上 下
44 / 52

♡ 肛門にライトニングケーブルを入れている所すいません♡

しおりを挟む
「肛門にライトニングケーブルを入れている所すいません」

「はい」

「私のスマホの充電がなくなってしまいまして、充電させて貰うことは可能でしょうか?」

「あー、俺もスマホの充電切れちゃってさ、20%ぐらいまで回復するまで待って貰っていい?」

「ええ、それはもちろん」

 旅人はそう言って駅のベンチで男の充電を待った。

「どこから来たの?」

「函館からです」

「あーそー、どんぐらいかかるの」

「鈍行を使ったりしたので、12時間ぐらいですかねー」

「へー、じゃあ今日早起きだったんだ」

「はい、ちょっと眠たいです」

「少し寝てれば?ついでに充電もしといてあげるよ」

「本当ですか?」

「ホントホント、安心して寝な」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 旅人はそう言って男の肩に頭を預けて眠りについた。

 男は約束通りスマホの充電が20%に達すると、旅人のスマホと入れ替えた。

 旅人が寝息を立てている。男はスマホで写真を撮った。良い夢を見てたら良いなぁ。
しおりを挟む

処理中です...