5 / 27
5.『ふじょし』がきた!
しおりを挟む
キュラキュラキュラ……
大平原に、キャタピラの音が響く。
頭蓋骨と大腿骨を組み合わせた不気味なキャタピラの上には、革製の豪華な椅子が乗っていて、ねじ曲がった小さな角を生やした少女が座っていた。
少女は、目の前の小さなデバイスに夢中になっている。
「ベリアル……俺はお前のことが……」
「ダメだよアーク、俺たち男同士じゃないか」
「性別なんて、俺たちの愛の前じゃ大した問題じゃない」
画面の中の美青年たちが額を付け合い、少女がにへらっと笑みを浮かべる。今にもよだれが出そうだ。
「アーク、それh」
(ピロポン)
(魔王軍全体通知、ゴブリンウルフが人間にやられ、魂が魔界に帰ってきた。悔しいって泣いている)
「!」
少女のこめかみに青筋が浮かぶ。
ゲームが再開される。
「ベリアル……どれだけお前が拒絶しても、俺はお前が好きなんだ!」
「ああ、神はなぜ、俺たちを男同士につくっ」
(ピロポン)
(魔王軍全体通知、シャドーパンサーが人間に倒されて戻ってきました。炎魔法を使われたとのこと。場所は人間たちの街の近くの森)
(オークマン:まじか、森の中で炎使うとか悪魔かな?)
(シャドパンくん:魔法使いの女は素人って感じで、見る限り炎魔法しか使えなかった、だからだと思う)
(オークマン:あ、全体で流しちゃった、スマソ)
(ピロポン)
(魔王軍全体通知:現在殺モンスター、モンスター傷害の容疑者たちは、大平原を移動中の模様)
(ドラゴ:あそこ広いっすからね、俺、空から探してきます)
少女のこめかみの青筋が、はっきりくっきりになり、少女はついに爆発した。
「うるっさーい!」
思いっきり叫んで、直後にハァハァと息切れする。
「落ち着け、落ち着け我よ。捕らえた転生者から、『げえむ』とか言う装置のことを聞いて、我は魔王軍技術部に伝聞情報だけで作らせてみた。これはいい。あの転生者の女は、『びぃえるげぇむ』とかいうのが面白いですよとかいうから、これまた魔王軍文芸部に脚本を作らせ、音楽部やら芸能部やら、魔王軍の総力をあげて『げぇむ』にしてみた。これもとてもよい」
少女はニヤけたが、すぐに渋い顔になった。
「ただ、『すまほ』とかいうものの話を聞いた時、なんだ『でんぱ』とやらを使うだけで、『げぇむ』とだいたい同じか。二つ持つのは面倒だ、一つでいいじゃんか、とした。これが我の失敗だった」少女が頭を抱える。
「魔電波ネットワークを整備して『すまほ』運用可能にしたら……まさか我が魔界で、こんなに『ちゃっと』が流行るとは。通知がうるさくて仕方ない」少女は考え込む。
「技術部に作り直させるか?いやダメだ。この『げぇむ』を作らせた時でさえ、パパに予算がとかグチグチ言われた」
少女は父親、すなわち大魔王のことを思い浮かべた。
「やはり、我が直接そいつらを倒して、こいつらについての情報伝達を終わらせるしかない。どこにいるのだ。絶対に探し出してやっつけてやる」
キュラキュラキュラキュラ……
はるかな大平原を、魔王令嬢と骸骨戦車はどこまでも進んでいった。
ユウトは、自室のようなベッドでゆっくりと寝ることで、スッキリ目覚める事ができた。
「やっぱり実家っていいものだなぁ」
少年は、すこし心がしんみりとした。自然と目が潤んでくる。
「いけないいけない」
ユウトは頭を振ると、目をつぶって念じ、袋の外へ出ていった。
「あら、おはようございます」
アヴリルが目覚めて家から出ると、ユウトが自作の剣を使い、鎧を身につけて、一生懸命素振りをしているところだった。
