チートはないけど異世界頑張って生きて、神様いつかぶっとばす!

桜花龍炎舞

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やっと見つけた人達は危機的状況

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 臭いを辿り、急ぎ足でその根元に近づくと、馬のいななきや人々の悲鳴が聞こえだす。

 そして見えた先は、民族風なテントが所々で燃え上がり、民族衣装を身に纏う人々がゴブリン達に追い回されている光景だった。

 ゴブリン自体の戦闘力は然程無い筈だが集団で襲いかかっている為、人々は難儀している様だ。

 それに加えて戦えない女子供は男の後ろに隠れ、男は庇いながら戦っている。

 戦いにくそうだ。

 せっかく人と会えたと言うのにコレか。

 それにしてもゴブリンは単体行動が主だと思っていたが違ったのか?

 そんな事はさておき、自分の気持ちとしてはここは見て見ぬふりをして去るのも一つの手だ。

 冷たいようだが言ってしまえば赤の他人。

 変に突っ込んでいく筋合いもないのだ。

 仮に、俺自身があの数を見ても余裕で勝てる程の自身があるならば別かもしれないが、俺自身がとても強い訳でもない。

 何度かゴブリンとは戦い、単体ならまだしも、あの数はダメだ。

 俺も人間。打ち所や斬られ所が悪ければ死ぬ可能性だってある。

 そこまでお人好しではない。

 ないが‥

 心の中の善良なる心の俺天使が語りかけてくる。

(目の前に困っている人がいるのなら助けてあげなさい。人と人は支え合って生きているのです)

 天使がそういうと反対側からまた新たに心の悪魔が現れる。

(けっ!これだから天使って奴は嫌いなんだ!クソが)

(まぁ、なんと下劣な言葉。)

(うっせぇタコ!いいか俺!よく聴け!あんな民族なんてほっちまいな!命がなにより大切なんだよ!あんな知りもしねぇ他人の為に命をはるこたぁねぇ!ほっときゃいいんだよ!)

 顎に手をやり納得するように俺は頷く。

 確かに俺もその意見には賛成だ。

(そうだろ、そうだろ!)

 俺悪魔が満足そうに腕をくみ頷くと、俺天使がそれを叱咤する。

(ダメです!!きっと後悔します!ここでこの民族を見捨ててどうするのです?また森の中を歩き続けるのですか?食糧も無限ではないのですよ?どの道生き死ぬのならここで戦う事も選択の一つです!どうせ死ぬのなら善良な死に方をすべきです!)

(おいおい!俺に死ねってのか!)

(そうではありません。ここで彼等を助ける事でこの世界の情報を得れるチャンスかもしれないという今後の可能性も含めての事です)

 むぅ。天使の言うこともわからんでもない。
 
(おい!いく気か?死ぬぞ?)

 行きたくない!‥けど、ほっとけそうもない。

 どうせ死ぬならカッコよく死にたい‥かも?

(馬鹿野郎!お前は正義のヒーローでもなんでもねぇ!唯の高校生なんだぞ!それに手まで震えてるじゃねぇかよ!)

 俺は自分の手に目を向ける。

 手のひらはグッショリとなり小刻みに震えている。

 だがそれを力強く握り拳へと変える。

 案外お人好しのバカなのかもしれない。

 決まった。やろう。

 どうせ死ぬかもしれないんだし!

 俺に出来るかはわからないけど!

(しらねぇぞ!)

(いい選択です)

 そう言って俺悪魔と俺天使は消えていった。

 まぁ想像なんだけどね。

 さて、そう心に決めてからは早い。

 俺は助ける事だけを考えて思考を始める。

 無謀に助けに行って自分が死んでしまったら元も子もない。

 助かる命も助けられないのだ。

  取り敢えず、今の状況を把握するべく、身を低くしながら木々に身を隠し集落に徐々に近づいて見る事にした。

 そこら辺で見回りを行っているらしきゴブリンは背後から錆びた槍で突き刺し即死させる。

 何匹か倒せば何処で一撃にて殺す事は容易い事だ。

 初めこそ気持ち悪かったが、所詮人間ではない。

 生きる為に動物を狩るのと一緒だ。

 向こうが殺す気なのなら迎え撃たねばこちらが殺されるのだから。

 初めのように吐いたりはしない。

 そう!俺はなったのだ!

