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2章
62 side ギィ
「たっだいまー」
ご機嫌なカイトが部屋に入って来る。
頬が上気しててかわいいな、おい。随分楽しかったんだな。
だが、その顔のまま街を歩いて来たのか!?
全く!
「おかえり」
いつものように引き寄せて口づける。
ルークがカイトの後ろから睨んでくるから軽くしかできないか。
昨日ギルドで会ったときに、今日ぐらい2人きりでいさせろと押し切られてしたくもない依頼を受ける羽目になったが、もう譲らん。カイトは返してもらうからな。
カイトは買って来た料理をいそいそテーブルに並べながら今日の出来事を報告してくれる。
そうか、駱で遠乗りか。カイトは駱が好きだな。
ん。弁当ってなんだ?
え。膝枕って!?
「でも俺も寝ちゃっててさー。目が覚めたらルークに抱っこされてて驚いたわー。ははは」
ルークを見ると勝ち誇った顔でこっちを見てきやがる!
今回の依頼の土産としてルークが持ってきた酒は上質な辛口で旨いんだが、それもまた癪に触る。
「ルーク、このジュース美味しい!」
「気に入ってもらえてよかった」
「そっちのは?お酒?」
「そうそう。これはギィの好みに合わせて辛口だから、カイトにはまだ早いかなー」
「お酒かー。ちょっと興味はあるけど…」
「味見してみるか?」
「ギィ、カイトにはまだ無理だろ」
「カイトが飲んでるので割ればいけるんじゃないか?ちょっとだけな」
カイトのコップにほんの少しだけ酒を足す。
たぶん菓子に入ってる酒精程度なものだろう。
「んー。ちょっと苦い?かな?特に美味しくなってはないなぁ」
「ははは。じゃあ、もうやめとけ」
「うん。そうする」
カイトがいて、旨い酒と料理があって、気のおけない冒険者仲間とゆっくり話をしながら過ごす穏やかな時間がこれからも過ごせるといいんだが。
「依頼はどうだった?」
「まだ何の兆候も無かったよ。今後も警戒は続けなければいけないけどね」
「そろそろだろうしな」
「可能な限り早い段階で潰せるようにしておかないと」
大人しくなったカイトを見れば、ウトウトしている。
今日一日はしゃいで疲れてたとこに酒が入って限界がきたか?酔うほどではなかったと思うんだが…。
そっと抱き上げると擦り寄ってくるのがかわいい。
「カイト、もう寝ろ」
「うぅぅ、やだ…起きてる」
いや、寝てるだろ。
ベッドに運ぼうとすると嫌々と頭を振るので、そのまま膝に乗せてソファに座る。
カイトはぼんやり目を開けてテーブルにある果物を摘んで口に入れたが、噛む前にまたウトウトしだした。
これは、ダメだな。
向かいのソファに座るルークもそんなカイトの様子に笑い出すのを必死で耐えている。
「かわいいけどかわいそうだからベッドに寝かせてあげなよ」
そうだよな。寝かせるとなるとこれは必要な措置だから、後で知ってもカイトも怒らないだろう。
深く口づけて口の中の果物を引き上げる。ついでに舌を絡めて堪能しても悪くはないはずだ。
「んふっ…ん、ん」
おっと、やりすぎた。
カイトをベッドに下ろしてソファに戻る。
「家、決めたんだって?」
「あぁ、西側の壁のすぐ外だ」
「ギィがそんなに早く手配するとは思ってなかったよ」
「カイトにちょっかい出す奴が出てくる前に俺の物だと周りに示しておかないとな」
「…もう牽制は十分な気もするけどね…」
「まぁ、長期の依頼に出ている間カイトが1人でいることを考えると宿では心許ないしな。できればこのままカイトの側にいたいがそうもいかん」
「確かに。俺じゃギィが受ける種類の依頼を全てフォローするのは無理だしな。今はあいつが受けてるんだろ?」
「あぁ、滞っていないところをみると精力的に動いているようだが、次に会った時には何を言われるか」
「…カイトには会わせたくないな…」
嫌な予感しかしない。と呟くルークには同意しかない。万が一、あいつがエリカに来るような事があれば、カイトを連れて長期の依頼に出てしまおう。
「ところでさ、今日昼寝から起きた時あたりまえみたいにおはようのキスされたけど、カイトに何教えてるんだ!?」
カイト!お前寝惚けるにも程があるだろ!
「別に恋人同士ならおかしな事でもないだろう」
「恋人同士ならな」
「カイトは俺に嫌な部分はないらしいぞ。
で?」
「で?
カイトからしてくれたんだぞ。もちろん有り難く受け取ったさ!
気付いて慌てるカイトも真っ赤になってかわいかったぞ」
って思い出すな!反芻するな!
