魂術師(ソウルテイカー)は産廃最強職!

トリカブト

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暴食の章

第22話 クラウソラス研究所探索

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 魂術とは、生命の根源である魂を操る呪文系統のことをいい、人間が自然で獲得出来る免疫では防御不能の最強の攻撃である。しかし、その効果には余りあるほどの厳しい条件が付きまとう…ダメだ、本当に基礎的な情報ばかりしかない。かと言ってこれ以外は難しくて…

「うん?魂縛石の使い方…これか!」

 魂術で得た魂縛石(こんばくせき)は一般人を含め、未熟な魂術師では使用することすら出来ない。熟達した者しか使用出来ないが、その効力は恐ろしいほど強力である。ここでは主な使用方法を幾つか紹介する。まずは、魂を同化させることで対象の全てを支配することが出来る。通常、精神支配をするとどこかしら不具合が出るのだが、魂縛化させた対象と同化することでそれが無くなり、100%の力を引き出すことが出来る。次にモノへの魂定着化。これは物体に魂を付与するというオーソドックスな使い方であると共に、前者の技術を使えば、禁術である生命の完全支配も夢ではない。しかし、倫理観的に……

「…眠くなりそうだ」

「おーい、何か分かったか~?」

「とりあえず今ある呪文では業務は…」

「そうか…あっ、地下室に呪文書が大量にあったぜ」

「呪文書?」

「知らないのか?」

「全く…」

「いいだろう、このサミエム先生が教えてしんぜよう!まず……」

 そこからは要領を得ない自慢話のような彼の授業が続いた。要するにスキルや呪文を覚える種類は大きく分けて2種類。冒険者ギルドでレベルを上げるか、他人から教えてもらうかである。前者は割愛して、後者は大抵の場合、技術の指南書のようなものがあって、呪文だったら呪文書と呼ばれているらしい。つまり、それを読めば業務は出来るくらいには魂術が使えるようになるとのことだった。

「聞いてるのかよぉ」

「え?聞いてますよ」

「いや、聞いたなかった!俺の勘がそう言ってる!もう一回……」

「地下室行ってきますね」

「おい、待てよ!あそこは……」

「地図は持ってますから大丈夫ですよ!じゃあ」

「……行っちまった、全く話を聞かないで大丈夫なのか?あれは割とキツイと思うんだが」



 ありがたい授業を抜け出して地下室へつながる階段を探している……が、どこにも見当たらない。いや、場所的にはここであってるんだが、何も無いという方が正しいだろう。地図の書き間違いだろうか?

「待てよ、こういうの前にもあったような…あっ!」

 埃の被った壁を触りながら調べると、何か不自然な出っ張りがある。やっぱりだ…呪文書とは、とどのつまり自身の研究結果の賜物で、奪われれば積み上げてきた地位も奪われかねない。そんな大切なものをその辺にポンと置いとく訳ない…まぁ、受け売りだし、サミエムにあっさりと見つけられているが…埃まみれの手を軽く払い、隠し扉の先へと進む。




 思ったよりも階段は少なく、地下室にはすぐ着いた。

「しかし…なんだこれは」

 埃が被っている呪文書らしきものを手に取って読んだが、汚い字で落書きされたものばかりだ。とても読み取れるものじゃない…一種のカモフラージュなのだろうか?にしても全く読み取れない。まだ奥にも道が続いているし、そこだったら…

「うっ、これは…」

 肉の腐敗臭がする…あの鼻につんと来る嫌な臭いだ。思わず吐き気を催すが、汚したら自分で掃除しなくてはならないから必死に口を抑える。どうやら本にあった魂の完全支配?を行っている内に死んでしまったのだろう。クラウソラスらしいっちゃらしい。通り過ぎようとしたら死骸の中に何か光るものが…ちょうどお腹のあたりだ。魂縛石ではないが綺麗な石だ。臭いは度し難いが…

「そうだ…この部屋自体がカモフラージュなのでは?」

 ライゼンの時も二重でカバーしていた。何だっけ…時間の流れを変える魔術を使用してるとか何とか…なら、あいつの場合は?魂術の応用なんて分からないし、どうすれば…そういえば指をならして転移することが多いような気が…何もヒントが無いんだ、ならすしかないだろう。指をこすり合わせ、パチンと音を立てる。すると、一瞬で場所が変わる。大量の書物にあのおぞましい杖の設計図がでかでかと…

「本当の地下室にたどりつけたんだ!やったぞ!」

 これであいつの研究結果もこれからの業務も何とかなるだろう。その安堵感からかずっと片手から臭うあの石のせいか分からないが、昨日食べた料理が喉元まで戻ってきた。
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