「精が出ますね」
アヴリルが微笑む。
「いや、ちょっと色々考えちゃってさ、この世界のこととか、元の世界のこととか……頭をスッキリさせたくって、ね!」
剣を振りながらユウトが答える。
「ふーん……そういえばユウトさん」
「ん?」
「ユウトさんのことを……じゃない、ユウトさんの能力について色々考えてたんですが」
アヴリルが頬を染める。
「ユウトさんは、自分で『見たことがない生物』なんてものも作れるのですか?」
「見たことがないもの?」
ユウトが剣を止めて、少女を見つめる。
「そう、例えばこの世界にいる『ドラゴン』なんてみたことありますか?」
「ドラゴン、かぁ」
彼はクロウたちのパーティにいた時のことまで含めて思い返してみた。もっとも、あの時は少しでも顔を出そうとすると怒鳴られたので、モンスターの容姿など、ろくに見てはいないのだが。
「んー、ない、と思う」
「では、『一度もドラゴンを見たことがない状態で、ドラゴンを出す』ことを考えてみてほしいのです」
アヴリルの瞳が知的好奇心でキラリと光る。
「面白そうだな。んじゃ、外で実験してみるか」
「面白そうですにゃ!」
いつの間にかミャウも起きてきていて、目をキラキラさせている。
「おはよう、ミャウ。じゃあ行ってみようか」
ユウトは自室に戻り、鎧を脱いで剣を立てかける。
「帰ってきたら続きやろっと」
「鎧着て素振りしてたのにゃ?」
「うん、できるだけ実戦に近い形で素振りしたくて」
「さすがです、ユウトさん」
言いながら、三人は目を閉じて念じる。
『外へ』
次の瞬間、三人の姿は収納世界から消えていた。
一方その頃。
キュラキュラキュラ……
骸骨戦車に乗って、大平原を渡る少女。
「ん?」
彼女は目の前に、薄汚れた道具袋が捨ててあるのを見つけた。
並みの魔物なら、冒険者の落とし物か遺品だと思い、見向きもしなかっただろう。
だがそこはさすがに魔王令嬢。
袋が放つ、ただならぬ魔力を感知した。
「あれは……ただの道具袋ではないな。あの力、魔王殿の宝物庫にあってもおかしくないレベルだぞ。何なのだアレは」
令嬢は戦車から降りて、岩陰に隠れ、
「【透明化】」
骸骨戦車を隠し、様子を見る。
と、急に三人の人間が現れた。
「な?我の目でも捕らえられなかった。どこから出てきたのだあいつら……」
令嬢は三人の顔をじっと見る。
「あいつら、この間から魔界を騒がせている人間たちか?」
三人は何か話しながら、袋から離れる。
「今だ」
少女は袋にさささっと近寄り、袋を覗く。
「一体何が……えっ、思ったより広い、なにこれ。うわぁっ!」
少女は足を滑らせ、袋の中に落ちていった。
「この辺でいいかな。袋がここで、こっち方面に出してみる、でいい?」
「ええ、想定の大きさから考えて、障害物もなくスムーズに出せる場所かと」
三人は草原の中で足を止めた。
「では、ユウトさん」
「うん」
ユウトは心の中で念じる。
ドラゴン……首が長かった、ような……羽根が生えてたようななかったような……角ってあったっけ……
曖昧なイメージをまとめ、袋のことを考えながら、そこからドラゴンが出てくることをイメージする。
「出でよ!ドラゴン!」
袋に光が集まり、そして。
「ぽひゅー」
出てきたのは、子供が落書きで描いたような、適当な作画のドラゴンだった。
「えっ」
「ばなな」
ドラゴンは謎に一声鳴くと、消え去った。
「か……かわいいにゃ!」
ミャウの瞳が輝く。どうやら皮肉でもなんでもなく、本当にそう思っているらしい。