 流浪のゴブリンキラーに!!

 なんちて!

 調子にのるのは終わってからだ。

 勿論殺したゴブリンの持つ武器は回収しておく。

 そしてまだ火の手が回っていないテントの隅まで近づくと、中から「ギャギギギ!!」と何やら高揚するゴブリンの声が聞こえた。

 身を低くしながら、テントの隅に近づき、風通し窓から恐る恐る覗き込むなり驚愕した。

 何故なら縄で縛られた裸の女性達がゴブリンに犯されている光景だったのだ

 あの野郎!!俺でもまだした事ないってのにクソが!!!

 おっと、今はそんな事を言っている場合ではなかったか。

 1.2..3体って所か。

 男として女性の裸は好きだが、ゴブリンが女性を犯し、泣き叫ぶ女性に欲情する様な趣味はない。

 そして良く良く見れば、その中でも今まで見たゴブリンよりも少し利口そうな顔つきの奴がいた。

 身体も幼児体型ではなく、中年親父っぽい身体つきで身長も他のゴブリンより少し高い。

 武器に関しても錆びた剣ではなく、小綺麗な剣をもっていた。

 何となく、と言うよりも恐らく彼奴が親玉だ。

 そんな中、一人の少女が縄で縛られたまま引きずられ連れてこられた。

 歳は俺とあまり変わらなそうだ。

  鮮血のような赤髪に、健康的な褐色肌をし、顔も整っていてお胸も素晴らしいホルスタインだ。

 「キャキャ、キキキー」

 下っ端らしきゴブリンが親玉に何かを告げると、その少女を親玉の前に跪かせた。

  乱暴に少女の髪は鷲掴みされ、少女の顔が親玉にしっかり見える様にした。

 親玉は片手で顎を摩りながら少女を見定めると醜い笑みを浮かべたかと思うと、剣を抜き取り高揚し雄叫びを上げた。

「ギャギャギャギャー!!!」

 すると剣が一瞬光を放ち、周りにいるゴブリンの目も呼応する様に光を放ち、雄叫びを上げた。

「「「「ギャギャギャギャー!!」」」

 何だあの光は?

 もしかしてあれで他のゴブリンを操ってる?

  なんとなくそんな気がする。

 自慢ではないが俺の勘は結構当たるのだ。

 さてどうするか?

 このまま突っ込んで行ってもいいが、場所が場所なだけに気づかれて、仮に少女達を解放したとしても増援が加入され囲まれて終わりだ。

 相手があれだけなら勝機はあるかもだが、増援は無理だ。

 手の打ち様が無い。
 
 重い悩む表情を浮かべる俺だが、その合間にも少女は親玉中年親父に迫られそうになっていた。

 少女は恐怖のあまり身体を震わせ動けないでいる。

 そんな時。タイミング良くかどうかは分からないが、テントの外側の人々たちの元に馬に跨る民族衣装を着た色黒の美男子が急に現れた。

 そして現れるなり手に持つ槍で人々を襲うゴブリン共を蹴散らし始めた。

「俺の留守中に良くもやってくれたなゴブリン共め。すぐに蹴散らしてくれる!はっ!!」

 手綱を叩き馬を走らせる。

 ゴブリン共も雄叫びを上げ、嚇怒しその男を中心に集まっていった。

 どうやら此方に集まる心配はきえたようだ。

 俺は視線を再びテントに戻し、瞬時に作を練った。

 さて、やったりますか!!

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