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第一章 いざ、竜狩りへ
001 翡翠の竜に追われる少年
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白髪の後ろ髪を揺らしながら、少年は逃げるように石橋を駆けていた。もともとは綺麗に舗装された石畳の橋も、長い年月を経て風化した今では、あまり駆けるのに適した状態にない。
砂利で足を滑らせながらも、少年は懸命に走っていた。周囲で流れ落ちる滝の音が絶えず少年の鼓膜を打ち、鳴り響く心臓の鼓動を宥めようとしている。
が、少年の焦燥は一向に収まらない。
少年の足音とは別に、大きな足音が徐々に近づいていた。大地を揺らすほどの衝撃が時折、少年の体を宙に浮かした。
少年はよろめきながらも、背後の大門から出来る限り遠ざかろうと必死に石畳の上を走った。
L字を描くように作られた橋の、ちょうど曲がり角にたどり着いたところで少年の背中に、石壁へ鉄球のような巨大で硬い物をぶつける衝撃音が響く。
少年の何倍も高い巨大で重厚な扉が突き破られたのだ。飛散した石の雨が少年へと襲いかかる。大小さまざまな石片が無作為に降り注ぎ、厚めの布だけあしらわれただけで硬い装甲のひとつもない少年の背中を橋へ打ちつけた。
「―――っ!」
少年は苦悶の表情を浮かべながらも、突っ伏したまま背中を丸めて後頭部を両手で覆い隠し石の雨をやり過ごした。
それが止むと、背後から極低音の叫び声が天を貫く。轟音に少年は慌てて耳を塞ぐと、自身の背後を反射的に振り返った。
大門を突き破った巨大な頭が鎌首をもたげ、少年を見下ろしている。群青色の瞳に、翡翠色の鱗で覆われた顔肌、こめかみの辺りには琥珀色の双角。
その容姿は、紛れもなく竜の頭部であった。
「あのでけぇ扉を頭突きでぶち抜いたってのか? くそったれ……っ!」
翡翠色の竜は唸り声を上げながら、左右に首を振った。その様は、扉から突き出した首が引き抜けずにもがいているように見える。
「はん、この間抜けっ! 格好の標的じゃねぇか」
今が好機と、少年は起き上がって腰に携えた大型の銃器を右手で引き抜いた。
まるで大剣のような見た目の銃器には革が巻かれたグリップがあり、握った両手を覆うように柄頭と銃身が金属で繋がっている。
銃身に刃はなく、魔力莢と呼ばれる弾を詰める弾倉が下部に備え付けられていた。グリップと銃身の間にはトリガー部分があり、トリガーを引けば大口を開けた銃口から魔力を凝集したエネルギー弾が打ち出される仕組みである。
少年は右手で引き抜いた銃器を左手に持ち替えると、腕まで覆う指ぬきグローブをはめた手でしっかりとグリップを握った。そのまま脇に挟み込み、大きな銃口を竜の方へと向ける。
「今度はとっておきをお見舞いしてやるぜ。覚悟しなっ!」
少年はほくそ笑むと、銃身の下部から空になった魔力莢を取り外した。空いた右手で腰につけた革製のポーチに指を滑らせ、素早く替えの魔力莢を取り出し装填。
グリップを脇にはさみながら、左手をトリガー部分へと移す。自身の額にかけたゴーグルをおろし、銃口を竜の額へと向け狙いを定めた。
「くたばりやがれぇぇぇぇっ!」
少年が左手でトリガーを引くと、銃口へ魔力が集まり紫色に輝きだす。密度を持ったエネルギーを十分に力を貯め込むと、光の球となり竜の額へ向け一直線に飛び出した。
竜の目が光の球を認識するのとほぼ同時。飛び出したエネルギー弾は爆音と共に紫色の粒子を飛び散らしながら、爆ぜた――。
砂利で足を滑らせながらも、少年は懸命に走っていた。周囲で流れ落ちる滝の音が絶えず少年の鼓膜を打ち、鳴り響く心臓の鼓動を宥めようとしている。
が、少年の焦燥は一向に収まらない。
少年の足音とは別に、大きな足音が徐々に近づいていた。大地を揺らすほどの衝撃が時折、少年の体を宙に浮かした。
少年はよろめきながらも、背後の大門から出来る限り遠ざかろうと必死に石畳の上を走った。
L字を描くように作られた橋の、ちょうど曲がり角にたどり着いたところで少年の背中に、石壁へ鉄球のような巨大で硬い物をぶつける衝撃音が響く。
少年の何倍も高い巨大で重厚な扉が突き破られたのだ。飛散した石の雨が少年へと襲いかかる。大小さまざまな石片が無作為に降り注ぎ、厚めの布だけあしらわれただけで硬い装甲のひとつもない少年の背中を橋へ打ちつけた。
「―――っ!」
少年は苦悶の表情を浮かべながらも、突っ伏したまま背中を丸めて後頭部を両手で覆い隠し石の雨をやり過ごした。
それが止むと、背後から極低音の叫び声が天を貫く。轟音に少年は慌てて耳を塞ぐと、自身の背後を反射的に振り返った。
大門を突き破った巨大な頭が鎌首をもたげ、少年を見下ろしている。群青色の瞳に、翡翠色の鱗で覆われた顔肌、こめかみの辺りには琥珀色の双角。
その容姿は、紛れもなく竜の頭部であった。
「あのでけぇ扉を頭突きでぶち抜いたってのか? くそったれ……っ!」
翡翠色の竜は唸り声を上げながら、左右に首を振った。その様は、扉から突き出した首が引き抜けずにもがいているように見える。
「はん、この間抜けっ! 格好の標的じゃねぇか」
今が好機と、少年は起き上がって腰に携えた大型の銃器を右手で引き抜いた。
まるで大剣のような見た目の銃器には革が巻かれたグリップがあり、握った両手を覆うように柄頭と銃身が金属で繋がっている。
銃身に刃はなく、魔力莢と呼ばれる弾を詰める弾倉が下部に備え付けられていた。グリップと銃身の間にはトリガー部分があり、トリガーを引けば大口を開けた銃口から魔力を凝集したエネルギー弾が打ち出される仕組みである。
少年は右手で引き抜いた銃器を左手に持ち替えると、腕まで覆う指ぬきグローブをはめた手でしっかりとグリップを握った。そのまま脇に挟み込み、大きな銃口を竜の方へと向ける。
「今度はとっておきをお見舞いしてやるぜ。覚悟しなっ!」
少年はほくそ笑むと、銃身の下部から空になった魔力莢を取り外した。空いた右手で腰につけた革製のポーチに指を滑らせ、素早く替えの魔力莢を取り出し装填。
グリップを脇にはさみながら、左手をトリガー部分へと移す。自身の額にかけたゴーグルをおろし、銃口を竜の額へと向け狙いを定めた。
「くたばりやがれぇぇぇぇっ!」
少年が左手でトリガーを引くと、銃口へ魔力が集まり紫色に輝きだす。密度を持ったエネルギーを十分に力を貯め込むと、光の球となり竜の額へ向け一直線に飛び出した。
竜の目が光の球を認識するのとほぼ同時。飛び出したエネルギー弾は爆音と共に紫色の粒子を飛び散らしながら、爆ぜた――。
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