あなたと珈琲と喫茶店

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Episode4. 熱と珈琲とあなた【大学生×大学生】

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「いるよ。好きな人」

 その言葉は、ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染の唇から紡がれた。
 ここは、大学近くの路地裏で見つけた小さな喫茶店。蒸し暑い天気の中、涼むためにと注文したレモネードの氷が、カラリ……、と音を鳴らした。

「そうなんだ……」

 自分から尋ねたくせに、どうしようもなく気不味くなって視線を逸らす。

 先程目に入った窓際の二人は、雨上がりの空を見上げながら穏やかに珈琲を楽しんでいた。時折、二人の視線が優しく交わる。
 その瞳には甘やかを含んでおり、きっと恋人同士なのだと感じた。
(あぁ、いいなぁ……)
 その姿に、羨む心が止められない。
「頑張って、応援するよ」
 白々しい言葉が口から飛び出す。
「ありがとう」
 幼馴染は、笑って言った。

 あんな二人を見てしまったせいだろうか。

 やめておけばよかったのに、馬鹿な質問をしてしまったことを後悔した。


「お前もいるの?好きな人」


 軽く返された質問に、押し黙る。
 彼の指先が持つストローが、カラリ、カラリ、と軽やかな氷の音を奏でてゆく。
 耳鳴りのように響く音色を遠くに聞きながら、気がつけばその言葉はスルリと口から零れていた。


「俺も、いるよ」


 俺の好きな人は、今年の春から共に同じ大学に進学した。

 過保護な俺の親は、遠い大学への進学と一人暮らしをすることに反対した。
 しかし、諦めかけていた時だった。
『どうせ同じ大学だろ。同居人がいれば安心するんじゃね?家賃も折半でラッキー!』
 そんな優しい彼の言葉を利用してまで、手に入れた今の生活。

 すべては、一緒にいたいから。
 これは、十年以上隠し続けた恋心。


 ねぇ、知らないでしょう?


 俺は、君が好きなんだー……。


「そっか。お前も上手くいくといいな」


 その言葉と微笑みは、残酷だ。
 愛しい人は、目の前にいるのに。
 言葉にできない恋心は、甘酸っぱいレモネードに溶けて消えた。



「いるよ。好きな人」

 気がつけば、そんな言葉がスルリと口から零れていた。
 ここは、大学近くの路地裏で見つけた小さな喫茶店。蒸し暑い天気の中、涼むためにと注文したレモネードの氷が、カラリ……、と音を鳴らした。

「そうなんだ」

 自分から尋ねて来たくせに、気不味そうに視線を逸らす幼馴染。

 その視線の先には、窓際の席で穏やかに珈琲を楽しむ男性客が二人いた。
 一人は、俺達よりも年上だろうか。
 その瞳の奥に甘やかな優しさを宿し、大人の余裕が感じられた。
(なんで、俺を見ないんだよ)
 彼らを熱心に見つめる姿に、妬む心が止められない。
「頑張って、応援するよ」
 幼馴染は、笑って言った。
「ありがとう」
 白々しいお礼が口から飛び出す。

 そんな幼馴染を見てしまったせいだろうか。

 意地を張った答えをした上に、更に馬鹿な質問が口から飛び出した。


「お前もいるの?好きな人」


 答えなんて、聞きたくもないくせに。
 自分から尋ねたのに、落ち着かずに手元の氷をストローでかき混ぜてゆく。
 しかし、その言葉は呆気なく目の前の幼馴染の唇から紡がれた。


「俺も、いるよ」


 俺の好きな人は、今年の春から共に同じ大学に進学した。

 過保護な彼の親は、遠い大学への進学と一人暮らしをすることに反対した。
 しかし、諦めそうになる背中を押した。
『どうせ同じ大学だろ。同居人がいれば安心するんじゃね?家賃も折半でラッキー!』
 そんな卑しい理由をこじつけてまで、手に入れた今の生活。

