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旅立ち
殺戮のオルダン
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ヴァズ、チェキ、アンネの3人は特殊なスキル持ちだ。生まれが同じ村で幼馴染だったらしい。
スキルを得る前に悪党冒険者(イレギュラー)に村が襲われ、殺されかかった事で成人前なのにスキルが発現した。そしてその力に酔って悪党冒険者(イレギュラー)を全滅させてしまったのだ。
事件を知ってやって来た騎士団や冒険者ギルドは彼らを保護して、冒険者として育てた。騎士団に入れなかったのは身分もあったが彼らの特殊なスキルのせいだった。
ヴァズは3人の中では1番背が高くて真面目そうな顔立ちをした黒髪の男に育ったが成人する前の凄惨な現場を見てスキル『闇』を得た。
このスキルは任意の場所を闇で覆い隠す事が出来た。自分だけでなく許可を与えた者には闇の効果は無かった。
しかも闇の中に閉じ込めた相手は許可が無ければ出ることが出来なかった。闇には囚われた者の心を弱らせて、戦闘能力を削いだり、スキルそのものの力を無効化出来た。
よって名付けられた二つ名が闇鬼。
チェキは身体を鍛えるのが趣味で筋肉質な身体を持つ男になった。指導を受けた冒険者が東洋の武人で髪の毛を編み込んでいた為に自分も真似をして頭髪を編み込んでいる。
使う武器は短剣だが拳による殴り合いも好きで相手が再起不能になるまで壊す心の壊れた男になった。スキル『過剰(オーバー)』。
短剣を両手に持ち相手を刻む為に付けられた二つ名が双剣鬼。
アンネは銀髪の女だが村を襲われた時に犯された。成人前なのに発育が良すぎた為の事だったが顔を傷つけられて、死の恐怖を感じながら犯された。自分の両親も人質にされて言う事を聞かされた事も大きく影響した。
結局は犯されながら自分の目の前で両親の死を見ることになった。指導に当たった女冒険者にも心の傷は癒すことが出来なかった。そのため顔の傷を治さず、成長まで止まった。
スキル『操作』によって死んだ人間を操ることが出来る。
それで付いた二つ名は死人鬼。
初めは冒険者として魔物相手に稼いでいたがいつの間にか傭兵に転向していたと言う。
その時のパーティー名が『殺戮のオルダン』だった。
ある領主同士の諍いに手を貸していたが雇われの領主と揉め事を起こし、領主を再起不能にして行方を晦ましていたらしい。盗賊にまで身をやつしていたとは落ちぶれたものだ。
ムメイが3人の遺体を魔法鞄に収納して領都アバンドの冒険者ギルドに戻った。
冒険者ギルドではギラーガマンティス10匹の換金が金貨5枚となり、ヴァズ、チェキ、アンネの懸賞金の金貨15枚を手に入れた。たった1日でなんと金貨20枚も手に入れたのでムメイと折半したのだ。
最初ムメイは懸賞金を受け取ろうとしなかったがムメイが引き付けてくれたお陰で倒せた様なものだ。彼らの力を聞く限り俺が囮だったら直ぐに殺されていただろう。ただ、初見殺しが上手く行っただけの話だった。
ヴァズ、チェキ、アンネの魔石を取り込む事でそれぞれレベル+6の+18増えて、スキル『同化』が+3増えた。ステータスはこうなった。
>ハイスライム(粘性生命体)
>人名:記憶喪失状態
>変質魔生物
>レベル158
>スキル『捕食+21』『分裂+21』『同化+7』『俊敏+26』『嗅覚上昇』『肉体強化+5』『剛力+10』『威嚇+2』『気配探知+13』『隠蔽擬態+12』『人化』『糸操作』『剣技+2』『魔液精製』『威圧+8』『夜目+20』『雄叫び+20』『回復+3』『闇(ダークサイド)』『過剰(オーバー)』『操作(マリオネット)』
>称号『転生者』『辺り一帯の支配者+2』『魔草を食べる者』
戻りながら俺が入手した封筒をムメイに見せるとギルドマスターヴァラン経由で領主レオニード女伯爵に極秘に伝えられた。
そして事もあろうか俺とムメイが領主と会見を持つことになってしまったのだ。
嫌なんだけどとギルマスのヴァランに言ったが拒否は出来ないと言われてしまったのだ。『光耀団』団長のバルゾにも諦めろと言われてしまったのだ。
俺が転生者と言うことも伝わっているから余計に興味を惹かれたようだった。
次の日の朝早くから俺はバルゾとムメイに引き摺られるようにして登城したのだった。無論、ギルマスのヴァランも巻き込んでやったぜ。
少し大きめの応接室の様な部屋に入ると既に領主レオニード女伯爵は上手の大きな席にどっかりと座っていた。
ムメイが前に話してくれたような厚化粧のケバい老女だった。だがその眼は炯々と文字通り光っていたのだ。そして隣には成人前と思われる知らない少女が座っていた。
俺達は執事と思われる白髪の老人の口上を聞いた。
「こちらの方が領主レオニード•アバンド女伯爵様で御座います。そしてそのお隣は孫娘のローレンシア様で御座います」
俺達は長いテーブルの反対側に立っていた。執事は続いて俺達も紹介した。
「端から冒険者ギルドマスターのヴァラン様、クラン『光耀団』の団長バルゾ様、メンバーのムメイ様、リリル様で御座います。」
名前を呼ばれながら頭を下げた。騎士なら騎士の礼があるが冒険者にできる事はせいぜいこの程度だった。
「なるほど、久しいなヴァラン」
地獄の底から響いて来るような程度の迫力のある声がヴァランに掛かった。
