社畜リーマン、ポンコツヒューマノイドのお陰でQOL爆上がり

ふた

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提案とサヨナラ

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 出入口に設置されているサーモグラフィーの前を通り、手指のアルコール消毒を済ませ院内に入ると、目の前には各科の教授の名が連なる大理石のボードがあり、一番下の角に目当ての科と教授の名があった。柱に取り付けられているフロアマップで場所を確認し、エレベーターに乗り込む。
 一人きりになって息を吐くと、息が弾んでいたことに気付いた。新設された大学病院はホテルのように広い。指先は冷たいのに手の平は熱を持っている。小脇に抱えている封筒のザラザラとした質感を敏感に感じ取りながら、足元が上昇し切るのを待つ。
 呼び出しベルのような音がして、扉が開くと、消毒液の匂いが濃くなった。この階には移植蘇生科の他に、手術室と歯科、麻酔科が存在している。面積の半分を占める手術室とは反対側に歯科、麻酔科、移植蘇生科と続く廊下があり、掲げられているプレートを確認しながら慎重に進んだ。
 一番の奥まで来ると、部屋の前には受付カウンターがなく、事務員の姿も見えなかった。診察券も診察予約表も持ち合わせていない俺は途方に暮れた。
 仁に状況を説明した電話から一週間後に、「不動先生話聞くってよ」と返信があった。指定された日取りを心待ちに過ごし、当日を迎え、怖気づくように診察室の前で二の足を踏んでいる状況である。他の科の前には受付カウンターの中にいる事務員と、待合いの長椅子に座った患者が見えるのに、このスペースにはそれがごっそりと無かった。しかし片開きのドアの前には確かに「移植蘇生科」のプレートがぶら下がっている。
 持っていた封筒を両手で持ち直して中身を覗き、昨晩午前二時までかかってグラフ化した検査値の推移、日ごとの身体症状をまとめた用紙が全て入っていることを確認した。
 平日に有休を取りここまで来たのだ。朝のメールで美月に『所用があり病院に行く。病気じゃないぞ』と送ると、『燈一さんが不調でなくて安心しました。道中お気を付けて』と返信が着たことを思い出す。人のことを心配している場合ではないだろうに。症状は日々悪化している。何もしていなくても呼吸が苦しい、足が浮腫む、ずっと心臓がドキドキしている。それでもまだ大丈夫。毎日自分に言い聞かせるように綴られる言葉に、携帯を握る手が震えた。これがいつまで続くのか、続いても苦痛だし、続かなくなったら全てが終わってしまうのだ。状況が変わるのがただ恐ろしかった。
 美月の主治医はそれでも機械を用いない治療を続けており、行っている酸素療法も点滴治療も、素人の俺でも現状に見合わないと分かるようなちんけなものだった。これで助かるわけがない。
 意を決してドアの前に立ち、握った手の甲でドアを叩く。中からの返事は無かった。もう一度ノックする。
「はあい」
 くぐもった声がして、その声が「どうぞ入ってえ」と続ける。緊張感のない声色にドアノブを掴むことを躊躇ったが、攻め込むように汗で濡れた手を掛けると、高校受験の面接で感じた緊張感を伴いながらも吸い込まれるようにドアの向こう側に入ることができた。目の前に飛び込んできたのはコバルトブルーの革張りのソファーと低いテーブルのセットで、奥のソファーには白衣を着た男性がソファーに仰向けなって、英字の雑誌を顔の上に乗せていた。
 変わり者、という仁の言葉が頭を過る。
「失礼します。イイオカ電子の朝倉仁に紹介してもらった芳賀です」
 姿勢を正し、仕事で来客者にするように声を掛けた。不動九と思われる痩躯の男は、投げ出した長い足をソファーの下に下ろし、雑誌を取り去って背筋を伸ばした。
「ああ、これは失礼。看護師さんかと思ってね。僕が不動です。朝倉君から話は聞いてますよ」
 丸い眼鏡の奥の切れ長の目、真ん中から分けた直毛の前髪はぺったりと顔の縁に張り付いている。医師というより熱心な研究者にいそうな風貌だと思った。不動は細い目を潰れるくらい細めながら、俺に座るように促した。