 すべては、一緒にいたいから。
 これは、十年以上隠し続けた恋心。


 なぁ、知らないだろう。


 俺は、お前が好きなんだー……。


「そっか。お前も上手くいくといいな」

 
 その言葉と微笑みは、嘘だ。
 愛しい人は、目の前にいるのに。
 言葉にできない恋心は、甘酸っぱいレモネードに溶けて消えた。

**

「二人はいつも仲良しだね。もしかして、付き合ってたりするの?」

 そう尋ねて来たのは、大学のゼミでお世話になっている教授の助教だった。
 その言葉に、どうしようもなく頬に熱が集まるのを感じる。
(仲良しって……!付き合ってるって……!)
 浮かれる頭は、いつかの喫茶店で見たカップルを思い出す。

 あんな風に、俺達も見えていたりするのだろうか?

 幸せな気分に浸りつつも否定しようとすれば、隣にいた幼馴染の彼が笑って言った。


「ないない!俺、女の子大好きだし」


 なっ、と肩を組まれて同意を求められた。
 幸せな気分なんて、あっという間に萎んでなくなる。
 いつもは安心する筈の彼の香りが鼻をくすぐるのに、今だけは胸が締め付けるように痛み出す。渇く口を無理矢理開いた。
「……そうなんですよ!ただの、幼馴染なんで。腐れ縁ってやつですかね」
「お似合いだけどねぇ」
 どこか残念そうな声が聞こえる。
「もう、冗談やめて下さいよ!」と笑う彼と一緒に、俺もいつもの笑顔を作った。

 こんな時は、決まって自分がどんな顔をしているのか分からなくなる。でも、きっと俺は上手く笑えているのだろう。


 だって、ずっとこうして来たんだから。


 隣に居られるだけで幸せだなんて気持ちはとうの昔に何処かへ消えた。
 本当は、こんな俺も何処かへ消えてなくなりたい。

 そんな絶望には気づかないフリをして、今日も心に蓋をした。

***

「二人はいつも仲良しだね。もしかして、付き合ってたりするの?」

 そう尋ねて来たのは、大学のゼミでお世話になっている教授の助教だった。
 その質問に、隣にいた幼馴染は顔を真っ赤に染めて言葉を詰まらせた。
(やめろよ!こいつが困ってるだろ……)
 慌てる頭は、いつかの喫茶店での会話を思い出す。

 こいつには、好きな人がいるんだから。

 その事実が頭を過ぎるたびに、胸が痛み出す。先に否定されて勝手に傷つく前に、俺は無理矢理笑って言った。


「ないない!俺、女の子大好きだし」


 なっ、と肩を組んで同意を求める。
 いつもは安心する筈の彼の香りが鼻をくすぐるのに、今だけはどうしようもなく胸が締め付けられた。
「……そうなんですよ!ただの、幼馴染なんで。腐れ縁ってやつですかね」
 予想通りの明るい声が言葉を紡ぐ。
「お似合いだけどねぇ」
 どこか残念そうな声が聞こえた。
「もう、冗談やめて下さいよ!」と引き攣る心を誤魔化せば、隣の彼も無邪気に笑った。

 こんな時は、決まって自分がどんな顔をしているのか分からなくなる。でも、きっと俺は上手く笑えているのだろう。


 だって、ずっとこうして来たんだから。


 隣に居られるだけで幸せだなんて気持ちは、とうの昔に何処かへ消えた。
 本当は、このままこいつを何処かへ連れ去ってしまいたい。

 そんな欲望には気づかないフリをして、今日も心に蓋をした。

****

 それは、ある日の朝だった。

「ほら、早く起きないと!一限遅れるよ」

 いつもなら、朝ご飯を作っていれば必ず起きてくる筈の君が、まだベッドにいた。
「……っ!もう!!」
 丸まる布団を引っ張り上げる。
 すると、そこから顔を出したのは頬を赤くした彼だった。
 首筋にはうっすらと汗をかき、心なしか呼吸が乱れている。
 そっと額に手を伸ばすと、燃えるような熱が手の平に伝わった。

