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ワ類友
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倉井という名の男が、人通りの少ない暗がりで、イライラしながら立っていた。
倉井「…ったく、遅っせーな!いつまで待たせる気だよ…!」
一人の忍者が倉井の背後からそっと近づく。
忍者「お待たせ致しました。…倉井様、ですね?」
倉井「うお!びっくりしたー!!耳元で突然ささやくんじゃねーよ!…って、スーツに赤い頭巾!?忍者って普通、目立たないように黒い服装してるものじゃねーの!?」
忍者「時代に合せて【映えー】を意識しました。頭巾のデザインも昔に比べて動きやすさと耐久性を追求し、よりスタイリッシュになっております」
倉井「どんな意識高い系忍者だよ!?きちんと依頼内容を把握できてるか!?」
忍者「イケメンで高収入のご友人、明夫様の暗殺依頼ですね。愛する女性、ミサエ様を奪われた腹いせに亡き者にしたいとのこと。昔から何をしても明夫様には勝てず、ミサエ様にも告白をスルーされ続け、地味で辛い人生を書き綴ったポエム付きのメールを、忍者コミュニティーで微笑ましく回し読みさせて頂きました」
倉井「ちょっと待て!何その羞恥プレイ!?こういうのは極秘で任務遂行するものじゃないの!?」
忍者「イタイタしくて、つい…。てへぺろ」
倉井「てへぺろじゃねーよ!個人情報だからね!?…まぁいいや。さっさと殺ってきてよ!」
忍者「ところで倉井様、最終確認ですが…」
倉井「なんだよ!?まだ俺の恥をさらす気か!?」
忍者「明夫様を暗殺しても、ミサエ様が倉井様を好きになるとは思えませんが…」
倉井「くっ…!そう言われてもミサエはドンピシャで俺のタイプなんだから仕方ねーだろ!?あんなに可愛くてつぶらな瞳で何度も欲しい物ねだられたら、どんな高価な物でも買ってやりたくなるんだよ!!」
忍者はスーツのポケットから液体の入った小瓶を取り出す。
忍者「今ならこの秘伝の惚れ薬を、暗殺とセットで安くお譲り致しますが…」
倉井「どこの通販番組だよ!?まぁ…忍者が作ったものなら…」
倉井は忍者からひったくるように惚れ薬を受け取る。
忍者「ただしこの惚れ薬は100%の効果を保証するものではございませんのであしからず。実は思い込みによる相乗効果を狙っただけの、ただ色つき水道水でございます…」
倉井「何それ!?めっちゃ詐欺なんだけど!?」
忍者「私は、嘘をつけない体質でして…」
倉井「何でそんなのが暗殺に来ちゃったの!?あーもう!どうでもいいからさっさと行って来いよ!」
忍者「では…」
数分後、立ち去った忍者が戻ってくる。
忍者「ただいま戻りました…」
倉井「思ったより早かったな。…暗殺は、無事に済んだのか…?事故に見せかけて、明夫を…」
忍者「いえ、状況を話したら明夫様に買収されました。というわけで、今から明夫様のご依頼により、倉井様を暗殺させて頂きます」
倉井「おい、ちょっと待てよ!?勝手に依頼内容話してあっさり買収されてんじゃねーよ!?どんだけ口が軽いんだよ!?」
忍者「今は情報漏えいが当たり前の時代ですので諦めて下さい。…明夫様が、2倍の報酬を払われると言われましたので、それなら乗り換えるしかないでしょう」
倉井「スマホじゃないんだからさ、そんな簡単に乗り換えないでくれる!?んじゃ俺は3倍出すわ!んで明夫に、暗殺依頼取り消すからそっちも取り消してくれって伝えてくれ!!」
忍者「かしこまりました。では…」
数分後、立ち去った忍者が再び戻ってくる。
忍者「今度は明夫様と一緒にいたミサエ様に4倍+αで買収されました…」
倉井「ほんとに買収されやすいのな!?てかミサエに俺の暗殺計画バレるとか、まじアウトなんだけど…!?」
忍者「大丈夫です。ミサエ様は倉井様のことをただの金づるとしか思っておりません」
倉井「ほんとさっきから俺を傷つけるのが好きな!?…それでミサエはどんな依頼を?まさか明夫を狙った俺の暗殺か!?」
忍者「いえ、その…ミサエ様は私を手に入れたいとのこと。このスタイリッシュな赤い頭巾から覗く瞳がインスタ映えしそうで素敵だと、何度も熱烈なアピールを受けました」
倉井「は!?」
忍者「よって面倒な倉井様と明夫様を暗殺し、明夫様よりも更に高収入の私わたくしと結婚したいとのことで、プロポーズをお受け致しました」
