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第八話 木曜日
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木曜日は一週間の中でも特殊な曜日である。いつもは6時間授業を受ければ帰宅出来るけど、木曜日は7時間目という魔の時間がある。
7時間も授業なんて受けれねえよ、と思うかもしれないが週によって当たり外れがある。現代文や英語のような授業は5時間目までで、6、7時間目はホームルームであったり学年集会が開かれることが多い。ごくたまに、模試対策の授業になったりはするが、多くの人はありがた迷惑と思っていたりする。
今週は何をやるかというと、文化祭の出し物を決める時間となっている。僕はもう何度もこの時間を経験しているから覚悟出来ているけど、話し合いというより戦争に近い。先に言っておくと、男子はメイド喫茶を強く希望しているが女子は頑なに拒否。女子は可愛いパンケーキ屋さんをやりたい! と言っているが男子には可愛いパンケーキの良さが分からないため脚下。ならたこ焼きでええやんと1人の勇者がツッコミを入れたが女子全員のヘイトをかって撃沈している。
今週は決まらない。それがこれまでのループでの結末だった。この戦争を終わらせたい! って救世主になろうとは思わないけど、今は男子にも女子にも意見を聞ける友達が数人いるから聞いてみようかなって。僕もそうだけど、周りの意見に流されるだけの人っているだろうし、だいたいはクラスの中心人物たちがやりたいことを提案して他のクラスメイトがじゃあやろうって感じがほとんどだ。
だから僕は皆がこれやってみたいとか、逆にこれはやりたくないって思ってることを聞いてみる。
学校に着くとすでに小平さんが椅子に座ってスマホをながめていた。ホームルームまで時間があるから、聞いてみよう。
「おはよう、今日文化祭の出し物決めるんだっけ?」
「おはー。そうっぽいけど決まるかなー、去年は1年生だったから暗黙の了解で制限あったけど、2年生は自由だから意見まとまらなそう」
「確かに。小平さんはやりたいことある?」
「んー、なんだろ。恥ずかしいやつじゃなければ何でもいいかも」
「恥ずかしいやつか。メイド喫茶とか?」
「え。七草君興味あるの?」
やばい、僕がめちゃくちゃメイド喫茶大好きな人って思われたらやだ恥ずかしい。そこまで好きってわけじゃないし!
「あいや、高校の文化祭でやってるイメージ強かったから」
「あー確かにイメージあるかも。七草君はやりたいのー?」
ニヤニヤしながら僕の顔を覗き込んでくる。そんなに見たいならしてあげよっか? って顔に書いてある気がする……。
「まぁ、興味はあるよ。うん……」
「正直でよろしい。でも女子だけ恥ずかしい思いするのは嫌なんだよね、可愛いから着てみたいって人は多いと思うけど、それと同じくらい恥ずかしいって人も多いと思うし」
なるほど。確かに男子からすればクラスの女子のメイド姿を見れるのは最高……とても嬉しいことだけど、女子からすれば男女で不公平ではないかとなるのか。
つまり男子も何かコスプレするとか? んー需要と供給が見合ってない気もするけどどうなんだろ。
「おはよー小平さん、七草君」
僕の前の席に座る宮川さんが登校してきた。軽く挨拶を交わし、宮川さんも参戦してきた。
「男子のコスプレって女子から見て需要あるの?」
軽い気持ちで聞いてしまったのが間違いだった。僕は宮川さんに火を付けてしまった。どうやら宮川さんはアニメオタクで、アニメキャラのコスプレが大好きだという。僕の中でコスプレしている人は女性が多いと思っていたけど、男性でもたくさんいるらしい。女子はメイド、男子は執事にコスプレするのが最高だとか。
メイドと執事ね。僕は一つ武器を手に入れることが出来た。
その後は特に変化なく5限まで消化してホームルームの時間が始まる。来年は受験があるせいで文化祭に時間を使うことが出来ない。つまり2年生の文化祭が一番気合が入るわけであり、クラスの中心人物(陽キャ)の方々は特に熱量が凄い。
僕は普通に楽しめればいいかな、疲れない程度にって人だ。乗り気じゃないってわけはないけど毎日放課後夜まで残ってやるほどでもない。一般的なクラスメイトBって感じだ。
授業開始を告げるチャイムが鳴り、クラス委員の二人が前に出る。委員長は長い黒髪を一つにまとめた和風女子で、副委員長はメガネをかけたマッシュルームだ。
「それでは事前に通知してあった通り、この時間は文化祭の出し物について話し合いをします。案がある人は挙手して下さいね」
言い終えてすぐ二人の生徒が手を挙げた。女子のボスと男子のボスだ。そしていつも通り女子はパンケーキで、男子はメイド喫茶を提案した。それ以外に案は出ずお互いプレゼンテーションに入る。
パンケーキは美味しいし可愛い。アレンジのバリエーションも多いから若い人だけじゃなくて親世代の口に合うメニューも考えられると。そしてバズる! っと。
理にかなってるなって毎回思う。スイーツとしてパンケーキは定番だから客は集まるし、甘さ控えめに作れば甘いのがあまり好きじゃない人でも食べることが出来る。女子の本気度が分かるプレゼンだった。バズるってのは大事らしい。
一方メイド喫茶は、嫌いな人はいない。この世の男は皆メイドが好きなんだ! 男の夢を叶えてやりたいって言ったいた。最後にボソっと皆のメイド姿も見たいしって所は聞かなかったことにしよう。
まぁ分かるよ。メイドはアイドルみたいだし、男性はもちろん可愛い女の子を見たい女性客も来るだろうし。ただ、プレゼンというより本音で語っただけだと思ったけど……。
そこからは地獄だった。もう何度目かわからないけど男子と女子が言い合いを始めている。パンケーキなんて男は食いに来ないとか、何で女子だけ恥ずかしい思いしないといけないの! とか。
実際には討論してるのは数人で、残りの多くは聞いているだけ。なかにはスマホでゲーム始めてる猛者もいるし。
その間委員長は何をしていたかというと、窓の外を見ていた。現実逃避してるみたい。ちなみに副委員長は書記なんだけど、言い合いしてる最中に出たお互いの良い点悪い点を書き出していた。いやよく仕事出来るよねこの状況で。
6限の終わりを告げるチャイムが鳴り、一時休戦に。7限に向けてそれぞれ作戦会議と言う名の愚痴大会が開かれていた。このままいけば今週結論が出ることはない。仕切りを放棄した委員長と、無秩序に己の意見だけを言うだけの話し合い。いや言い合いか。
少しでもこの状況を変えられるように、僕は動くことにした。
7時間も授業なんて受けれねえよ、と思うかもしれないが週によって当たり外れがある。現代文や英語のような授業は5時間目までで、6、7時間目はホームルームであったり学年集会が開かれることが多い。ごくたまに、模試対策の授業になったりはするが、多くの人はありがた迷惑と思っていたりする。
今週は何をやるかというと、文化祭の出し物を決める時間となっている。僕はもう何度もこの時間を経験しているから覚悟出来ているけど、話し合いというより戦争に近い。先に言っておくと、男子はメイド喫茶を強く希望しているが女子は頑なに拒否。女子は可愛いパンケーキ屋さんをやりたい! と言っているが男子には可愛いパンケーキの良さが分からないため脚下。ならたこ焼きでええやんと1人の勇者がツッコミを入れたが女子全員のヘイトをかって撃沈している。
今週は決まらない。それがこれまでのループでの結末だった。この戦争を終わらせたい! って救世主になろうとは思わないけど、今は男子にも女子にも意見を聞ける友達が数人いるから聞いてみようかなって。僕もそうだけど、周りの意見に流されるだけの人っているだろうし、だいたいはクラスの中心人物たちがやりたいことを提案して他のクラスメイトがじゃあやろうって感じがほとんどだ。
だから僕は皆がこれやってみたいとか、逆にこれはやりたくないって思ってることを聞いてみる。
学校に着くとすでに小平さんが椅子に座ってスマホをながめていた。ホームルームまで時間があるから、聞いてみよう。
「おはよう、今日文化祭の出し物決めるんだっけ?」
「おはー。そうっぽいけど決まるかなー、去年は1年生だったから暗黙の了解で制限あったけど、2年生は自由だから意見まとまらなそう」
「確かに。小平さんはやりたいことある?」
「んー、なんだろ。恥ずかしいやつじゃなければ何でもいいかも」
「恥ずかしいやつか。メイド喫茶とか?」
「え。七草君興味あるの?」
やばい、僕がめちゃくちゃメイド喫茶大好きな人って思われたらやだ恥ずかしい。そこまで好きってわけじゃないし!
