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第5章 貴方の目で見る世界
5-1 隣にいない貴方*
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小さな物音でリアナーレの意識は浮上する。寝ぼけながら起き上がろうとするも、体が鉛のように重い。
「ごめんね。もう少し寝ていた方がいい」
仕事に行くつもりなのだろう。ベッド脇で身支度を整えていた男は、リアナーレの頭を撫で、額に慰めるような優しいキスをした。
じわり。体の奥から温かい何かが染み出して、リアナーレの胸を満たす。
まだ眠りの中で、幸せな夢を見ていたい。好きな人に愛される幸福に酔っていたい。
男の言葉に大人しく従って、リアナーレは再びシーツに身を委ねる。すぐにまた、微睡みへと落ちていった。
「リアナ様、おはようございます。といっても、もう昼過ぎですが」
二度目の覚醒ははっきりしていた。自室ではないはずなのに、ベッドの脇には聖女様つきのメイドが控えている。
「ルーラ、どうしてここに?」
「旦那様の命です。起きたらお世話をするよう言われております」
彼女は用意された椅子に座り、リアナーレが自発的に目覚めるのを待っていたらしい。
半裸の無防備な寝姿を見守られるくらいなら、さっさと起こして欲しかった。
そうさせなかったのは、隣で寝ていたはずの男だろう。
「セヴィーは……いないのか」
「出掛けられたようです」
執務室にいたとしたら、聖女様とメイドの会話を聞きつけて顔を出したに違いない。
気まずい思いをせずに済んでほっとした反面、寂しい気持ちもある。
もしかして、手に入れた瞬間冷めてしまったのだろうか。
それとも、固く目を閉じて彼任せだったのが良くなかったのだろうか。
リアナーレは腕に抱いた枕に顔を埋める。
執務室に引きこもっていることが多いセヴィリオも、仕事で外出することくらいある。偶然、出掛ける用事と重なったに違いない。
彼がいかに聖女様を溺愛しているかなら、嫌というほど知っている。不安を感じるだけ無駄だ。
「お体は大丈夫ですか?」
「少し痛むけど、大丈夫」
ルーラは痛み止めの薬を勧めたが、リアナーレは丁重に断った。
薬草から作られた伝統的な痛み止めは臭く、舌がよじれるほど苦い。あれを飲むくらいなら痛みを我慢する方を選ぶ。
昨晩リアナーレはついに、セヴィリオにキスの先を許してしまった。
誘拐事件以来、彼が日に日に憔悴していくのが分かった。
仕事が忙しいせいなのだろうが、顔色はいつも以上に悪く、今にも死にそうに見える。このまま放っておけば、本当に死人になるような気がした。
どうしたら彼を癒やすことができるのか、悩んだ末にリアナーレがたどり着いたのは、結局、聖女様の存在だった。
「君が生きて、僕を愛してくれていたら、何だって頑張れる」と彼は言う。
――本物の聖女様ではないけれど、私は貴方を愛している。だから、代わりになることならできる。
聖女様、彼を救うという約束を守るためです。許してください。少なくとも、見知らぬ男に誘拐され、汚されるより良いでしょう?