「熱でてるじゃん!大丈夫?」
 驚きに声をあげれば、彼は少し咳き込みながら返事をした。
「わりぃ……、頭、クラクラする。今日は休むわ……」
 そう言うと、また布団に潜ってしまう。

 時計を見れば、もう家を出ないと講義に間に合わない時間だった。

 時計と彼を交互にみて、少し悩む。
 だが、ふと冷蔵庫の奥に以前自分が使った冷却シートが残っていたことを思い出した。
 慌ててそれを取り出し、ベッドへと戻る。

「ほら、おでこ出して。これ貼っときなよ」

 布団をめくり、熱い額に貼り付ける。
 突然の冷たさに驚いたのか、閉ざされていた瞼が小さく震えた。熱のせいか、いつもより幼い表情に愛しさが募る。

 だが、熱を孕んで潤む瞳が俺を捉えた途端、彼は幸せそうにふにゃりと笑った。
 

「…………好きだ」


 その言葉に、息がとまった。

 しかし、熱い吐息と共に吐き出された言葉は、すぐに寝息へと代わってゆく。

 目頭が熱くなるのを感じた。
 溢れる雫を止めることができない。


 ねぇ。君は、誰と間違えたの?


 気がつけば、俺はいつものショルダーバッグを掴んで部屋を飛び出していた。

*****

 それは、ある日の朝だった。

「ほら、早く起きないと!一限遅れるよ」

 いつもなら、お前の朝ご飯を食べるために起きるのに、なぜか体が動かない。
「……っ!もう!!」
 丸まる布団を引っ張り上げられた。
 こちらを覗き込む怒った顔と目が合う。
 すると、怒りに吊り上がっていた眉は途端に下がり、心配そうな表情へと変わった。
 そっと、手を伸ばされる。
 彼の手の平のひんやりとした冷たさが、熱い額に優しく伝わった。

「熱でてるじゃん!大丈夫?」
 驚きに声をあげる彼に、ようやく自分の体調不良を自覚する。
 込み上げる咳を抑えながら返事をした。
「わりぃ……、頭、クラクラする。今日は大学休むわ……」
 そう言って、もう一度布団へと潜る。

 久しぶりに出た熱のせいで、頭が回らない。

 パタパタと忙しなく動くスリッパの音を聞きながら、俺は瞳を閉じた。
 そろそろ、家を出て行っただろうか。
 先程心配そうにしていた彼を思い出して、愛しさが募る。ふわふわとした思考は、重い体と共にベッドの中へと沈んでいった。

 不意に、声が聞こえた。

「ほら、おでこ出して。これ貼っときなよ」

 額に、心地良い冷たさを感じる。
 閉ざしていた瞼をゆっくりと上げれば、もう出かけた筈のお前がいた。
 大好きな彼が、俺を愛しそうに見つめてふにゃりと微笑んでいる。それは、現実の彼には向けられたことのない笑顔だった。

 なんて、都合のいい夢だろうか。


「…………好きだ」


 気がつけば、言葉が零れていた。
 しかし、意識は幸せな夢から深い眠りへと落ちてゆく。

 あぁ。本当に、言えたらいいのに。
 溢れる想いを、止めることができない。


 なぁ。お前は、誰が好きなの?