カイト、お仕置きだな。
ご機嫌なカイトが部屋に入って来る。
頬が上気しててかわいいな、おい。随分楽しかったんだな。
だが、その顔のまま街を歩いて来たのか!?
全く!
「おかえり」
いつものように引き寄せて口づける。
ルークがカイトの後ろから睨んでくるから軽くしかできないか。
昨日ギルドで会ったときに、今日ぐらい2人きりでいさせろと押し切られてしたくもない依頼を受ける羽目になったが、もう譲らん。カイトは返してもらうからな。
カイトは買って来た料理をいそいそテーブルに並べながら今日の出来事を報告してくれる。
そうか、駱で遠乗りか。カイトは駱が好きだな。
ん。弁当ってなんだ?
え。膝枕って!?
「でも俺も寝ちゃっててさー。目が覚めたらルークに抱っこされてて驚いたわー。ははは」
ルークを見ると勝ち誇った顔でこっちを見てきやがる!
今回の依頼の土産としてルークが持ってきた酒は上質な辛口で旨いんだが、それもまた癪に触る。
「ルーク、このジュース美味しい!」
「気に入ってもらえてよかった」
「そっちのは?お酒?」
「そうそう。これはギィの好みに合わせて辛口だから、カイトにはまだ早いかなー」
「お酒かー。ちょっと興味はあるけど…」
「味見してみるか?」
「ギィ、カイトにはまだ無理だろ」
「カイトが飲んでるので割ればいけるんじゃないか?ちょっとだけな」
カイトのコップにほんの少しだけ酒を足す。
たぶん菓子に入ってる酒精程度なものだろう。
「んー。ちょっと苦い?かな?特に美味しくなってはないなぁ」
「ははは。じゃあ、もうやめとけ」
「うん。そうする」
カイトがいて、旨い酒と料理があって、気のおけない冒険者仲間とゆっくり話をしながら過ごす穏やかな時間がこれからも過ごせるといいんだが。
「依頼はどうだった?」
「まだ何の兆候も無かったよ。今後も警戒は続けなければいけないけどね」
「そろそろだろうしな」
「可能な限り早い段階で潰せるようにしておかないと」
大人しくなったカイトを見れば、ウトウトしている。
今日一日はしゃいで疲れてたとこに酒が入って限界がきたか?酔うほどではなかったと思うんだが…。
そっと抱き上げると擦り寄ってくるのがかわいい。
「カイト、もう寝ろ」
「うぅぅ、やだ…起きてる」
いや、寝てるだろ。
ベッドに運ぼうとすると嫌々と頭を振るので、そのまま膝に乗せてソファに座る。
カイトはぼんやり目を開けてテーブルにある果物を摘んで口に入れたが、噛む前にまたウトウトしだした。
これは、ダメだな。
向かいのソファに座るルークもそんなカイトの様子に笑い出すのを必死で耐えている。
「かわいいけどかわいそうだからベッドに寝かせてあげなよ」
そうだよな。寝かせるとなるとこれは必要な措置だから、後で知ってもカイトも怒らないだろう。
深く口づけて口の中の果物を引き上げる。ついでに舌を絡めて堪能しても悪くはないはずだ。
「んふっ…ん、ん」
おっと、やりすぎた。
カイトをベッドに下ろしてソファに戻る。
「家、決めたんだって?」
「あぁ、西側の壁のすぐ外だ」
「ギィがそんなに早く手配するとは思ってなかったよ」
「カイトにちょっかい出す奴が出てくる前に俺の物だと周りに示しておかないとな」
「…もう牽制は十分な気もするけどね…」
「まぁ、長期の依頼に出ている間カイトが1人でいることを考えると宿では心許ないしな。できればこのままカイトの側にいたいがそうもいかん」
「確かに。俺じゃギィが受ける種類の依頼を全てフォローするのは無理だしな。今はあいつが受けてるんだろ?」
「あぁ、滞っていないところをみると精力的に動いているようだが、次に会った時には何を言われるか」
「…カイトには会わせたくないな…」
嫌な予感しかしない。と呟くルークには同意しかない。万が一、あいつがエリカに来るような事があれば、カイトを連れて長期の依頼に出てしまおう。
「ところでさ、今日昼寝から起きた時あたりまえみたいにおはようのキスされたけど、カイトに何教えてるんだ!?」
カイト!お前寝惚けるにも程があるだろ!
「別に恋人同士ならおかしな事でもないだろう」
「恋人同士ならな」
「カイトは俺に嫌な部分はないらしいぞ。
で?」
「で?
カイトからしてくれたんだぞ。もちろん有り難く受け取ったさ!
気付いて慌てるカイトも真っ赤になってかわいかったぞ」
って思い出すな!反芻するな!
カイト、お仕置きだな。
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