魂術師(ソウルテイカー)は産廃最強職!

トリカブト

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序章

第20話 快進撃?の申し出

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 唐突の申し出にたじろいだ僕が返答に戸惑っていると、ヘリオは有無を言わさないように馬車へ向かうように促した。確かに、強欲帝の支配下までクラウソラスが手を出すとは思えないが‥‥さっきの奴らもLWDとか言うのに所属している人達なら安全とも言えない。それに、なんで僕たちの顔を知っていたんだ?そんなことを考えていると、ヘリオは戸惑っている僕に少し苛立っているのか手を引いて馬車へと向かわせる。

「少し待ってください!」

「なんだ、もしや行かないと言うのか?」

「そうは言ってないですよ、だけど‥‥」

「あぁ‥‥なるほど、あいつらのことが気になると言うのか、まぁ俺たちのギルドは無法地帯みたいな所があるからな、安全とは言わないぜ?」

「なら、うっ‥‥」

「おい、どうしたんだ、おい!」

 意識が遠くなる‥‥あぁ、そうか、時間切れだ‥‥後は、サミエムに頼むしか‥‥な‥‥い‥‥



 ガタガタと揺れる床、誰かの喋り声‥‥この声は、サミエムとヘリオか?なんの話をしているんだろ‥‥

「というか、ここどこだ?!」

「気が付いたか、灰崎!」

「おう、ここは馬車の中だ?旦那」

「あの後大変だったんだぜ、寝ちゃった灰崎を馬車まで運んできたはいいものの、眠ったままだから飯とかも食わせらんないし、そうだ、腹減ってないか?」

「確かに、空腹だが‥‥僕は、何日くらい寝ていたんだ?」

「1日半くらいだな、そうだ、倒れる前にしそびれた話をしてやろう」

「はい、お願いします」

「俺たちのギルド、LDWでは情報伝達魔法がかけられたこの特殊な基盤が配布されている、これで通常ではありえない速度で情報が行きわたる、だから、旦那たちの顔も知られていたってことだ」

「それって、僕たちは常に狙われ続けるってことですか?」

「安心しろ、これについては対策してある」

「なるほど、頼りになりますね‥‥」

「はは、俺がタダ働きするような奴と思いますかぁ?」

「まさか‥‥!」

「ごめん、灰崎」

「はぁ‥‥仕方がない、僕が倒れた理由を誤魔化すってのも通じるとは思えない」

「まぁ悪い様にはしねぇよ」

「だと良いんですがね‥‥」

「もうすぐ夜だ、今日はこのくらいにしようか、馬車を止めて眠るとしよう」

「そうだな、ヘリオのおっさん!」

 そういうと慣れた手つきで彼らが、テントを張りだした。ヘリオはともかく、サミエムは1日でこのくらい出来るものなのか‥‥意外と簡単なのか、要領がいいのか。とりあえず後者はないかな?

「灰崎~お前を手伝えよ~」

「ごめん、考え事してたよ」

「もしかしてテントとか張ったことないのか?いいぜ、俺が教えてやるよ、屋敷を出てから最初に覚えたことだから、慣れたものなんだぜ!」

「へぇ‥‥じゃあ、教えてもらおうかな」

「任せろ!」

 日が沈みだし、周囲に寒さが出始めた頃、慣れない僕が教えてもらいながら張ったテントがようやく出来た。もうヘリオは自分のテントで寝ているし、サミエムは薄ら笑いを浮かべながら、テントへと潜り込んでいった。はぁ、今度は上手く出来るように練習しよ‥‥



 翌朝、あまり眠れなかった僕がテントから這い出して来ると、外は美味しそうな匂いがしていた。どうやらヘリオが朝食の用意をしているようだ。

「うん?旦那、起きたのか?」

「はい、あまり眠れませんでしたが‥‥」

「なんだ?野営は初めてか?」

「えぇ、まぁ‥‥」

「時期に慣れるさ、旦那の相棒も貴族のせがれのくせにぐっすり眠っているだろ?」

「確かに‥‥」

「ふぁぁ、なんだよ‥‥もう朝か」

「噂をすればだな、さっさと食って出発するぞ、今日で目的地に着く」

 ヘリオは湯気が立っている美味しそうな料理を差し出してくる。それを受け取り、一口食べてみると、予想以上に美味しくて、柄にもなくがっついた。彼らは、意外だったのか、少し困惑の色を出していたが、さっさと食べ始めた。



 食事を終えて、馬車に乗って数時間が経ち、日が真上に差し掛かった。まだかかるのか?というか、本当に着くのか?段々と疑いの考えが浮かんだ僕は、周りを見渡す。一面の荒野‥‥こんなところに統治者が住むとは到底思えないんだが‥‥

「あのヘリオさん?」

「‥‥見えてきたぞ、あれがラクスウェルだ」

 彼が指さす方向を見ると、確かに何かが見える。あれは‥‥街?!しかも、かなり大きい。おおよそ人が住みにくい地形なのになぁ‥‥強欲帝、一体どんな奴なんだ?というか、街の方向から飛んできている物はなんだろ?もしかして‥‥大砲か?!不味いじゃないか!

「しっかり捕まっていろ、スキル発動、ウィンドエンチャント‥‥風列斬!」

「すげぇ!玉が軌道を変えて行くぜ」

「全く、面倒な仕来りというか何というか‥‥」

「仕来り‥‥これってわざとなんですか?」

「そうだぜ、兄ちゃん」

「誰だ!」

「そう怒るなよ、坊ちゃんよぉ?」

「ご、強欲帝様!」

「えっ?」

「おっ、ヘリオじゃんか、任務ご苦労ちゃん!」

「な、なんでこんなところに‥‥」

「決まってるじゃんか、俺たちの敵ってどんな奴か気になってね‥‥それで、どっちが灰崎君なの?」

「僕が灰崎零‥‥です」

「ふーん‥‥なるほど、嘘ではなさそうだな、そういう色してるぜ、多分」

「色‥‥もしかして、あなたも同じ能力を?」

「はっはっは、そんな便利なもの持ってなかったよ」

「‥‥?」

「よし、灰崎君とアレクシエルの坊ちゃん‥‥単刀直入に言おう、俺の野望‥‥世界掌握を叶える手伝いをしろ、暴食帝の首を取ってくれ!」

突飛な申し出は果たして僕たちの快進撃となるのか?
                                【序章完結】
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