「ありがと、いい子だな」
ユウトはミャウを撫でる。
「えへへ」
猫少女が目を細める。
「うーん、ではこれは」
アヴリルがドラゴンの絵を見せる。
「これはドラゴンの写し絵です。これなら生きたドラゴンを生成できますか」
「待ってね、はっ!」
ユウトが手をかざす。
出てきたのは、写し絵とそっくりの巨大ドラゴン。
「おおー!」
喜んだのもつかの間、風に吹かれてドラゴンがパタンと倒れる。ドラゴンはただの大きなパネルだった。
「ふむ、これでわかりました」
アヴリルが説明する。
「ユウトさんは、
・素材を、魔獣系なら魔獣系で、同じ系統の素材をランクアップできる。自然物でもできる。
・素材を組み合わせて、武器防具の作成、および強化ができる。
・袋には無限収納と時間停止の魔法をかけており、中には様々なものを無限に収納でき、入れたものは劣化しない。
・ユウトさんの袋世界は、イメージすることで全員が思うものを作れる。外に持ち出せるかは不明。
ただし、
・ユウトさんが『実物を見たことがない』ものは作れない。
イメージで出すと、曖昧なものしか出ない。
・対象の絵を見せると、対象の絵がそのまま出る
このくらいですかね、わかったことは」
「おおー」ユウトとミャウが拍手する。
「な、なんですか?」
アヴリルが赤くなる。
「君、ホントに魔法使いの卵?賢者じゃないの?」
「そんな、ちょっとユウトさんのことを考えて、まとめただけです」
「嬉しいよ、アヴリル」
「うう……」
魔法使いは、耳まで染まっている。
「とにかく、色んなモノを生み出すには自分で見なきゃいけないわけだ。生成できるものを増やして、戦いに備えないとね」
三人は袋内に戻った。
「ん?」
クンクン、ミャウが辺りを嗅ぎ回る。
「どうしたミャウ?」
「なんか、ミャウたち以外の気配を感じるにゃお」
「そんなバカな。俺が生成した世界に俺たち以外がいるわけが」
「そうにゃおねー」
ミャウが自宅の部屋を開ける。
そこには、ハンモックに寝転がり、猫用クッキーをむさぼりつつ、ゲームをしているフードの少女がいた。
「ぎゃあああああ?」
「にゃあああああ!」
「出てってよ、えっち!」
「ごめんにゃ!」
バタンとドアを閉める。
「ん?」
ここは自分のうちだ。
ミャウはもう一度ドアを開けた。少女が寝転がってゲームをしている。
「お前、何してるにゃ!」
大平原に、キャタピラの音が響く。
頭蓋骨と大腿骨を組み合わせた不気味なキャタピラの上には、革製の豪華な椅子が乗っていて、ねじ曲がった小さな角を生やした少女が座っていた。
少女は、目の前の小さなデバイスに夢中になっている。
「ベリアル……俺はお前のことが……」
「ダメだよアーク、俺たち男同士じゃないか」
「性別なんて、俺たちの愛の前じゃ大した問題じゃない」
画面の中の美青年たちが額を付け合い、少女がにへらっと笑みを浮かべる。今にもよだれが出そうだ。
「アーク、それh」
(ピロポン)
(魔王軍全体通知、ゴブリンウルフが人間にやられ、魂が魔界に帰ってきた。悔しいって泣いている)
「!」
少女のこめかみに青筋が浮かぶ。
ゲームが再開される。
「ベリアル……どれだけお前が拒絶しても、俺はお前が好きなんだ!」
「ああ、神はなぜ、俺たちを男同士につくっ」
(ピロポン)
(魔王軍全体通知、シャドーパンサーが人間に倒されて戻ってきました。炎魔法を使われたとのこと。場所は人間たちの街の近くの森)
(オークマン:まじか、森の中で炎使うとか悪魔かな?)