 手前側のソファーに尻を埋め、不動に向き合うと、彼は俺の手元を見て「それは?」と薄い唇を動かした。
「朝倉から聞いているかと思いますが、拡張型心筋症の鈴村美月の三か月分のデータです。在宅で測れる程度の検査結果しかまとめられていませんが、何もないよりかはいいかと思って持ってきました。どうぞ」
 差し出した手から封筒を受け取った不動の手が中身を取り出し、空になった封筒をテーブルの上に投げる。雑な所作に片頬が引き攣りそうになったが堪えた。一枚一枚上から下までざっと視線を動かしては、封筒をそうしたように用紙をテーブルの上に放った。最後の一枚を手元から離した後、徐に頭の後ろで手を組んでソファーに凭れ掛かった。
「手術二月でしょ?もっと早くならない?」
 唇を蚊のように尖らせて、不動はつまらなそうにこちらを向いた。
「彼の両親はレトロ派で、手術の同意を得ることは困難です。誕生日を迎えれば彼は十八歳になる。そのタイミングでどうか……」
「うん、それは分かった。でも持たない。彼の主治医の見立ては間違っていない。もうすぐ死ぬよ」
 不動は俺の言葉を遮って、あっさりと言ってのけた。ここ最近俺が思っていたことを。見ないふりをしていたことを。
「重症も重症。もうごはんも食べられないでしょ。後一か月かな。とても三か月なんて持たない」
 のらりくらりと言う男の顔がぐらぐらと歪んで、不動の目がきつねのように吊り上がって見えた。きつねは化かすんだ。俺は騙されているのかもしれない。頭の中が真っ白くなって呼吸が浅くなった。横に置いているコートを引っ掴んでこの部屋を出たくて堪らなかった。
 それでも不動は追い打ちを掛けるように続ける。
「もう手はない。この病院の誰に縋っても同じように言うだろうね。……よいしょ」
 テーブルの上でバラバラになって積み重なっている用紙を見つめながら、不動が立ち上がる気配を感じた。
ソファーの後ろに鎮座する大仰なデスクの引き出しを開けて、何かを探っているようだった。紙が擦れる音が止んで、戻って来た彼の手には、長型三号の白い封筒が握られていた。それを俺の目の前に差し出し、舌を出す蛇のような笑みを浮かべる。
「これをその彼に渡してくれる?決めるのは彼だけど、悪いことじゃないよ。こういうことを望む患者さんは少なくないからね」
 その白い手から封筒を受け取り、「確認してもいいですか?」と尋ねる。彼は頷いて、再び頭の後ろで手を指を組んだ。

『ネットでの献体登録申込み方法』

 三つ折りを広げ、真っ白なコピー用紙の一番上に書かれた文字を、何度も目でなぞる。献体ってのは死んだ後に実験使うっていうあれだろ。何故。何故。
 怒りとも悲しみとも判別つかない感情が湧き上がり、気付いた時には立ち上がってテーブル越しに不動の白衣の襟に掴みかかっていた。
「どういうことだ!あんたそれでも医者かよ!?あいつはまだ生きてんだぞ?なのに死んだ後のこと考えさせるってのか?ふざけんな!」
「そもそも、臓器提供や献体の希望は生きているうちに申し込んでおくものだ。彼にその意思がなければ行われることはない」
 揺さぶっても不動は飄々と言ってのける。その態度がますます癇に障った。
「でもまだ子どもだ。生きることだけを考えるさせるの普通じゃないのか」
「医療分野でのロボット工学の介入はこれからますますの発展が期待されている。その為に必要な実験での成功例を増やす為に、子どもであっても十五歳以上であれば物の分別がつくとみなされ献体の申し込みが可能になっている。未来の患者のヒーローになりたい。そういう子どもは案外多いものだ。健気だろう?」
『僕は本当に役立たずなんです』
 あの公園で、美月は己の無力さに絶望するように言った。思い出すと、力を入れていた両手から力が抜けて、不動は解放された。前のめりになっていた不動はそのままソファーに座り込み、俺も同じように力の抜けた体を革の上に落とした。 暫く放心していた俺の前で不動は足を組み、「それ」と封筒を指差す。
「ちゃんと渡してね。絶対に彼の為になると思うから。彼は死ぬ。それは間違いないから」
 下半分がひしゃげてしまった封筒に見つめる。俯いたまま絞り出した声は不様に掠れた。
「本当に方法は無いんですか」
