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危険区域の化物
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「ふむふむ。つまりこの場所は俺らのいた表界ではなく、裏界との狭間にある別次元の神獣界という訳だね?」
「恐らくそうだど。暗雲広がる荒野は神獣界の危険区域で魔素が消失しレジスト化された場所だと故郷の本で読んだことあるど。こんな場所は他にはないど。」
「そうか、なら自分の魔力が感じられないのも納得できるか。」
俺は納得し、プータンに目を向ける。
するとプータンはニタリと笑みを見せた。
「ん?てことはなにか?もしかして今のお前は魔法が使えないただのガキかど?」
うっ。
今思えばこいつは無理矢理自分と契約させたんだった。
万が一コイツが俺を裏切ったりなんかしたら‥
「かーかっかっか!そうかそうかど!良い気味だど!この際日頃の恨みをぶつけてやろうかど?くくく!はーはっはっは!」
プータンがジリジリと寄ってくる。
「おいおい冗談よせよ」
「冗談?かっ!馬鹿言ってんじゃないど!力に余った力を所有物とした罪ど!いくどぉ!」とプータンが飛びかかってこようとした瞬間。
ドッガァァァァン!!
「な!?なんだど!?」
「なんだ?」
大きな音と腐葉土の匂いがあたりを包み、地面から大きな巨木が現れた。
「な!?こ、こいつはトレントど!」
「とれんと?」
「危険区域に生息する木の化物ど!通常は大きくても2~3メートル程度だどが、こいつはそれの3倍。ウォーリアトレントど!」
巨木はしなる枝をくねらせ俺らに襲いかかった。
「うぉ!」
間一髪でそれを避けたが、避けた地面に亀裂ができ砂塵が舞う。
こりゃ当たったら死ぬね!
「プータン!スリープ使えないの?」
「ハルはさっきの話聞いてなかったどか?レジストで魔法は使えないど!」
「訳にたたねぇ。」
「あっ!?何かいったかど?」
「別に‥」
「ふん!馬鹿にした罪ど!お前だけ置いて逃げてやるど」
「な!?お前それはねぇだろ!」
「しるかど!」
プータンはトレントから回れ右して走り出そうとした瞬間、またもや地中から大きなトレントが現れ、しなる枝を振り回しプータンに直撃した。
「ブォォ!!」
ズザァーと地面にすれて跳ね飛ばされた。
だが流石防御力の高いプータン。へこたれない。
「遅かったか!かこまれたど!!!」
「馬鹿め!薄情な事をしようとするからだブタ野郎!やーいやーい!」
「うぬぬぬぬぬ。」
悔しそうな顔をするプータンを横目に俺は深呼吸し気持ちを落ち着かせる。
しかしこの状況ヤバイな。
何か策はないものか?と考えトレントを見上げると、トレントの頭頂部に光る何かを見つけた。
なんだあれ?と目を凝らすと、愛用していた農業フォークぐらいの大きさの三俣鉾がつき刺さっていた。
「おぉ!あれよさそう!」
「なんだど?いい案でもあるかど?」
「一か八かだけどね。プータン背中貸せ!」
俺はプータンの背中に有無を言わさず乗り込み、プータンの耳を持つ。
「あのトレントの頭頂部に連れてけ!」
「あっ?誰がお前の言う事なんか聞くかど?」
「どのみち何もしなけりゃお互い死んじまうだろ?此処は一つ共同作戦といこう。俺にいい案があるんだよ」
「ちっ、信じていいんだな?」
「信じるとかではないけど、まぁ今を打開するには少しでも足掻いたほうがいいでしょ?」
「‥不本意だが仕方ないど!」
「恐らくそうだど。暗雲広がる荒野は神獣界の危険区域で魔素が消失しレジスト化された場所だと故郷の本で読んだことあるど。こんな場所は他にはないど。」
「そうか、なら自分の魔力が感じられないのも納得できるか。」
俺は納得し、プータンに目を向ける。
するとプータンはニタリと笑みを見せた。
「ん?てことはなにか?もしかして今のお前は魔法が使えないただのガキかど?」
うっ。
今思えばこいつは無理矢理自分と契約させたんだった。
万が一コイツが俺を裏切ったりなんかしたら‥
「かーかっかっか!そうかそうかど!良い気味だど!この際日頃の恨みをぶつけてやろうかど?くくく!はーはっはっは!」
プータンがジリジリと寄ってくる。
「おいおい冗談よせよ」
「冗談?かっ!馬鹿言ってんじゃないど!力に余った力を所有物とした罪ど!いくどぉ!」とプータンが飛びかかってこようとした瞬間。
ドッガァァァァン!!
「な!?なんだど!?」
「なんだ?」
大きな音と腐葉土の匂いがあたりを包み、地面から大きな巨木が現れた。
「な!?こ、こいつはトレントど!」
「とれんと?」
「危険区域に生息する木の化物ど!通常は大きくても2~3メートル程度だどが、こいつはそれの3倍。ウォーリアトレントど!」
巨木はしなる枝をくねらせ俺らに襲いかかった。
「うぉ!」
間一髪でそれを避けたが、避けた地面に亀裂ができ砂塵が舞う。
こりゃ当たったら死ぬね!
「プータン!スリープ使えないの?」
「ハルはさっきの話聞いてなかったどか?レジストで魔法は使えないど!」
「訳にたたねぇ。」
「あっ!?何かいったかど?」
「別に‥」
「ふん!馬鹿にした罪ど!お前だけ置いて逃げてやるど」
「な!?お前それはねぇだろ!」
「しるかど!」
プータンはトレントから回れ右して走り出そうとした瞬間、またもや地中から大きなトレントが現れ、しなる枝を振り回しプータンに直撃した。
「ブォォ!!」
ズザァーと地面にすれて跳ね飛ばされた。
だが流石防御力の高いプータン。へこたれない。
「遅かったか!かこまれたど!!!」
「馬鹿め!薄情な事をしようとするからだブタ野郎!やーいやーい!」
「うぬぬぬぬぬ。」
悔しそうな顔をするプータンを横目に俺は深呼吸し気持ちを落ち着かせる。
しかしこの状況ヤバイな。
何か策はないものか?と考えトレントを見上げると、トレントの頭頂部に光る何かを見つけた。
なんだあれ?と目を凝らすと、愛用していた農業フォークぐらいの大きさの三俣鉾がつき刺さっていた。
「おぉ!あれよさそう!」
「なんだど?いい案でもあるかど?」
「一か八かだけどね。プータン背中貸せ!」
俺はプータンの背中に有無を言わさず乗り込み、プータンの耳を持つ。
「あのトレントの頭頂部に連れてけ!」
「あっ?誰がお前の言う事なんか聞くかど?」
「どのみち何もしなけりゃお互い死んじまうだろ?此処は一つ共同作戦といこう。俺にいい案があるんだよ」
「ちっ、信じていいんだな?」
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