(シャドパンくん:魔法使いの女は素人って感じで、見る限り炎魔法しか使えなかった、だからだと思う)
(オークマン:あ、全体で流しちゃった、スマソ)
(ピロポン)
(魔王軍全体通知:現在殺モンスター、モンスター傷害の容疑者たちは、大平原を移動中の模様)
(ドラゴ:あそこ広いっすからね、俺、空から探してきます)
少女のこめかみの青筋が、はっきりくっきりになり、少女はついに爆発した。
「うるっさーい!」
思いっきり叫んで、直後にハァハァと息切れする。
「落ち着け、落ち着け我よ。捕らえた転生者から、『げえむ』とか言う装置のことを聞いて、我は魔王軍技術部に伝聞情報だけで作らせてみた。これはいい。あの転生者の女は、『びぃえるげぇむ』とかいうのが面白いですよとかいうから、これまた魔王軍文芸部に脚本を作らせ、音楽部やら芸能部やら、魔王軍の総力をあげて『げぇむ』にしてみた。これもとてもよい」
少女はニヤけたが、すぐに渋い顔になった。
「ただ、『すまほ』とかいうものの話を聞いた時、なんだ『でんぱ』とやらを使うだけで、『げぇむ』とだいたい同じか。二つ持つのは面倒だ、一つでいいじゃんか、とした。これが我の失敗だった」少女が頭を抱える。
「魔電波ネットワークを整備して『すまほ』運用可能にしたら……まさか我が魔界で、こんなに『ちゃっと』が流行るとは。通知がうるさくて仕方ない」少女は考え込む。
「技術部に作り直させるか?いやダメだ。この『げぇむ』を作らせた時でさえ、パパに予算がとかグチグチ言われた」
少女は父親、すなわち大魔王のことを思い浮かべた。
「やはり、我が直接そいつらを倒して、こいつらについての情報伝達を終わらせるしかない。どこにいるのだ。絶対に探し出してやっつけてやる」
キュラキュラキュラキュラ……
はるかな大平原を、魔王令嬢と骸骨戦車はどこまでも進んでいった。
ユウトは、自室のようなベッドでゆっくりと寝ることで、スッキリ目覚める事ができた。
「やっぱり実家っていいものだなぁ」
少年は、すこし心がしんみりとした。自然と目が潤んでくる。
「いけないいけない」
ユウトは頭を振ると、目をつぶって念じ、袋の外へ出ていった。
「あら、おはようございます」
アヴリルが目覚めて家から出ると、ユウトが自作の剣を使い、鎧を身につけて、一生懸命素振りをしているところだった。
「精が出ますね」
アヴリルが微笑む。
「いや、ちょっと色々考えちゃってさ、この世界のこととか、元の世界のこととか……頭をスッキリさせたくって、ね!」
剣を振りながらユウトが答える。
「ふーん……そういえばユウトさん」
「ん?」
「ユウトさんのことを……じゃない、ユウトさんの能力について色々考えてたんですが」
アヴリルが頬を染める。
「ユウトさんは、自分で『見たことがない生物』なんてものも作れるのですか?」
「見たことがないもの?」
ユウトが剣を止めて、少女を見つめる。
「そう、例えばこの世界にいる『ドラゴン』なんてみたことありますか?」
「ドラゴン、かぁ」
彼はクロウたちのパーティにいた時のことまで含めて思い返してみた。もっとも、あの時は少しでも顔を出そうとすると怒鳴られたので、モンスターの容姿など、ろくに見てはいないのだが。
「んー、ない、と思う」
「では、『一度もドラゴンを見たことがない状態で、ドラゴンを出す』ことを考えてみてほしいのです」
アヴリルの瞳が知的好奇心でキラリと光る。
「面白そうだな。んじゃ、外で実験してみるか」
「面白そうですにゃ!」
いつの間にかミャウも起きてきていて、目をキラキラさせている。
「おはよう、ミャウ。じゃあ行ってみようか」
ユウトは自室に戻り、鎧を脱いで剣を立てかける。
「帰ってきたら続きやろっと」
「鎧着て素振りしてたのにゃ?」
「うん、できるだけ実戦に近い形で素振りしたくて」
「さすがです、ユウトさん」
言いながら、三人は目を閉じて念じる。
『外へ』
次の瞬間、三人の姿は収納世界から消えていた。
一方その頃。
キュラキュラキュラ……
骸骨戦車に乗って、大平原を渡る少女。
「ん?」
彼女は目の前に、薄汚れた道具袋が捨ててあるのを見つけた。
並みの魔物なら、冒険者の落とし物か遺品だと思い、見向きもしなかっただろう。
だがそこはさすがに魔王令嬢。