 どこか遠くで、扉が閉ざされる音がした。

******

 狭い路地を、ひたすら走る。
 手には、財布とケータイが入ったショルダーバッグしかない。講義に必要な物を入れたトートバッグは、あの部屋に置き去りにしてしまった。 
 
 行く当てもない。
 帰りたくもない。

 しかし、大通りに出る直前で足がもつれて盛大に転んだ。
 ジンジンと熱をもって痛み出す手の平は、惨めな気持ちを加速させた。

「………っ、ばかやろぅ…………」

 涙と共に溢れた呟きは、アスファルトに吸い込まれてゆく。


『そっか。お前も上手くいくといいな』

 ずっと、そばにいるのにー……、

『ないない!俺、女の子大好きだし』

 こんなに、君が好きなのにー……、

『…………好きだ』

 ……ーどうして、俺を愛してくれないの。

 

「どうしましたか?」


 
 それは、優しい声だった。
 重い頭を持ち上げ、のろのろと聞こえた方へ顔を向ける。
 目の前にいたのは、カフェエプロンを身に付けた青年だった。彼は、立て看板を抱えたまま、心配そうにこちらを覗き込んでいる。

 よくよく見上げれば、ここは彼と二人できた喫茶店の前だった。

「店の前でっ。す、すみませっ……」
 急いで立ち上がろうとすれば、膝に痛みを感じて、思わず顔を顰めてしまう。
 すると、綺麗な手が差し出された。


「少し、休んでいかれませんか?」


 気がつけば、俺はその誘いに頷いていた。



 店の前にある梟の置物は、まだ『close』のプレートをぶら下げていた。
 しかし店主だと名乗った彼は、店の奥から救急箱を出してきて、丁寧に怪我の手当てまでしてくれた。
「……すみません」
 恐縮しながら何度も謝る。
 けれど、彼は静かに微笑むだけだった。

 店内は、サイフォンの穏やかな音と、珈琲の優しい香りに満ちていた。
 深く息を吸い込めば、ようやく波立つ心が落ち着いてゆく。

 手当てされた手の平を見つめれば、思い出すのはやっぱり幼馴染の顔だった。

 ……帰ろう。

 大好きな、彼のもとへ。


 決心した俺は、店主へと向き直った。


「……あの、ここってテイクアウトできますか?」

******

 夢をみていた。
 大好きな幼馴染が、俺の手を握って言ったんだ。

「好き」

 それは、ずっと欲しかった言葉だった。
 その瞳は涙に濡れていて、はらはらと雫が舞い落ちてゆく。

「好き」

 繰り返し、愛を囁く唇が愛おしい。

 薄く開かれた口から覗いた舌が、ひどく美味しそうにみえて、


(どうせ、夢ならばー……)


 強く抱き寄せ、キスをした。


「……っ、ふ、ぁん」

 甘い声が、鼻を抜ける。
 美味しそうだと思った舌は、想像以上に柔らかかった。少しほろ苦いけれど、求めれば求めるほど、声と共に甘さを増してゆく。

 熱が、吐息に溶けてゆく。

 しかし、従順に絡め取られてゆく舌とは反対に、彼の手はキスの邪魔をしようとした。
 俺を拒絶するかのようなその手が腹立だしくて、力任せにベッドへと縫いつける。

(夢でくらい、好きにさせろよ)

 蒸気した頬を指先でなぞりながら、細い首筋へも舌を這わせてゆく。
 きつく肌を吸い上げれば、赤い花が咲き乱れる。それが、まるで自分の所有印のように見えて、渇いた心が満たされた。

「好きだ」

 それは、ずっと言いたかった言葉。

「好きだ」

 赤く染まる耳を舌で愛撫しながら、とめどなく溢れる想いを囁いた。


 しかし、


「愛してる」


 そう告げた瞬間ー…………。



「いい加減にしろよっ!!!」


 怒鳴る声と共に、顔面に冷たい"何か"をぶっかけられた。
「…………はっ?」
 間抜けな声が口から抜ければ、夢見心地だった意識は現実へと引き戻される。

 目の前には、シーツの中で息を乱れさせる幼馴染がいた。
 その瞳は赤く潤み、蒸気した体が纏う服ははだけている。そして、その手には空になった透明のプラスチックカップが一つ。

 濡れた頬に冷たい雫が滴れば、珈琲の芳しい香りが鼻をついた。


 ……それは、


 間違いなく現実だった。


 全身から血の気が引いてゆく。
 目の前の幼馴染は、泣きながら手の甲で唇を擦っていた。

「誰とっ、間違えてるんだよ」

 彼の声は、震えている。
 ごめん、そう謝ろうとした時。


「…………好きだ」


 その言葉に、息がとまった。

 彼は、はだけたシャツを掻き抱きながら、苦しそうに叫んだ。


「好きっ………!大好きっ……!!だから、俺をっ。俺をっ……、愛してよ!!!」


 熱い涙と共に零れ落ちて来たのは、ずっと求めていた言葉だった。

 腕を、伸ばす。
 こんなに愛しい幼馴染を、抱きしめずにはいられなかった。

*******

 愛しい腕の中へと、閉じ込められる。

「やめろよ!好きな人がいるんだろ!?」
 力任せにその胸を叩いて叫べば、珈琲を纏った彼は頷いた。
「いるよ。すっげぇ好きなやつ」
「っ!だったらー……」

 "離して"

 その言葉は、優しいキスに塞がれた。

 閉じられずにいた瞳を逸らせないでいれば、熱を孕んだ額と額がコツンと触れる。


「お前だ」


 大好きな声が、囁いた。


「お前が、ずっと好きだった」


 熱い吐息と共に零れ落ちて来たのは、ずっと求めていた言葉だった。
 
 今にももう一度キスをしてしまいそうな距離で、瞳と瞳が重なり合う。

「……うそだ」
「本当だ」
「だって、女の子好きだって……」
「お前以外興味ない」
「でもっ…………!」

 信じきれずに否定しようとする言葉は、もう一度降りてきた唇によって塞がれた。


「ずっと前から、愛してる」


 そんな言葉に絆されれば、共にシーツの中へと溺れるしかなかった。 
 乱暴に乱された心と体を慈しむかのように、熱い唇がもう一度体をなぞってゆく。


 蒸気する体にその熱が触れる度に、


 蕩ける唇にその熱が落とされる度に、


 ずっと渇いていた心が満たされる。


 燃えるような熱に溶かされてゆけば、心の蓋なんて外れてどこかへ消えていった。



「ごめんっ!!!」



 ズル休みした、昼下がり。
 俺は、ひたすら謝りながら、珈琲まみれの幼馴染をタオルで拭いていた。

 目の前の彼は、明らかに朝よりも熱が上がっているようだ。

 けれど、その顔は幸せそうに笑っている。
 背後には、乱れたベッドがそのままで、もうずっと顔の火照りが止まらない。

 二人の体に纏わりついていた琥珀色の液体は、とうにぬるくなっていた。


 不意に、首筋に鼻を寄せられる。


「なぁ、良い匂いだな」


 その言葉に、あの店の梟を思い出して自然と笑みが溢れた。


「マンデリン ブルー リントン」


 そう呟けば、不思議そうな瞳と目が合う。
 首を傾げる彼に、もう一度ゆっくりとその名を教えてあげた。

「マンデリン ブルー リントン。マンデリンの特有の香ばしい風味が『一度ハマると抜け出せない』魅惑の味なんだって……」

 愛しい唇に、今度は自分からキスを贈る。
 熱い吐息にのせて、小さく囁いた。


「まるで、君みたいだ」


 これは、抜け出せない魅惑の珈琲。
 それは、ずっと抜け出せなかったこの恋と同じ、どこまでも苦くて甘い味だった。

********


「いらっしゃいませ」


 軽快なドアベルが音を奏でれば、その数だけ様々な物語が訪れます。

 今宵の物語は、これにて閉話と致しましょう。さようなら、愛しいお客様。

 次なる物語が、訪れるその日まで。


********


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 Episode.5『星と珈琲とあなた』
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