そんな言葉を頭に並べて、リアナーレは部屋へ送ろうとしてくれるセヴィリオを引き留めた。
冷静に振り返ると、全て自分本意の行いだったのではないかと、自己嫌悪に陥る。
聖女様の体を勝手に使いセヴィリオを騙したことへの罪悪感と、まやかしだとしても愛する人に求められたことの多幸感が胸の奥で渦巻いていた。
「あの、リアナ様……昨晩は、その……」
ルーラは聞きづらそうに言葉を詰まらせている。純粋培養の彼女でも、流石に察するだろう。
「……そうですね」
リアナーレはメイドにつられてもじもじと、変な口調で答える。
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れた後、ルーラは話を切り出す。
「ショックかもしれませんが、気を落とさないでください。旦那様は気にしていないご様子でしたよ」
「へ?」
メイドは憐れむような目でリアナーレを見ている。発言からしても、どうやら話が噛み合っていないようだ。
「昨晩、腹痛で浴室に籠もりきりだったと聞きました」
「はいっ!? セヴィーがそう言ったの?」
「はい。違いましたか?」
初心なメイドと気まずくならないよう、セヴィリオなりに配慮したつもりなのだろう。
それしても酷い作り話である。
もう少しマシな嘘をつけなかったのかと思いながらも、リアナーレはとりあえず話を合わせることにした。
「まぁ、そんなところ。トイレと一晩愛し合っていました」
「私はてっきり、お二人で熱い夜を過ごされているのかと。後学のために、色々と教えてもらおうと思ったのですが……」
リアナーレの脳裏に昨晩の情景がふっと蘇る。
セヴィリオは体のあちこちに唇を落とし、甘い言葉を囁きながら指を肌に滑らせた。
――リアナ、僕のリアナ。
余裕のない上ずった声で、彼は何度も名前を呼び、リアナーレはその度に泣きそうになる。
愛しい人と体を重ねているはずなのに、どこか悲しくて堪らない。
彼が求めているのが聖女様でなく、リアナーレ本人だったら、切なさなど感じなかっただろうか。
「私はリアナじゃないもの。愛し合える日なんて来ない」
「そんな……。リアナーレ様は、セヴィリオ様のことが好きなのですよね」
メイドの問いに、リアナーレは答えなかった。代わりに自嘲気味に笑う。
「ところでルーラ。後学のためにって、予定でもあるの?」
「え?! いえ、ありませんよ!? もっと先の、いつかの話です」
彼女の目は不自然に泳ぐ。リアナーレはピンときた。というより、これしかない。
「もしかして、相手はエルドだったりしない?」
「そ、そ、そ、そんな、エルド様が私を相手にするなんて、絶対にないです!」
ルーラは動揺に震え、手に持ったままだった痛み止めの液体を床にこぼした。
「エルドは止めておきなさい。女の敵だから。貴女にはフォードのような、真面目な男が似合うと思う」
「だから、違いますってば!」
ルーラは否定するが、大方エルドに言い寄られているのだろう。
悪い男ではないが、天性の女たらしだ。彼の本気度が分からぬ以上、付き合う相手としてはお勧めできない。
自分の犯した過ちのことを棚に上げて、後でエルドに百本くらい釘を差してやらねば、と思うリアナーレなのであった。
「ごめんね。もう少し寝ていた方がいい」
仕事に行くつもりなのだろう。ベッド脇で身支度を整えていた男は、リアナーレの頭を撫で、額に慰めるような優しいキスをした。
じわり。体の奥から温かい何かが染み出して、リアナーレの胸を満たす。
まだ眠りの中で、幸せな夢を見ていたい。好きな人に愛される幸福に酔っていたい。
男の言葉に大人しく従って、リアナーレは再びシーツに身を委ねる。すぐにまた、微睡みへと落ちていった。
「リアナ様、おはようございます。といっても、もう昼過ぎですが」
二度目の覚醒ははっきりしていた。自室ではないはずなのに、ベッドの脇には聖女様つきのメイドが控えている。
「ルーラ、どうしてここに?」
「旦那様の命です。起きたらお世話をするよう言われております」
彼女は用意された椅子に座り、リアナーレが自発的に目覚めるのを待っていたらしい。
半裸の無防備な寝姿を見守られるくらいなら、さっさと起こして欲しかった。
そうさせなかったのは、隣で寝ていたはずの男だろう。
「セヴィーは……いないのか」
「出掛けられたようです」
執務室にいたとしたら、聖女様とメイドの会話を聞きつけて顔を出したに違いない。
気まずい思いをせずに済んでほっとした反面、寂しい気持ちもある。
もしかして、手に入れた瞬間冷めてしまったのだろうか。
それとも、固く目を閉じて彼任せだったのが良くなかったのだろうか。
リアナーレは腕に抱いた枕に顔を埋める。
執務室に引きこもっていることが多いセヴィリオも、仕事で外出することくらいある。偶然、出掛ける用事と重なったに違いない。
彼がいかに聖女様を溺愛しているかなら、嫌というほど知っている。不安を感じるだけ無駄だ。
「お体は大丈夫ですか?」
「少し痛むけど、大丈夫」
ルーラは痛み止めの薬を勧めたが、リアナーレは丁重に断った。
薬草から作られた伝統的な痛み止めは臭く、舌がよじれるほど苦い。あれを飲むくらいなら痛みを我慢する方を選ぶ。
昨晩リアナーレはついに、セヴィリオにキスの先を許してしまった。
誘拐事件以来、彼が日に日に憔悴していくのが分かった。
仕事が忙しいせいなのだろうが、顔色はいつも以上に悪く、今にも死にそうに見える。このまま放っておけば、本当に死人になるような気がした。
どうしたら彼を癒やすことができるのか、悩んだ末にリアナーレがたどり着いたのは、結局、聖女様の存在だった。
「君が生きて、僕を愛してくれていたら、何だって頑張れる」と彼は言う。
――本物の聖女様ではないけれど、私は貴方を愛している。だから、代わりになることならできる。
聖女様、彼を救うという約束を守るためです。許してください。少なくとも、見知らぬ男に誘拐され、汚されるより良いでしょう?
