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第1話
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外をふらつく。いつもと同じ道。何も変わらない毎日をただただ過ごすだけだと思ってた。起きて、働いて寝る。たまに違う日々を過ごす。それが日常だった。「はぁ」またぽつりと言葉を落とす。今日だけ別の道で帰ることにしたんだ。何かに誘われたのか、何かを欲したのか。僕にはもうわからない、だってあの時には戻れないんだから。
道を歩いていくうちに僕は女の子を見つけた。おそらく中高生といったところだろう。服はボロボロ、髪はボサボサ、いわゆる浮浪者のような子だった。
ふと、思い馳せる。酷い世の中になったものだなと。これが僕と彼女の始まりの物語である。
ちょっとだけ会話を試みた。でもあまり応答しない。“あまり”という曖昧な表現をしたのは話すこともできないというわけではないからだ。彼女は応答はしてくれる。でも首を振ったり、手を使ってジェスチャーしたりと、とにかく喋ってくれるわけではない。
だから「家族とかはいるの?」と聞いてみても返ってくるのはあまりにも長い沈黙だ。長い沈黙は答えられないということだろう。でも少し悲しい表情をしているようにも思えた。
難しい質問をすると返ってくることはない。ただ少し、困った表情をする。
何個かの質問を経てわかったことは
彼女は17歳
2025年の6月くらいから浮浪者のような暮らしをしているらしい。(現在は2025年7月18日4時半ごろ)
家はある
食事はちゃんと摂っている
このくらいだ。
家があるということなので行ってみたら案の定というべきか悪寒がしたというべきか、木や段ボール、ビニールシートなどでつぎはぎに作った女子高生ほどの子が住んでるとは思えない家だった。中は少し生臭い。食事は炊き出しでいつも凌いでいるらしい。
5時くらいになると近くの公園に行き食事をもらっているらしい。そろそろ5時になる頃なのでついて行ってみることにした。喋らないことで無愛想だと思われているのか、炊き出しをもらう彼女の番になった時渡してくれるおばさんやおじさんたちは渋った表情をする。でも彼女は笑っていた。それが辛かった。見てられなかった。辛いはずなのに苦しいはずなのに、普通のことみたいに当たり前のことみたいに、純粋に笑ってる。
多分僕はおじさんやおばさんたちの側なのだろう。同じ顔をしていた。最初、彼女と出会った時と。
僕は自分の家から食事を持ってきて彼女にあげた。
持ってきた時にとても喜んでくれた。「美味しい?」と聞くと首を縦に素早く振って、親指を立ててこちらに突き出した。だが彼女は勢い余って腕がテーブルに”ガン!“と大きな音を立ててぶつかりちょっと痛そうにしている。僕もそれに釣られたように笑みが溢れた。僕の顔は、純粋だっただろうか。
夜になりさよならを言って別れた。
そしてベットについてまた思い馳せる。
本当にこれでいいんだろうか。また、手を伸ばせないまま目を背けていいんだろうか。
考えているうちに寝てしまった。
道を歩いていくうちに僕は女の子を見つけた。おそらく中高生といったところだろう。服はボロボロ、髪はボサボサ、いわゆる浮浪者のような子だった。
ふと、思い馳せる。酷い世の中になったものだなと。これが僕と彼女の始まりの物語である。
ちょっとだけ会話を試みた。でもあまり応答しない。“あまり”という曖昧な表現をしたのは話すこともできないというわけではないからだ。彼女は応答はしてくれる。でも首を振ったり、手を使ってジェスチャーしたりと、とにかく喋ってくれるわけではない。
だから「家族とかはいるの?」と聞いてみても返ってくるのはあまりにも長い沈黙だ。長い沈黙は答えられないということだろう。でも少し悲しい表情をしているようにも思えた。
難しい質問をすると返ってくることはない。ただ少し、困った表情をする。
何個かの質問を経てわかったことは
彼女は17歳
2025年の6月くらいから浮浪者のような暮らしをしているらしい。(現在は2025年7月18日4時半ごろ)
家はある
食事はちゃんと摂っている
このくらいだ。
家があるということなので行ってみたら案の定というべきか悪寒がしたというべきか、木や段ボール、ビニールシートなどでつぎはぎに作った女子高生ほどの子が住んでるとは思えない家だった。中は少し生臭い。食事は炊き出しでいつも凌いでいるらしい。
5時くらいになると近くの公園に行き食事をもらっているらしい。そろそろ5時になる頃なのでついて行ってみることにした。喋らないことで無愛想だと思われているのか、炊き出しをもらう彼女の番になった時渡してくれるおばさんやおじさんたちは渋った表情をする。でも彼女は笑っていた。それが辛かった。見てられなかった。辛いはずなのに苦しいはずなのに、普通のことみたいに当たり前のことみたいに、純粋に笑ってる。
多分僕はおじさんやおばさんたちの側なのだろう。同じ顔をしていた。最初、彼女と出会った時と。
僕は自分の家から食事を持ってきて彼女にあげた。
持ってきた時にとても喜んでくれた。「美味しい?」と聞くと首を縦に素早く振って、親指を立ててこちらに突き出した。だが彼女は勢い余って腕がテーブルに”ガン!“と大きな音を立ててぶつかりちょっと痛そうにしている。僕もそれに釣られたように笑みが溢れた。僕の顔は、純粋だっただろうか。
夜になりさよならを言って別れた。
そしてベットについてまた思い馳せる。
本当にこれでいいんだろうか。また、手を伸ばせないまま目を背けていいんだろうか。
考えているうちに寝てしまった。
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