「はっ、半年程になりますかな」
「して、この封筒を見つけた冒険者にして転生者とは誰じゃ」
知っている筈なのに聞きやがる。
「はい。こちらのエルフ、リリルになります。」
スキルを得る前に悪党冒険者(イレギュラー)に村が襲われ、殺されかかった事で成人前なのにスキルが発現した。そしてその力に酔って悪党冒険者(イレギュラー)を全滅させてしまったのだ。
事件を知ってやって来た騎士団や冒険者ギルドは彼らを保護して、冒険者として育てた。騎士団に入れなかったのは身分もあったが彼らの特殊なスキルのせいだった。
ヴァズは3人の中では1番背が高くて真面目そうな顔立ちをした黒髪の男に育ったが成人する前の凄惨な現場を見てスキル『闇』を得た。
このスキルは任意の場所を闇で覆い隠す事が出来た。自分だけでなく許可を与えた者には闇の効果は無かった。
しかも闇の中に閉じ込めた相手は許可が無ければ出ることが出来なかった。闇には囚われた者の心を弱らせて、戦闘能力を削いだり、スキルそのものの力を無効化出来た。
よって名付けられた二つ名が闇鬼。
チェキは身体を鍛えるのが趣味で筋肉質な身体を持つ男になった。指導を受けた冒険者が東洋の武人で髪の毛を編み込んでいた為に自分も真似をして頭髪を編み込んでいる。
使う武器は短剣だが拳による殴り合いも好きで相手が再起不能になるまで壊す心の壊れた男になった。スキル『過剰(オーバー)』。
短剣を両手に持ち相手を刻む為に付けられた二つ名が双剣鬼。
アンネは銀髪の女だが村を襲われた時に犯された。成人前なのに発育が良すぎた為の事だったが顔を傷つけられて、死の恐怖を感じながら犯された。自分の両親も人質にされて言う事を聞かされた事も大きく影響した。
結局は犯されながら自分の目の前で両親の死を見ることになった。指導に当たった女冒険者にも心の傷は癒すことが出来なかった。そのため顔の傷を治さず、成長まで止まった。
スキル『操作』によって死んだ人間を操ることが出来る。
それで付いた二つ名は死人鬼。
初めは冒険者として魔物相手に稼いでいたがいつの間にか傭兵に転向していたと言う。
その時のパーティー名が『殺戮のオルダン』だった。
ある領主同士の諍いに手を貸していたが雇われの領主と揉め事を起こし、領主を再起不能にして行方を晦ましていたらしい。盗賊にまで身をやつしていたとは落ちぶれたものだ。
ムメイが3人の遺体を魔法鞄に収納して領都アバンドの冒険者ギルドに戻った。
冒険者ギルドではギラーガマンティス10匹の換金が金貨5枚となり、ヴァズ、チェキ、アンネの懸賞金の金貨15枚を手に入れた。たった1日でなんと金貨20枚も手に入れたのでムメイと折半したのだ。
最初ムメイは懸賞金を受け取ろうとしなかったがムメイが引き付けてくれたお陰で倒せた様なものだ。彼らの力を聞く限り俺が囮だったら直ぐに殺されていただろう。ただ、初見殺しが上手く行っただけの話だった。
ヴァズ、チェキ、アンネの魔石を取り込む事でそれぞれレベル+6の+18増えて、スキル『同化』が+3増えた。ステータスはこうなった。
>ハイスライム(粘性生命体)
>人名:記憶喪失状態
>変質魔生物
>レベル158
>スキル『捕食+21』『分裂+21』『同化+7』『俊敏+26』『嗅覚上昇』『肉体強化+5』『剛力+10』『威嚇+2』『気配探知+13』『隠蔽擬態+12』『人化』『糸操作』『剣技+2』『魔液精製』『威圧+8』『夜目+20』『雄叫び+20』『回復+3』『闇(ダークサイド)』『過剰(オーバー)』『操作(マリオネット)』
>称号『転生者』『辺り一帯の支配者+2』『魔草を食べる者』
戻りながら俺が入手した封筒をムメイに見せるとギルドマスターヴァラン経由で領主レオニード女伯爵に極秘に伝えられた。
そして事もあろうか俺とムメイが領主と会見を持つことになってしまったのだ。
嫌なんだけどとギルマスのヴァランに言ったが拒否は出来ないと言われてしまったのだ。『光耀団』団長のバルゾにも諦めろと言われてしまったのだ。
俺が転生者と言うことも伝わっているから余計に興味を惹かれたようだった。
次の日の朝早くから俺はバルゾとムメイに引き摺られるようにして登城したのだった。無論、ギルマスのヴァランも巻き込んでやったぜ。
少し大きめの応接室の様な部屋に入ると既に領主レオニード女伯爵は上手の大きな席にどっかりと座っていた。
ムメイが前に話してくれたような厚化粧のケバい老女だった。だがその眼は炯々と文字通り光っていたのだ。そして隣には成人前と思われる知らない少女が座っていた。
俺達は執事と思われる白髪の老人の口上を聞いた。
「こちらの方が領主レオニード•アバンド女伯爵様で御座います。そしてそのお隣は孫娘のローレンシア様で御座います」
俺達は長いテーブルの反対側に立っていた。執事は続いて俺達も紹介した。
「端から冒険者ギルドマスターのヴァラン様、クラン『光耀団』の団長バルゾ様、メンバーのムメイ様、リリル様で御座います。」
名前を呼ばれながら頭を下げた。騎士なら騎士の礼があるが冒険者にできる事はせいぜいこの程度だった。
「なるほど、久しいなヴァラン」
地獄の底から響いて来るような程度の迫力のある声がヴァランに掛かった。
「はっ、半年程になりますかな」
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