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怠惰の章
第9話 踏んだり蹴ったり
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どこまでも続くこの穴で僕は果たして落ちているのか違うのか…いや、風の感覚から絶対に落ちているのは間違いない。しかし、暗い闇という表現がここまで似合う状況もないだろう。上ではどんなことになっているだろうか…
「……あれは!」
光だ!ようやくこの長い落下から逃れられる!……と喜んだのも束の間の話だった。落下の終わりということは、地面が近づいているということ。つまり、死が恐ろしい速度で迫ってきている状況に立たされている。血の気も引ける結末が簡単に頭に浮かんでくる。どうする…って考える時間なんてない!まずは防御魔法を唱えて…いや、そんな魔法はない!MPもそこを突きかけている!体力もない…
「諦めるしかないか」
万策尽きたとはこのことだろう。現実を受け止め、近づいてくる地面を見定める。無慈悲にもどんどんと大きくなってくる光の中、最初の既視感を思い出す。そうだ、夢ではこの後植物がクッションになって生還したんだった。じゃあ僕も助かるのでは?希望を持てるのでは?
「でも、夢での話だ…」
口では諦めたような事を言いつつ、僕は必死に助かる希望が叶うように祈っていた。そして、遂に光は全てを包み込んだのだった。
「…痛ってぇ!!」
葉っぱの青臭さと痺れるような痛みが全身にまとわりつきながらも僕は生きていた。しかし、夢で見た状況がまさか現実になるとは思いもしなかった。こんなこと二度もないだろうな。ちょっと自慢になるかな…全然うれしくないのは置いといてだけど。
「おい、誰だ!」
遠くの方で茂みが揺れている音がする。逃げなくちゃ…でも、身体も動かない。恐らく怠惰帝の私兵だろう。僕は敵として認識されているのか?いや、情報網の薄さは怠惰帝の弱点だって話も聞いている。なら、敵として見られないだろう。
「あ、怪しいものではないんです!」
「怪しくない奴ならそんなこと言わないだろう!そこで待っていろ!」
その通りだけど…まぁあっちから近づいてきてくれるならいいか。揺れの音がだんだん大きくなるのが聞こえて、遂に頭の上まで来ると
「おい…どうやら上から落ちてきたんだな」
「そうなんです、良ければ助けてくれますか?」
「お前敵だろ?」
「え?」
何でバレたんだ?いや、敵対関係はないけども基本的に帝王たちの関係はあまり良くないってガシューが言っていた…つまり、僕も敵と言うのはあながち間違いではないか…って分析している場合じゃない!
「違う!」
「嘘だな、この穴は精霊王から通じているものだ」
「精霊王?」
「とぼけるな、ガーディアンの中で一番強い者だ!それに人間を毛嫌いしている奴のことだ、絶対に友好的な入国が出来るはずない!」
「…確かに彼とは敵対していた、だけど!」
「問答無用だ!連れて行くぞ!」
「待ってくれ、話を…」
「おーい、手伝ってくれ!!」
必死の弁解も虚しく僕は捕虜として捕まえられるのであった。
「さて…拘束具も着けたことだし、回復してやろう」
「…そりゃどうも」
「それでどこの国のものだ?」
「…強欲帝です」
「遂に戦争を始めやがったのか!それで我々を真っ先に潰そうって算段か」
「違うんだ!僕はここに同盟を結びに来たんだ!」
「同盟…?ふん、どうせだまし討ちの隷属関係に陥れるつもりだろう!」
「そんな頭ごなしに否定しなくても…」
「もういい、それで仲間はどこなんだ?」
「さぁ…多分すぐには来ないだろう」
「じゃあそれまでお前はここで収監だ!」
看守は怒りながら外へ出ていった。しかし、ここは本当に牢獄なのだろうか?掘っ立て小屋を増築したような明らかに間に合わせたような造りだ。もしやこの国には牢獄がないのか?だとしたら無法地帯…もしくは完全な理想郷とかかな。どちらにしてもろくな目に遭いそうにない。
「あぁ…早く神器を持って来てくれ、サミエム…」
「……あれは!」
光だ!ようやくこの長い落下から逃れられる!……と喜んだのも束の間の話だった。落下の終わりということは、地面が近づいているということ。つまり、死が恐ろしい速度で迫ってきている状況に立たされている。血の気も引ける結末が簡単に頭に浮かんでくる。どうする…って考える時間なんてない!まずは防御魔法を唱えて…いや、そんな魔法はない!MPもそこを突きかけている!体力もない…
「諦めるしかないか」
万策尽きたとはこのことだろう。現実を受け止め、近づいてくる地面を見定める。無慈悲にもどんどんと大きくなってくる光の中、最初の既視感を思い出す。そうだ、夢ではこの後植物がクッションになって生還したんだった。じゃあ僕も助かるのでは?希望を持てるのでは?