「無いね。今すぐ手術をしないと間に合わないもの」
「あんたが彼の親を説得すれば……」
「なかなか難しいんだよ、そういうのは。僕たち医療従事者は患者の自由意志を尊重しなきゃいけない。宗教を信じている人の意思だってそう。僕らは強制なんて出来ない」
 不動が降参の意を示すように両手を上げる。
「医者は神じゃない。出来ないもんは出来ないのさ。今唯一僕が出来ることは、彼に死後の提案をすることだけだよ」
 日が照ると、窓に背を向けた不動の顔には影が出来た。眼鏡のブリッジを人差し指で上げて直し、その指で自分のこめかみを指した。
「考えるのは君じゃない。最後のジャッジは鈴村美月君がするんだ。君はそれを届けるだけ。いいかな?」
 死神がいるとするならば、こうやって死の宣告をするのではないかと思った。
 不敵に微笑んだまま手を振り、ドアの外まで見送りに出た不動を振り返らず、重石の詰まった封筒だけを手に病院を出ると、高いところにある太陽に笑われている気がして、見上げたままきつく目を瞑った。こんなもの破り捨ててしまえたら少しは気が晴れるのだろうか。瞼の裏が暗くなり目を開けると、太陽が流れている雲の後ろに隠れていた。少し動くとまた出てきて明るくなる。ちかちかと目障りだった。
 背後にそびえるホテルよりも大きな、県内の最後の砦と呼ばれる医科大学附属病院様を振り返る。最後の砦と言っても零れる命がある。『医者は神じゃない』。行き場の無い感情を忌々しい封筒にぶつける。力任せに握ると、ほとんど原型を留めないくらいに捩じれくれ曲がった。



 足音の次にインターフォンがなって、玄関ドアを開錠した。
「よう。……は?何だそれ、燈一。目の下のクマさんえげつないぞ?」
 土曜日に休日出勤だとぼやいていた仁は、俺の会社のものよりも清潔感のある作業着を着て、玄関で靴を脱いだ。
 「休日にすみません。サクラ機器の佐々木です。本日はよろしくお願いします」
 仁の背後に隠れていた仁とはまた違った作業着の、細かいウェーブの掛かった男性が顔を出した。その手には折りたたまれた大型のコンテナを持っていた。曖昧な返事をしながら二人を部屋の中へ案内する。ベッドへの道のりだけゴミを退かして隅に寄せた、床のほとんど見えない空間を見て、仁が軽蔑したような目視線を俺に向ける。
「これはひどくない?」
「別に死にはしないからな」
 仁が部屋を貶している間に、佐々木は部屋の様子には目もくれずベッドのに近付き、膝をついて、動かないコハクの顔を見た。
「これ、うちの製品で間違いないと思います」
 胸ポケットから携帯を取り出して画面をスクロールして、辿り着いた画像を俺たちに向けるので、仁と共に覗いた。そこには裸体のコハクの写真と製品情報が書かれていた。
「医療用遠隔操作型ヒューマノイド、試作。ね」
 読み上げた仁が俺を見る。佐々木が携帯を仕舞い、海藻のような前髪の隙間から、泣き黒子の印象的な双眸を俺に向けて「現在遠隔操作のヒューマノイドは製造禁止となっています」と硬い声で言った。
「この製品は回収対象です。事前にご説明させて頂いていた通り、自社に持ち帰らせて頂くことになります。よろしいですか?」
 佐々木が立ち上がる。どうせ何と答えてもコハクを回収していく気なのだろう。俺は片頬を引き攣らせて頷いた。仁が隣でじっと俺の顔を見ているのに気付かないふりをしながら、コンテナが組み立てられいくのを眺めた。
「燈一さ、ゲーム何かしてたんだな。仕事ずっと忙しいって言ってたじゃん?」
 ぼうっとしている間に、仁は、ソファーの上やテレビと座卓の間を見て回っていた。ゲームのハードやソフトが散らばっているのを目聡く見つけ、太鼓を叩いて遊ぶソフトを一つ拾い上げる。
「学生の時、酒飲みながらよくやったよな。色々落ち着いたらさ、またやろうぜ?惠介もハルとやってるって言ってたし」
 目を細める仁の頬が、暖房によって温められ赤く染まっている。表情も血の巡りも健康的で憎らしかった。最近いつも、他人のそういうところが気になるのだ。背中を押してくれる友人の元気な姿が、俺の後頭部を水面に鎮めるように強く押す。
「ああ、そのうちな」
