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2巡目
第11話 最悪の結末
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グレゴリオ暦…何年だったかしら?なにせ日記を書くのは久しぶりだからね。王子とお嬢様…いえ、今は王女と呼ぶべきね。彼らが結ばれて数年と経ち、ご子息も数人めでたく頂き、平和に暮らしている。私はというと世界初の女性外交官という立場で現在進行中で活躍している…自分で言うのもなんだけどね。軍部の偉い人を夫に持ち、今やかなりの権力を持っている。ここまで来るのにも相当の苦労があったのだけれど、問題はまだ残っている。アリア様が予言していた日…戦争開戦日が今日なのだ。だから、何か残そう…もしくは何らかのきっかけを探してやろうと状況を確認しているって訳……
「そういえばこんなこと前にもあったわね…」
「失礼いたします!」
「どうかなさいましたか?」
「今日の報告書を」
「ご苦労様です、下がっていいですよ」
部下が部屋を出る前に急いで中を確認する。返答も少し食い気味で彼困ってたな…申し訳ない。しかし、他人を気遣うなんて出来ないほどに焦っていた。言うなれば今日を乗り切れば何とかなる。何十ページとある書類を数分で速読した。
「や…やった…やりとげた!」
平和で順調な外交状況が書かれているだけだわ。これで…これでアリア様も私も…生存、もといハッピーエンドだわ!急いで報告書をまとめてアリア様へ届ける。きっと彼女も気が気じゃないから早くして欲しいなぁ…
「やだ、小じわがまた増えたわ」
鏡を見ながら愚痴をこぼす。私ももう中年と言われる年代になってしまったわ。あの日を越してから平和な日々が続いている。我が国の成長は緩やかだけど着実に進んでる。あの神が介入してくることもなく、ここまで来れた。とうとう諦めたようね!確定って言ってもいいわ!それにどんなことあっても対応してみせる!
「コピア外交長官!!」
「どうしたの?」
「我が国への…宣戦布告が届きました!」
「なんですって……!」
何が何でもやってくるってのね…だけど、まだ宣戦布告。こっちだって伊達に年を取ってないわ。
「すぐに軍備増強しなさい、開戦時期はいつなの?」
「そ、それが……」
「早く答えて」
「…今日です、開戦は」
驚きの声は爆発音でかき消された。思った以上に速い到着だわ……そうだ、王女様!アリア様の安全が重要…
「行かなくては」
「どこへ行くのですか!コピア長官!!」
「アリア王女様!!」
「コピア?久しぶりね」
「そんなこと言ってる場合ですか!」
「外の軍勢のこと?いずれ来るとは覚悟していたわ」
「なんでそんなに落ち着いていられるのですか!」
「もういいわ、コピア……この数年本当に幸せだった」
「何を…」
「これで私…この国の…あの人たちの笑顔のために犠牲になる覚悟が出来たのですもの」
「待ってください…待って!」
「さようなら、コピア…」
彼女は身を投げた。炎上する庭に身を投げた…笑顔で…
「そういえばこんなこと前にもあったわね…」
「失礼いたします!」
「どうかなさいましたか?」
「今日の報告書を」
「ご苦労様です、下がっていいですよ」
部下が部屋を出る前に急いで中を確認する。返答も少し食い気味で彼困ってたな…申し訳ない。しかし、他人を気遣うなんて出来ないほどに焦っていた。言うなれば今日を乗り切れば何とかなる。何十ページとある書類を数分で速読した。
「や…やった…やりとげた!」
平和で順調な外交状況が書かれているだけだわ。これで…これでアリア様も私も…生存、もといハッピーエンドだわ!急いで報告書をまとめてアリア様へ届ける。きっと彼女も気が気じゃないから早くして欲しいなぁ…
「やだ、小じわがまた増えたわ」
鏡を見ながら愚痴をこぼす。私ももう中年と言われる年代になってしまったわ。あの日を越してから平和な日々が続いている。我が国の成長は緩やかだけど着実に進んでる。あの神が介入してくることもなく、ここまで来れた。とうとう諦めたようね!確定って言ってもいいわ!それにどんなことあっても対応してみせる!
「コピア外交長官!!」
「どうしたの?」
「我が国への…宣戦布告が届きました!」
「なんですって……!」
何が何でもやってくるってのね…だけど、まだ宣戦布告。こっちだって伊達に年を取ってないわ。
「すぐに軍備増強しなさい、開戦時期はいつなの?」
「そ、それが……」
「早く答えて」
「…今日です、開戦は」
驚きの声は爆発音でかき消された。思った以上に速い到着だわ……そうだ、王女様!アリア様の安全が重要…
「行かなくては」
「どこへ行くのですか!コピア長官!!」
「アリア王女様!!」
「コピア?久しぶりね」
「そんなこと言ってる場合ですか!」
「外の軍勢のこと?いずれ来るとは覚悟していたわ」
「なんでそんなに落ち着いていられるのですか!」
「もういいわ、コピア……この数年本当に幸せだった」
「何を…」
「これで私…この国の…あの人たちの笑顔のために犠牲になる覚悟が出来たのですもの」
「待ってください…待って!」
「さようなら、コピア…」
彼女は身を投げた。炎上する庭に身を投げた…笑顔で…
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