袋が放つ、ただならぬ魔力を感知した。
「あれは……ただの道具袋ではないな。あの力、魔王殿の宝物庫にあってもおかしくないレベルだぞ。何なのだアレは」
令嬢は戦車から降りて、岩陰に隠れ、
「【透明化】」
骸骨戦車を隠し、様子を見る。
と、急に三人の人間が現れた。
「な?我の目でも捕らえられなかった。どこから出てきたのだあいつら……」
令嬢は三人の顔をじっと見る。
「あいつら、この間から魔界を騒がせている人間たちか?」
三人は何か話しながら、袋から離れる。
「今だ」
少女は袋にさささっと近寄り、袋を覗く。
「一体何が……えっ、思ったより広い、なにこれ。うわぁっ!」
少女は足を滑らせ、袋の中に落ちていった。
「この辺でいいかな。袋がここで、こっち方面に出してみる、でいい?」
「ええ、想定の大きさから考えて、障害物もなくスムーズに出せる場所かと」
三人は草原の中で足を止めた。
「では、ユウトさん」
「うん」
ユウトは心の中で念じる。
ドラゴン……首が長かった、ような……羽根が生えてたようななかったような……角ってあったっけ……
曖昧なイメージをまとめ、袋のことを考えながら、そこからドラゴンが出てくることをイメージする。
「出でよ!ドラゴン!」
袋に光が集まり、そして。
「ぽひゅー」
出てきたのは、子供が落書きで描いたような、適当な作画のドラゴンだった。
「えっ」
「ばなな」
ドラゴンは謎に一声鳴くと、消え去った。
「か……かわいいにゃ!」
ミャウの瞳が輝く。どうやら皮肉でもなんでもなく、本当にそう思っているらしい。
「ありがと、いい子だな」
ユウトはミャウを撫でる。
「えへへ」
猫少女が目を細める。
「うーん、ではこれは」
アヴリルがドラゴンの絵を見せる。
「これはドラゴンの写し絵です。これなら生きたドラゴンを生成できますか」
「待ってね、はっ!」
ユウトが手をかざす。
出てきたのは、写し絵とそっくりの巨大ドラゴン。
「おおー!」
喜んだのもつかの間、風に吹かれてドラゴンがパタンと倒れる。ドラゴンはただの大きなパネルだった。
「ふむ、これでわかりました」
アヴリルが説明する。
「ユウトさんは、
・素材を、魔獣系なら魔獣系で、同じ系統の素材をランクアップできる。自然物でもできる。
・素材を組み合わせて、武器防具の作成、および強化ができる。
・袋には無限収納と時間停止の魔法をかけており、中には様々なものを無限に収納でき、入れたものは劣化しない。
・ユウトさんの袋世界は、イメージすることで全員が思うものを作れる。外に持ち出せるかは不明。
ただし、
・ユウトさんが『実物を見たことがない』ものは作れない。
イメージで出すと、曖昧なものしか出ない。
・対象の絵を見せると、対象の絵がそのまま出る
このくらいですかね、わかったことは」
「おおー」ユウトとミャウが拍手する。
「な、なんですか?」
アヴリルが赤くなる。
「君、ホントに魔法使いの卵?賢者じゃないの?」
「そんな、ちょっとユウトさんのことを考えて、まとめただけです」
「嬉しいよ、アヴリル」
「うう……」
魔法使いは、耳まで染まっている。
「とにかく、色んなモノを生み出すには自分で見なきゃいけないわけだ。生成できるものを増やして、戦いに備えないとね」
三人は袋内に戻った。
「ん?」
クンクン、ミャウが辺りを嗅ぎ回る。
「どうしたミャウ?」
「なんか、ミャウたち以外の気配を感じるにゃお」
「そんなバカな。俺が生成した世界に俺たち以外がいるわけが」
「そうにゃおねー」
ミャウが自宅の部屋を開ける。
そこには、ハンモックに寝転がり、猫用クッキーをむさぼりつつ、ゲームをしているフードの少女がいた。
「ぎゃあああああ?」
「にゃあああああ!」
「出てってよ、えっち!」
「ごめんにゃ!」
バタンとドアを閉める。
「ん?」
ここは自分のうちだ。
ミャウはもう一度ドアを開けた。少女が寝転がってゲームをしている。
「お前、何してるにゃ!」
21
あなたにおすすめの小説
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について
あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる