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♡浜辺北見はトレーの上でふんばるんば♡
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夏、お昼時、街のお弁当屋『出来立てほやほや』の店員、浜辺北美(26)はお弁当を作るために厨房へと向かった。
厨房に入ると棚に置かれたトレーを手に取り、床に置いた。そして浜辺北美はスカートの中に手を入れ、下着をくるぶしまで下ろした。
「どう、今日の調子は?」
店長の吉武が北美に聞いた。
「20食分、って感じですかね」
そう言うと北美はトレーの上にしゃがみ込み、下腹部に力を入れた。
「ふんばるんば!!」
トレーに山盛りになった茶色の食材を店長に見せる。店長が指で掬い、味見をする。
「うん、最高の出来だ」
お弁当の容器には白米が盛られていて、その横に出来立てほやほやを盛り付けていく。そして蓋をして、その蓋に北日の名前を書く。横で同じ作業をしているのは、店のエースの唐島芙美子だ。
「ふみさん、今日もすごいっすね」
「そうね、70食分ってとこかしら」
「すごいっすね」
名前を書いて店頭に出すっぱしから、飛ぶように売れていく。
「そう言えば店長、なみちゃんは?」
「ああ、外でさせてる」
なみちゃんは今日、今月に入って3回目の遅刻をした。3回遅刻すると、外で出させられる。客の前で。しっかりブラックな職場なのだ『出来立てほやほや』は。
「ちょっと、まだなの?早く買って帰らないと休憩時間終わっちゃうんだけど」
「ほら、牛乳あげるから」
まだ19歳の、あどけなさが残るオサゲの眼鏡っ娘のなみちゃんは、衆人環視の下、頬を赤らめながら炎天下、汗をかきながら外で踏ん張っている。足がプルプルしている。オツユだけが、トレーに滴り落ちる。
「もーちょい、もーちょい、おじさんが、掻き出してあげようか?」
そう言ったのはなみちゃんの常連の、金本義一(67)だ。
陽射しが今日1番の強さになった。汗が全身から吹き出している。
「あぁ、あぁあぁぁ!!!」
「ふんばれ!ふんばれ!!」
声援がなみちゃんの背中を押す。そしてついにその時は訪れる。
「ぶっふぉん!!!!!!」
なみちゃんは今までの最高記録、12食分を捻り出した。
街のお弁当屋『出来立てほやほや』は、街で働く多くの人の胃袋を支えている。そして『出来立てほやほや』もまた、多くの人によって支えられているのだ。
厨房に入ると棚に置かれたトレーを手に取り、床に置いた。そして浜辺北美はスカートの中に手を入れ、下着をくるぶしまで下ろした。
「どう、今日の調子は?」
店長の吉武が北美に聞いた。
「20食分、って感じですかね」
そう言うと北美はトレーの上にしゃがみ込み、下腹部に力を入れた。
「ふんばるんば!!」
トレーに山盛りになった茶色の食材を店長に見せる。店長が指で掬い、味見をする。
「うん、最高の出来だ」
お弁当の容器には白米が盛られていて、その横に出来立てほやほやを盛り付けていく。そして蓋をして、その蓋に北日の名前を書く。横で同じ作業をしているのは、店のエースの唐島芙美子だ。
「ふみさん、今日もすごいっすね」
「そうね、70食分ってとこかしら」
「すごいっすね」
名前を書いて店頭に出すっぱしから、飛ぶように売れていく。
「そう言えば店長、なみちゃんは?」
「ああ、外でさせてる」
なみちゃんは今日、今月に入って3回目の遅刻をした。3回遅刻すると、外で出させられる。客の前で。しっかりブラックな職場なのだ『出来立てほやほや』は。
「ちょっと、まだなの?早く買って帰らないと休憩時間終わっちゃうんだけど」
「ほら、牛乳あげるから」
まだ19歳の、あどけなさが残るオサゲの眼鏡っ娘のなみちゃんは、衆人環視の下、頬を赤らめながら炎天下、汗をかきながら外で踏ん張っている。足がプルプルしている。オツユだけが、トレーに滴り落ちる。
「もーちょい、もーちょい、おじさんが、掻き出してあげようか?」
そう言ったのはなみちゃんの常連の、金本義一(67)だ。
陽射しが今日1番の強さになった。汗が全身から吹き出している。
「あぁ、あぁあぁぁ!!!」
「ふんばれ!ふんばれ!!」
声援がなみちゃんの背中を押す。そしてついにその時は訪れる。
「ぶっふぉん!!!!!!」
なみちゃんは今までの最高記録、12食分を捻り出した。
街のお弁当屋『出来立てほやほや』は、街で働く多くの人の胃袋を支えている。そして『出来立てほやほや』もまた、多くの人によって支えられているのだ。
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