「あいや、高校の文化祭でやってるイメージ強かったから」
「あー確かにイメージあるかも。七草君はやりたいのー?」
ニヤニヤしながら僕の顔を覗き込んでくる。そんなに見たいならしてあげよっか? って顔に書いてある気がする……。
「まぁ、興味はあるよ。うん……」
「正直でよろしい。でも女子だけ恥ずかしい思いするのは嫌なんだよね、可愛いから着てみたいって人は多いと思うけど、それと同じくらい恥ずかしいって人も多いと思うし」
なるほど。確かに男子からすればクラスの女子のメイド姿を見れるのは最高……とても嬉しいことだけど、女子からすれば男女で不公平ではないかとなるのか。
つまり男子も何かコスプレするとか? んー需要と供給が見合ってない気もするけどどうなんだろ。
「おはよー小平さん、七草君」
僕の前の席に座る宮川さんが登校してきた。軽く挨拶を交わし、宮川さんも参戦してきた。
「男子のコスプレって女子から見て需要あるの?」
軽い気持ちで聞いてしまったのが間違いだった。僕は宮川さんに火を付けてしまった。どうやら宮川さんはアニメオタクで、アニメキャラのコスプレが大好きだという。僕の中でコスプレしている人は女性が多いと思っていたけど、男性でもたくさんいるらしい。女子はメイド、男子は執事にコスプレするのが最高だとか。
メイドと執事ね。僕は一つ武器を手に入れることが出来た。
その後は特に変化なく5限まで消化してホームルームの時間が始まる。来年は受験があるせいで文化祭に時間を使うことが出来ない。つまり2年生の文化祭が一番気合が入るわけであり、クラスの中心人物(陽キャ)の方々は特に熱量が凄い。
僕は普通に楽しめればいいかな、疲れない程度にって人だ。乗り気じゃないってわけはないけど毎日放課後夜まで残ってやるほどでもない。一般的なクラスメイトBって感じだ。
授業開始を告げるチャイムが鳴り、クラス委員の二人が前に出る。委員長は長い黒髪を一つにまとめた和風女子で、副委員長はメガネをかけたマッシュルームだ。
「それでは事前に通知してあった通り、この時間は文化祭の出し物について話し合いをします。案がある人は挙手して下さいね」
言い終えてすぐ二人の生徒が手を挙げた。女子のボスと男子のボスだ。そしていつも通り女子はパンケーキで、男子はメイド喫茶を提案した。それ以外に案は出ずお互いプレゼンテーションに入る。
パンケーキは美味しいし可愛い。アレンジのバリエーションも多いから若い人だけじゃなくて親世代の口に合うメニューも考えられると。そしてバズる! っと。
理にかなってるなって毎回思う。スイーツとしてパンケーキは定番だから客は集まるし、甘さ控えめに作れば甘いのがあまり好きじゃない人でも食べることが出来る。女子の本気度が分かるプレゼンだった。バズるってのは大事らしい。
一方メイド喫茶は、嫌いな人はいない。この世の男は皆メイドが好きなんだ! 男の夢を叶えてやりたいって言ったいた。最後にボソっと皆のメイド姿も見たいしって所は聞かなかったことにしよう。
まぁ分かるよ。メイドはアイドルみたいだし、男性はもちろん可愛い女の子を見たい女性客も来るだろうし。ただ、プレゼンというより本音で語っただけだと思ったけど……。
そこからは地獄だった。もう何度目かわからないけど男子と女子が言い合いを始めている。パンケーキなんて男は食いに来ないとか、何で女子だけ恥ずかしい思いしないといけないの! とか。
実際には討論してるのは数人で、残りの多くは聞いているだけ。なかにはスマホでゲーム始めてる猛者もいるし。
その間委員長は何をしていたかというと、窓の外を見ていた。現実逃避してるみたい。ちなみに副委員長は書記なんだけど、言い合いしてる最中に出たお互いの良い点悪い点を書き出していた。いやよく仕事出来るよねこの状況で。
6限の終わりを告げるチャイムが鳴り、一時休戦に。7限に向けてそれぞれ作戦会議と言う名の愚痴大会が開かれていた。このままいけば今週結論が出ることはない。仕切りを放棄した委員長と、無秩序に己の意見だけを言うだけの話し合い。いや言い合いか。
少しでもこの状況を変えられるように、僕は動くことにした。
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