだ……っ!!
そのために、あたしはこの工房で腕を磨くことを決めたのだ……!
その決心を胸に、あたしは鎚を振るうのだった。
そんな私をフィーリエが見送ってくれている。
フィーリエは装備工房での仕事が決まったのか、工房で作業するための作業着のようなものを着ていた。
「それじゃあ、フィーリエ……。私行くね……」
「カナ、短い間だったけどありがとう……。あたしカナと冒険した日のことは忘れないよ」
「私もフィーリエの事は忘れない……」
フィーリエとはサーミラの町で半ば強引に着いてきた娘だった……。
でも、彼女のその力強さはパーティの戦力の要で特にキメラとの戦いで発揮されていた。
私がお酒で大失態した時は介抱してくれたりと、結構迷惑をかけた事もあったけど、明るくていい子だった。
私はそんなフィーリエの事も忘れない……。
「それじゃあ……、またね……!」
私はフィーリエと軽くハグをした後、マジックオーブを取り出し、マーゼの教会をイメージする……。
すると、玉は光りだして私は光の中へと包まれた……。
◆◆◆
光が消えた時、私はマーゼの教会の前に立っていた。
「か……カナさん……っ!?」
そして、目の前にマーロウさんの姿があった……!
マーロウさんはいきなり現れた私を見て心底驚いていた……!
「うわぁ……っ!?ま……マーロウさん……っ!?」
目の前に人がいるとは思わなかったので、思わず後ろへと転んでしまう……。
「カナさん、大丈夫ですか……?」
マーロウさんは私へと手を差し伸べると、それを掴んで起き上がる。
「マーロウさん、すみません……。」
「いえ……、ですが急に現れたので驚きました……」
「驚かせてすみません……、実は……」
私はマーロウさんにアルアナから貰ったマジックオーブの事を説明する。
「なるほど……、そうでしたか。アルアナ様からそのようなものを……」
「それで、そのアルアナ……様に会いたいのですが……」
「ええ、いいですよ」
私はマーロウさんの許可を得ると、教会の裏にある崖へと向かい、神殿へと転送される扉へと向かった。
---
扉を開け、中に入ると私は光に包まれ、アルアナの神殿へとやって来る。
「お……?カナか。何の用だ?」
私の顔を見ると、退屈そうにしていたアルアナの表情が嬉しそうなものへと変わった。
「えっと……サンドワームの肝を持ってきました」
私は魔法のポーチからサンドワームの肝を取り出す。
その瞬間また手にベチョリとした感触を感じる……。
うぇ……、この感触は何度やっても嫌だ……。
「ふむ……、サンドワームの肝はいいが、そんなに沢山はいらんぞ。ほんの少しでいい、切り分けろ」
「うえぇ……っ!?」
私の口から思わず嫌そうな声が漏れ出た。
こ……これを切り分けろ……?
このナメクジのようなイヤな触り心地の肝を……っ!?
「なんだ、その嫌そうな声は……。まさか、私に切れと言うのか……?そんな事をしたら私の手が汚れるではないか」
どうやらアルアナも汚れるのが嫌なようだ……。
仕方ない……。
私は剣を抜くと、サンドワームの肝を少し斬り取り、アルアナへと手渡そうとすると、アルアナは魔法でそれを浮かせてお皿のようなものへと置いた。
「サンドワームの肝、ご苦労だったな。これは腐らぬよう私がきちんと管理しておく」
「次はどこに行けば指定の素材が手に入る魔物がいますか……?」
「……教えてやったのは最初だけだ。あとは自分でどうにかしろ。冒険者だろ?」
「うぐ……!」
アルアナの言葉に私は思わず言葉に詰まる。
どうやら教えてくれる気は無いらしい……。
ケチだ!
私は残ったサンドワームの肝はまた魔法のポーチへと戻し、神殿を後にした。
そして、手がまたネチョネチョになってしまった……。
◆◆◆
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カナがサンドラの街を後にした……。
あたしは今装備工房で槌を持って武器を作っている……!
皆からはドワーフの血を引いているからか、腕が良いと褒められた……。
自慢ではないが、あたしが使っていた装備も親父に教わりながら自分で作った物だ。
その時も親父は腕が良いと言ってくれた。
でも、それはあたしが娘だから言ってくれたのだとばかり思っていた。
でも、どうやらそうではないらしい……。
全く知らない他人から褒められると、とても嬉しい。
頑張ろうという気になってくる……!
ここに来られたのもカナのお陰だ。
あたしが勝手にカナの旅に付いてきて、今度は勝手にここの工房で働きたいと言うと、カナは快く許してくれた……。
最初はダメだと怒られるとばかり思っていたけど、カナは怒らなかった。
こんなワガママばかり言うあたしを許してくれたカナには感謝しかない……。
だから……、あたしはそんなカナのための装備を作るんだ……っ!
あたしの手で、親父が作ったあの装備をも超える物を作って……、カナに使ってもらうんだ……っ!!
そのために、あたしはこの工房で腕を磨くことを決めたのだ……!
その決心を胸に、あたしは鎚を振るうのだった。
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