そんな言葉を頭に並べて、リアナーレは部屋へ送ろうとしてくれるセヴィリオを引き留めた。
冷静に振り返ると、全て自分本意の行いだったのではないかと、自己嫌悪に陥る。
聖女様の体を勝手に使いセヴィリオを騙したことへの罪悪感と、まやかしだとしても愛する人に求められたことの多幸感が胸の奥で渦巻いていた。
「あの、リアナ様……昨晩は、その……」
ルーラは聞きづらそうに言葉を詰まらせている。純粋培養の彼女でも、流石に察するだろう。
「……そうですね」
リアナーレはメイドにつられてもじもじと、変な口調で答える。
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れた後、ルーラは話を切り出す。
「ショックかもしれませんが、気を落とさないでください。旦那様は気にしていないご様子でしたよ」
「へ?」
メイドは憐れむような目でリアナーレを見ている。発言からしても、どうやら話が噛み合っていないようだ。
「昨晩、腹痛で浴室に籠もりきりだったと聞きました」
「はいっ!? セヴィーがそう言ったの?」
「はい。違いましたか?」
初心なメイドと気まずくならないよう、セヴィリオなりに配慮したつもりなのだろう。
それしても酷い作り話である。
もう少しマシな嘘をつけなかったのかと思いながらも、リアナーレはとりあえず話を合わせることにした。
「まぁ、そんなところ。トイレと一晩愛し合っていました」
「私はてっきり、お二人で熱い夜を過ごされているのかと。後学のために、色々と教えてもらおうと思ったのですが……」
リアナーレの脳裏に昨晩の情景がふっと蘇る。
セヴィリオは体のあちこちに唇を落とし、甘い言葉を囁きながら指を肌に滑らせた。
――リアナ、僕のリアナ。
余裕のない上ずった声で、彼は何度も名前を呼び、リアナーレはその度に泣きそうになる。
愛しい人と体を重ねているはずなのに、どこか悲しくて堪らない。
彼が求めているのが聖女様でなく、リアナーレ本人だったら、切なさなど感じなかっただろうか。
「私はリアナじゃないもの。愛し合える日なんて来ない」
「そんな……。リアナーレ様は、セヴィリオ様のことが好きなのですよね」
メイドの問いに、リアナーレは答えなかった。代わりに自嘲気味に笑う。
「ところでルーラ。後学のためにって、予定でもあるの?」
「え?! いえ、ありませんよ!? もっと先の、いつかの話です」
彼女の目は不自然に泳ぐ。リアナーレはピンときた。というより、これしかない。
「もしかして、相手はエルドだったりしない?」
「そ、そ、そ、そんな、エルド様が私を相手にするなんて、絶対にないです!」
ルーラは動揺に震え、手に持ったままだった痛み止めの液体を床にこぼした。
「エルドは止めておきなさい。女の敵だから。貴女にはフォードのような、真面目な男が似合うと思う」
「だから、違いますってば!」
ルーラは否定するが、大方エルドに言い寄られているのだろう。
悪い男ではないが、天性の女たらしだ。彼の本気度が分からぬ以上、付き合う相手としてはお勧めできない。
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