黒い影に追われ

第1章

迫る足音

「……霧野…助けてくれ…」
目の前には、血を流して倒れている同僚の光毅の姿があった。
「光毅どうしたんだ！」
光毅に近づき話しかけたその瞬間俺は、誰かに刺された…
「はっ！またあの夢か…」
最近、同僚の光毅が何者かに襲われて自分も殺されてしまうという不吉な夢を何度も見ている。
「はぁ…あの男に会ってから変な夢ばかり見るな…」
最近の出来事で、同僚の光毅と別れた帰り道に、後ろから見知らぬ男に声をかけられそこから変な夢を見るようになった。
「あの男は、一体誰だったんだ…」
そう考えている中、時計を見ると
「あ、やべ遅刻する。」
その後、無事会社につき仕事をしたあとの昼休憩の時
「お～い霧野」
同僚の光毅に声をかけられた。
「どうした光毅？」
「いや、今日のお前なんか考え事してるように見えて気になったからさ。」
そう言って光毅は、話を続けた。
「会社のこととかでなにか悩んでいるならいつでも相談してくれよ！」
「あぁ、ありがとう」
そう言って昼休憩の時間が過ぎていった。
「結局相談できなかったな…」
そう１人で呟いてると目の前に、あの時の見知らぬ男が現れた。
「前は、すみませんいきなり現れて名乗りもせずに…」
男は、そう言って謝ってきた。
「私は、犬夜と言うものです。」
「ご丁寧にどうも、それでどのようなご要件で」
「はい今回は、前回話せなかった件で…」
犬夜は、そのまま話を続けた。
「今回あなたに接触したのは、光毅さんについてお話したいことがありまして。」
何故、同僚と言うだけの俺に光毅についての話をするのだろうか？
「あのすみません、話がよく掴めないのですが何故光毅の同僚であるだけの僕に話があるのですか？」
そう聞いてみると、犬夜は口を開いた
「あなた方２人は、覚えてないでしょうがあなた方２人は、小中高と同じクラスだったんですよ。」
犬夜の口からは、光毅と俺が幼馴染みということだけでなく驚愕の真実を、突きつけられた。
「そして私も中学の時に、あなた方２人とは同じ学校に居たのですが中学３年生の卒業式まじかに１人の男子生徒が自殺したという事件があったのを憶えてないでしょうか？」
俺は、中学３年の一時期に病院にいた。
何故だかは、知らなかったが退院して初めて学校に言った際、友達からいろんな話をされたようだがその時の記憶は、全く憶えていなかった。
「その男子生徒は、私の親友だったんですが…助けることができなかった…あの時、周りや先生方みんなは、自殺だと判断して終わった…」
その話を聞いて俺は、少し黙ってしまった。
その時、後ろからこちらに迫ってくる足音が聞こえた…