魂術師(ソウルテイカー)は産廃最強職!

トリカブト

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嫉妬の章

第26話 決着の奇策

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 地響きが続くラベンスト中央区の時刻は月が傾いてきた頃、僕たちは最後の戦いに打って出る!という前置きを散々してきて全く進まない戦況に少し苛立ちを覚えるが、今度こそは終わってくれるだろう。両者共に奥の手まで出し切った状態だと思いたい。はっきり言って眠い!戦いの疲れからか朝型の生活サイクルが崩れたからか…

「灰崎、魔力はどれくらい残ってる?」

「…多いとは言えないけどまだあるよ」

「そうか、俺大丈夫かな…」

「数十秒はもつから大丈夫だよ」

「……そうだよな、援護もあるからいけるはず」

 僕は励ますことしか出来ない。だって、サミエムがこの作戦の要だからだ。それに…1番リスクがある役割だと思う。緊張するのは当たり前だろう。

「こっちは準備万端だ!」

「いつでも行けるぜぇ」

「サミエム、時間だよ」

「…おっし!いっちょやってやりますか!!」

「ソウルアーマー!」

 ヘリオの奇策、それはサミエムの持つ秘剣つばめ返しと僕の持つ最強のバフであるソウルアーマーを掛け合わせ、目にも止まらぬ斬撃で中央突破するというものだった。ここからカトルのいる場所まではそう遠くない。それに血まなこで逃げた僕たちを探して、屋上に出ている。絶好のチャンスである。距離数百、半分を過ぎたかどうかの時に奴は高速接近するサミエムが発見された。

「ようやくお出ましか…獄炎!」

「させないぜぇ、アイスブロー!」

「くっ、忌々しい!夜天…なんだ、急に加速して!」

「ウォォォ!!貴様の喉元まで一直線だぜ!」

「舐めるな、小僧!合技、獄門殴殺ごくもんおうさつ!」

「食らうかよ!」

「なに…避けただと?!」

「トリプルエンチャント…秘剣つばめ返し光!!」

 カトルは必死にイージスを構える。サミエムが攻撃を仕掛けたが、それは全て虚しく最強の盾に吸い込まれていった。奴が高笑いをしようと盾を下げたその時、後方から凄まじい光線に包まれる。そう、全ては計画通りだったのである。光線の正体は暴食帝の弓から放たれた一撃だ。超火力が威力減衰しないとはいえ、イージスに阻まれてしまっては意味がない所か、あちらのパワーアップになってしまう。だから、囮を用意したのだ。今持ち得る最大火力を…ちなみにサミエムの安否だが、この攻撃の中で安全地帯が1つある。それはイージスの後ろである。ソウルアーマーがなくても彼なら簡単に隠れられるだろう。

「なんだと…!」

「チッ、化け物が!!」

 カトルは生きていたのだ。息も絶え絶えで、しっぽの全てと片足を失いながらも立っていたのだ。これほど絶望的なことはない。奴の持つ盾には暴食帝の弓から撃たれた攻撃に加えてサミエムの攻撃まで吸収されている。あれを反射されたら僕たちに勝ち目はない!

「はぁ…はぁ…イージスよ!その身に宿る全ての力を反射せよ!!」

「そうはさせねぇ!俺の過去を超えるために…守れなかった自分を超えるために!!俺は全てをこの一撃に賭ける!!オールエンチャント……天蓋の剛撃てんがいのごうげき!」

 ヘリオの放った渾身の剣は盾を持っているカトルの腕を切り落とした。盾は勢いのまま跳ね上がり、今まで溜め込んだ力をあろうことか嫉妬帝自身にぶち込んだ。絶命の声も聞こえず、奴は灰すら残らなかった。それぞれに喜びの声をあげる僕たち。その中でも1番喜んでいたのはヘリオだろう。過去のトラウマを乗り越えて、勝利の決め手になる計画を立てたのだから。僕は急いで皆の元に向かっていく。まずは感謝と謝罪をしなきゃいけない。疑って申し訳ないと…あとは何を話そう……一発で決める強欲帝の話かな?事前練習なしの一発勝負で決めるセンスの高さについて話そう。そんな僕の淡い希望は血しぶきと共に消え去った。
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