「でも、夢での話だ…」
口では諦めたような事を言いつつ、僕は必死に助かる希望が叶うように祈っていた。そして、遂に光は全てを包み込んだのだった。
「…痛ってぇ!!」
葉っぱの青臭さと痺れるような痛みが全身にまとわりつきながらも僕は生きていた。しかし、夢で見た状況がまさか現実になるとは思いもしなかった。こんなこと二度もないだろうな。ちょっと自慢になるかな…全然うれしくないのは置いといてだけど。
「おい、誰だ!」
遠くの方で茂みが揺れている音がする。逃げなくちゃ…でも、身体も動かない。恐らく怠惰帝の私兵だろう。僕は敵として認識されているのか?いや、情報網の薄さは怠惰帝の弱点だって話も聞いている。なら、敵として見られないだろう。
「あ、怪しいものではないんです!」
「怪しくない奴ならそんなこと言わないだろう!そこで待っていろ!」
その通りだけど…まぁあっちから近づいてきてくれるならいいか。揺れの音がだんだん大きくなるのが聞こえて、遂に頭の上まで来ると
「おい…どうやら上から落ちてきたんだな」
「そうなんです、良ければ助けてくれますか?」
「お前敵だろ?」
「え?」
何でバレたんだ?いや、敵対関係はないけども基本的に帝王たちの関係はあまり良くないってガシューが言っていた…つまり、僕も敵と言うのはあながち間違いではないか…って分析している場合じゃない!
「違う!」
「嘘だな、この穴は精霊王から通じているものだ」
「精霊王?」
「とぼけるな、ガーディアンの中で一番強い者だ!それに人間を毛嫌いしている奴のことだ、絶対に友好的な入国が出来るはずない!」
「…確かに彼とは敵対していた、だけど!」
「問答無用だ!連れて行くぞ!」
「待ってくれ、話を…」
「おーい、手伝ってくれ!!」
必死の弁解も虚しく僕は捕虜として捕まえられるのであった。
「さて…拘束具も着けたことだし、回復してやろう」
「…そりゃどうも」
「それでどこの国のものだ?」
「…強欲帝です」
「遂に戦争を始めやがったのか!それで我々を真っ先に潰そうって算段か」
「違うんだ!僕はここに同盟を結びに来たんだ!」
「同盟…?ふん、どうせだまし討ちの隷属関係に陥れるつもりだろう!」
「そんな頭ごなしに否定しなくても…」
「もういい、それで仲間はどこなんだ?」
「さぁ…多分すぐには来ないだろう」
「じゃあそれまでお前はここで収監だ!」
看守は怒りながら外へ出ていった。しかし、ここは本当に牢獄なのだろうか?掘っ立て小屋を増築したような明らかに間に合わせたような造りだ。もしやこの国には牢獄がないのか?だとしたら無法地帯…もしくは完全な理想郷とかかな。どちらにしてもろくな目に遭いそうにない。
「あぁ…早く神器を持って来てくれ、サミエム…」
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