 空っぽな声が出て、それに気付いたのは仁が眉尻を下げたからだった。佐々木は脇目もふらず作業をしていて、そのうち仁を呼び、コハクをコンテナに運び入れる方法を相談し始めた。
「僕、頭の方持ちますんで、朝倉さん足の方お願いします」
「分かりました。一人でもいけそうですけどねえ」
「一応廃棄か再利用か試験用か決まっていないので、念には念をということでお願いします」
「了解です」
 悪いけどベッド乗るぞ、と仁が振り向き、目線を合わせた俺の仕草を肯定だと受け取った仁は片膝をシーツに埋めた。成人男性二人の体重でベッドが深く沈む。佐々木がコハクの両脇に腕を入れ、仁が膝の下を支えた。
 大人にいいようにされている子どもを見るのは、気分のいいものではなない。
「いいですか?せーのっ」
 コハクの体は掛け声とともに軽々と宙に浮き、すとんと箱の中へ収まった。膝を抱えて横向きに眠るコハクが、コンテナの中にみっちりと詰まっている。つい三か月前までたどたどしく動いていた体が、ただの物のように扱われ、箱詰めされ、工場へ送られることを考えると、自分が抱えている思い出が不確かなものになってしまうように思えて、中身のない瓶を呷るように空しくなった。
 人に見られた時の配慮として、コハクの上に蓋がされた。既視感があり、瞬きをしながら視線を彷徨わせると、実家の木目の目立つ高い天井が思い浮かんだ。棺に敷き詰められた祖母と、飾られた白い百合の花。漂うガスストーブの匂い。
「燈一、コハクちゃん連れて行くけど、工場まで一緒についてくるか?」
 仁が俺の肩に手を乗せ、コンテナを見下ろす。気遣うように抑えられた声が部屋に馴染んで、錆びた思考のページを捲らない。
 ベッド、クローゼット、ソファー、テレビ、キッチン、洗濯機。見回してもコハクの姿は無い。目の前にいるのに動かない。俯き、拳を握った。皮膚に爪が食い込む。奥歯を噛んで、瞬きを止めた。苦しみを受容している筈なのに、どうしようもなくなって息を吸った。
「俺は行かない。もう、連れて行ってくれ」
 喉が締め上げられているような声が出たが、それを合図に佐々木は「では、失礼しました」と頭を下げ、コンテナの下に両手を入れた。仁も佐々木に倣い、その箱を持ち上げる。
 床の障害物を避けながら、佐々木が後ろ向きで先頭を歩く。仁は外に出るまで、俺の様子を監視するように視線を向けてきた。
「じゃあまた、連絡する」
 ドアが閉まる前、仁は笑いきれない表情で早口に言い残した。
 重々しい音を立てて一人取り残された部屋で、ベッドに足を向けた。つい先程まで横になっていたヒューマノイドがいた場所に体を沈める。体温の跡も残っていない。
 アニメ劇場で放送していた、泣く泣く子どもを手放した親はこういう気持ちだったのだろうか。半身を割かれたような、何かを失くしたような、心臓を握り潰されているような。コハクがずっと前から俺の中に溶け込んでいたことを思い知らされ、一人きりになってしまった心細さに泣きたくなった。瞼が震えて、徐にゲームのコントローラーを握る感触が蘇った刹那。
『た、たの、楽しかったです……ずっと、あ、あのままいられたら、良かった。コハクのままなら、僕は、僕は自由だった……っ』
 炎天下の中、冷めるような声で言った彼の言葉が、心胸の中に土砂降りを振らせた。
 弾かれたように上半身を立たせる。
 指先に硬いものが触れて、見ると粉砂糖を振ったような青いガラスの欠片だった。彼はこれを宝石と呼んだ。生きる為に不要だった為に名も知らなかったそれを、自分の知る限りで一番美しいものに例えたのかと思うと、綿毛に触れたような気持ちになったのを鮮明に思い出せる。
 それを手の中で包むとに、握り込めるような大きさだった。コハクが持っていた時は指が閉まらないくらいだったのに。美月の手ならもう少し余裕があるだろうか。
 確固たる意思を持って『絶対にあげない』と言った美月にこれを返さなければと思った。ひんやりとしたシーグラスが体温を吸い取り、芯まで温かくなっていく。すぐさまベッドを下りて座卓に置きっぱなしのノートパソコンに向かった。レースカーテンから差し込む光は弱く、薄暗い。パソコンの画面が煌々と浮かび上がる。
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