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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長
柚葉と彼方……伝えられた気持ち
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体育館裏で見つけたのは、肩を震わせながら涙をこらえきれずに泣いている如月先輩だった。
僕は、言葉を失った。
ただ、彼女の背中に向かって、そっと歩み寄るしかなかった。
「先輩……」
僕は先輩に声を掛けると、彼女はビクっと肩を震わせながら振り向く。
涙を腕で拭いながら、先輩は無理に口元を持ち上げた。
その笑顔は、痛々しいほどに作り物だった。
「御堂、こんなところでどうした?特別審査委員長として優勝者にトロフィーを渡すんじゃないのか?」
「それは僕が望んで引き受けたことじゃないので知りません」
無理をして笑っている先輩の体がいつもよりもさらに小さく見える。
不器用で、一生懸命で、どこか放っておけない——そんな金髪で背の小さな女の子を、僕は守りたいと思った。
僕は先輩に向かって歩み始める。
「御堂……やめろ……!来るな……!」
拒む言葉を振り払うように、僕はそっと先輩を抱きしめた。
「如月先輩……」
「御堂!離せ……!いまお前に優しくされたら……ミレイは……ミレイは……!」
最初こそ僕から逃れようと藻掻く先輩だったけど、少し力を入れて抱きしめるとすぐに大人しくなり、肩を震わせて涙を流していた。
「先輩、何で泣いてるんですか?」
「うう……御堂……、ひっく……!お前も他の人達みたいにミレイに失望したんじゃないのか……?他の人には何と思われようと気にはならない。でも……御堂にだけは失望したと、ガッカリだと思われたくないんだ……うぅぅ……!」
「先輩……!」
僕は先輩をギュッと抱きしめる。
「御堂……?」
「先輩、そんなこと言わないでください……!僕は生徒会に入ってから先輩のことを見てきたつもりです!不器用だけど、何事にも一生懸命で、逃げることなく立ち向かう……、それは全て如月先輩の長所です!僕は……そんな先輩が好きです!」
僕は勢いに任せて先輩に告白する。
「え……?御堂……今なんて……?」
突然のことに先輩は未だ涙をためた目で僕を見つめる。
「僕は……如月・ミレイ・柚葉先輩を一人の女の子として好きです!」
「御堂……いいのか……?ミスコンで最下位で、みんなから失望されたミレイで……本当にいいのか……?」
「僕は……先輩がいいんです」
「御堂……ミレイも……御堂の事が好きだ……やっと言えた……、御堂にミレイの気持ちを伝えられた……」
先輩の目からまた涙があふれる。
でも、それは悲しみの涙じゃなかった。
笑顔の中でこぼれたのは、ようやく届いた想いに満ちた、喜びの涙だった。
「先輩……」
僕は先輩の頭をそっとなでると、彼女は僕に微笑みかけてくれる。
「御堂、お前には先輩"ではなく、ファーストネームである"柚葉"と呼んで欲しい」
「わかりました、その……柚葉先輩」
「先輩は余計だが……今は許そう。おいおいその先輩が外れることを期待しているぞ、"彼方"」
柚葉先輩はイタズラっぽく笑みを浮かべたかと思うと、目を閉じて顔を少し上げる。
僕も静かに目を閉じて、そっと彼女の唇に触れた。
それは、ふたりの新しい関係の始まりだった。
僕は、言葉を失った。
ただ、彼女の背中に向かって、そっと歩み寄るしかなかった。
「先輩……」
僕は先輩に声を掛けると、彼女はビクっと肩を震わせながら振り向く。
涙を腕で拭いながら、先輩は無理に口元を持ち上げた。
その笑顔は、痛々しいほどに作り物だった。
「御堂、こんなところでどうした?特別審査委員長として優勝者にトロフィーを渡すんじゃないのか?」
「それは僕が望んで引き受けたことじゃないので知りません」
無理をして笑っている先輩の体がいつもよりもさらに小さく見える。
不器用で、一生懸命で、どこか放っておけない——そんな金髪で背の小さな女の子を、僕は守りたいと思った。
僕は先輩に向かって歩み始める。
「御堂……やめろ……!来るな……!」
拒む言葉を振り払うように、僕はそっと先輩を抱きしめた。
「如月先輩……」
「御堂!離せ……!いまお前に優しくされたら……ミレイは……ミレイは……!」
最初こそ僕から逃れようと藻掻く先輩だったけど、少し力を入れて抱きしめるとすぐに大人しくなり、肩を震わせて涙を流していた。
「先輩、何で泣いてるんですか?」
「うう……御堂……、ひっく……!お前も他の人達みたいにミレイに失望したんじゃないのか……?他の人には何と思われようと気にはならない。でも……御堂にだけは失望したと、ガッカリだと思われたくないんだ……うぅぅ……!」
「先輩……!」
僕は先輩をギュッと抱きしめる。
「御堂……?」
「先輩、そんなこと言わないでください……!僕は生徒会に入ってから先輩のことを見てきたつもりです!不器用だけど、何事にも一生懸命で、逃げることなく立ち向かう……、それは全て如月先輩の長所です!僕は……そんな先輩が好きです!」
僕は勢いに任せて先輩に告白する。
「え……?御堂……今なんて……?」
突然のことに先輩は未だ涙をためた目で僕を見つめる。
「僕は……如月・ミレイ・柚葉先輩を一人の女の子として好きです!」
「御堂……いいのか……?ミスコンで最下位で、みんなから失望されたミレイで……本当にいいのか……?」
「僕は……先輩がいいんです」
「御堂……ミレイも……御堂の事が好きだ……やっと言えた……、御堂にミレイの気持ちを伝えられた……」
先輩の目からまた涙があふれる。
でも、それは悲しみの涙じゃなかった。
笑顔の中でこぼれたのは、ようやく届いた想いに満ちた、喜びの涙だった。
「先輩……」
僕は先輩の頭をそっとなでると、彼女は僕に微笑みかけてくれる。
「御堂、お前には先輩"ではなく、ファーストネームである"柚葉"と呼んで欲しい」
「わかりました、その……柚葉先輩」
「先輩は余計だが……今は許そう。おいおいその先輩が外れることを期待しているぞ、"彼方"」
柚葉先輩はイタズラっぽく笑みを浮かべたかと思うと、目を閉じて顔を少し上げる。
僕も静かに目を閉じて、そっと彼女の唇に触れた。
それは、ふたりの新しい関係の始まりだった。
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