倉井「まじかー!!!」
-おわり-
倉井「…ったく、遅っせーな!いつまで待たせる気だよ…!」
一人の忍者が倉井の背後からそっと近づく。
忍者「お待たせ致しました。…倉井様、ですね?」
倉井「うお!びっくりしたー!!耳元で突然ささやくんじゃねーよ!…って、スーツに赤い頭巾!?忍者って普通、目立たないように黒い服装してるものじゃねーの!?」
忍者「時代に合せて【映えー】を意識しました。頭巾のデザインも昔に比べて動きやすさと耐久性を追求し、よりスタイリッシュになっております」
倉井「どんな意識高い系忍者だよ!?きちんと依頼内容を把握できてるか!?」
忍者「イケメンで高収入のご友人、明夫様の暗殺依頼ですね。愛する女性、ミサエ様を奪われた腹いせに亡き者にしたいとのこと。昔から何をしても明夫様には勝てず、ミサエ様にも告白をスルーされ続け、地味で辛い人生を書き綴ったポエム付きのメールを、忍者コミュニティーで微笑ましく回し読みさせて頂きました」
倉井「ちょっと待て!何その羞恥プレイ!?こういうのは極秘で任務遂行するものじゃないの!?」
忍者「イタイタしくて、つい…。てへぺろ」
倉井「てへぺろじゃねーよ!個人情報だからね!?…まぁいいや。さっさと殺ってきてよ!」
忍者「ところで倉井様、最終確認ですが…」
倉井「なんだよ!?まだ俺の恥をさらす気か!?」
忍者「明夫様を暗殺しても、ミサエ様が倉井様を好きになるとは思えませんが…」
倉井「くっ…!そう言われてもミサエはドンピシャで俺のタイプなんだから仕方ねーだろ!?あんなに可愛くてつぶらな瞳で何度も欲しい物ねだられたら、どんな高価な物でも買ってやりたくなるんだよ!!」
忍者はスーツのポケットから液体の入った小瓶を取り出す。
忍者「今ならこの秘伝の惚れ薬を、暗殺とセットで安くお譲り致しますが…」
倉井「どこの通販番組だよ!?まぁ…忍者が作ったものなら…」
倉井は忍者からひったくるように惚れ薬を受け取る。
忍者「ただしこの惚れ薬は100%の効果を保証するものではございませんのであしからず。実は思い込みによる相乗効果を狙っただけの、ただ色つき水道水でございます…」
倉井「何それ!?めっちゃ詐欺なんだけど!?」
忍者「私は、嘘をつけない体質でして…」
倉井「何でそんなのが暗殺に来ちゃったの!?あーもう!どうでもいいからさっさと行って来いよ!」
忍者「では…」
数分後、立ち去った忍者が戻ってくる。
忍者「ただいま戻りました…」
倉井「思ったより早かったな。…暗殺は、無事に済んだのか…?事故に見せかけて、明夫を…」
忍者「いえ、状況を話したら明夫様に買収されました。というわけで、今から明夫様のご依頼により、倉井様を暗殺させて頂きます」
倉井「おい、ちょっと待てよ!?勝手に依頼内容話してあっさり買収されてんじゃねーよ!?どんだけ口が軽いんだよ!?」
忍者「今は情報漏えいが当たり前の時代ですので諦めて下さい。…明夫様が、2倍の報酬を払われると言われましたので、それなら乗り換えるしかないでしょう」
倉井「スマホじゃないんだからさ、そんな簡単に乗り換えないでくれる!?んじゃ俺は3倍出すわ!んで明夫に、暗殺依頼取り消すからそっちも取り消してくれって伝えてくれ!!」
忍者「かしこまりました。では…」
数分後、立ち去った忍者が再び戻ってくる。
忍者「今度は明夫様と一緒にいたミサエ様に4倍+αで買収されました…」
倉井「ほんとに買収されやすいのな!?てかミサエに俺の暗殺計画バレるとか、まじアウトなんだけど…!?」
忍者「大丈夫です。ミサエ様は倉井様のことをただの金づるとしか思っておりません」
倉井「ほんとさっきから俺を傷つけるのが好きな!?…それでミサエはどんな依頼を?まさか明夫を狙った俺の暗殺か!?」
忍者「いえ、その…ミサエ様は私を手に入れたいとのこと。このスタイリッシュな赤い頭巾から覗く瞳がインスタ映えしそうで素敵だと、何度も熱烈なアピールを受けました」
倉井「は!?」
忍者「よって面倒な倉井様と明夫様を暗殺し、明夫様よりも更に高収入の私わたくしと結婚したいとのことで、プロポーズをお受け致しました」
倉井「まじかー!!!」
-おわり-
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