船と共に

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No.1

26 そこそこ大魔法を間近で見た

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ネームレスが現れた事で、俺とマリアと侍女の活動範囲が限定された。
それまでは侍女のみんなが船の全域を掃除して回っていたが、操舵室と各人の個室がある辺り、その他の生活に必要な設備が集まった辺りだけを維持管理するように変更された。
そして活動範囲を超える所に行く場合はハバキ達戦闘能力を持つ者を最低2名以上連れて行く事が徹底される様になった。
「この結解石ってのは置いておくだけでネームレスが湧かなくなるの?モンスターも?」
「結解石は、転送移送魔法の阻害を目的として作られたもので、自然発生するモンスターは止められないが、それは人が多く居る場所ではほぼないのでこれで対策は十分だと思われるが…」
「完全って訳ではないんだな?」
「あぁ。このあいだネームレスが湧いたが、それが人為的な行為を元にした現象であれば問題無いが、この船自体に問題があって、魔素が他の世界に対して漏れる様な穴が開いているとすれば、これからも自然に沸く可能性がある」
魔素が漏れる穴?
「その穴ってのがどんな感じなのかよく分からんが、それって塞げないのか?魔法的なバリアとか栓みたいな何かを打ち込む様な方法とか」
「世界に開いた穴をどうにかするにはこの世界を包む何かを使って栓をする必要がある訳で、その包む何かってのは私達には認知できない。というか、穴が開くと言葉で説明してはいるが、それが本当に穴なのか変質した空間なのかそれ自体がどのような理で存在しているのかが分からないのでどうにもならないんだ。だから今のところは対処方法はない。ただ、ネームレスが湧く原因って言うのは…まぁこれは私とラウリーがそうだと思ってる説でしかないが、自然に出来た魔素の漏れる穴から異空間に流れ出た魔素が原因で通路が繋がったのではないかと考えている。その魔素の通路を落ちてきた生物が急に魔素にさらされて生態を狂わされた結果、あのような生物として中途半端な姿で現れるのではないかと思われる」
魔素の漏れた通路…か。それって俺の見た虹色の海の事を言ってるのかもしれないが、ネームレスになるには薄い魔素に晒される事が原因でモンスターになるには強い魔素にさらされる必要がある。じゃぁ俺とマリアが人の姿のままこの世界に来れたのは、運よくちょうどよい魔素に浸かっていたから?
船の船倉とそのすぐ近くの待機室に居たから人のままここに来れたって事か?
でもコンテナの中に送られた連中はモンスターになった…という事は、移送するキーになる何かが発生する魔素の発生源と人の間にコンテナ程度の仕切りがあるならば、あっちの世界からこっちの世界に人の姿のまま来れるって事か?

「まぁそんな状態ではあるが、ネームレスの自然湧きの対策方法がないわけでもなくてな」
「船の中を安全にする方法があるならそれをしたらいいと思うが、何か問題があるのか?」
「あぁ。自然湧きの対策方法だが、その穴の位置を定期的に移動させれば、それだけで漏れた魔素が異世界にたどり着いてもその間に通路が出来る事が無いのでネームレスが湧かないと思われる。というかそうなると俺とラウリーは考えている」
なるほど。漏れ出た魔素が異世界にまで流れてたどり着くからそこに道が出来る。漏れ出る元の穴が動くならば、道が出来るような事は無いと。特に無理のある説って訳ではないな。
「でもそれってその穴は大黒丸が動いたら一緒に移動するのか?そこにあり続ける訳じゃないのか?」
「あぁそれは大黒丸について移動するのは間違いない。これまでに何度か大きな石などがネームレスの出現ポイントになった事があって、それを破壊しても普通に欠片から湧いたので、その欠片をよそに動かして確認してたら動かした石からはネームレスが湧かなくなったんだ。でもそれは最初だけだった。動かした先でネームレスが再度湧く状態になってな。その後それらのネームレスの湧く石をひとところに集めて異界に転送する事で何とか収めたといった事があってな」
「そうか…それなら大黒丸を動かし続ければいいって訳か」
「そう。だから簡単には選択できなくてな。でもな、つい先日大黒丸を動かす為の朗報になりえる一報が届いた」
まさか?
「石油が見つかったのか?」
「あぁ。こんな情報を持って戻った者がいたので、ほぼ間違いないだろう」
ハバキが魔法を使って他の飛天翔族から受け取ったらしい5感情報を伴う記憶を見せてくれた。

俺に見えた景色は荒野の様な場所に黒い泡が定期的に沸いている真っ黒なそこそこ大きな水たまり。水たまりではないか、原油だまり。
臭いもガソリンや軽油などの刺激臭をもう少し濃くした感じで、手で触れた触感はヌメヌメヌルヌルとした油特有の質感だった。
「マジか…本当に見つかったんだな。それなら精製方法さえ確立できれば大黒丸で動き続ける事が出来るって事だな」
「その精製方法に関してだが、この石油が湧いている辺りでは昔からそれを燃料として使っていたらしく、ある程度の種類の燃料が精製されている様だ。だから一回現地に行って確認した方がいいだろう。それで、その場合には移動する方法がチョットばかり問題になる訳でな」
「そこには大黒丸で直接行けないのか?」
「あぁ。石油の湧く地域ってのが少しばかり内陸部にある。近くの海岸から俺達の移動速度で休憩を含んで大体2日ほどの距離だ」
ハバキ達飛天翔族は瞬間最大速度が時速で40km/h程度。陸地での巡航速度だと時速で20km/h程度かそれ以下。休憩が出来ない場所を移動するならば、更にその半分程度で移動しないとあっという間に飛べなくなる。一応陸地を移動する飛天翔族の移動速度を基準にするのであれば、半日移動して休憩も考慮するならば大体1日100km~150km程度の様だ。獣車などの移動速度に比べたら3倍程度の速度になる。ただし、休憩時間と連続移動時間に違いがあるので実際に日割りで差を見れば2倍程度の差になる。そんな速度で2日の距離を移動するのであれば、俺達が今すぐ選べるのが獣車となり、4日から余裕を見て5日程度の時間がかかるという事だ。
「できればEVビークルを使いたいな。そういえばラウリーさんが置く様に言ってた石の塩梅はどうなんだ?あれからけっこう経ったと思うが」
「あぁ、そこらは最近バタバタしていて放置してたが、そろそろ移送してもらえそうな感じになってるはずだから今日確認してみよう」
車で移動できるのであれば、そこそこ舗装されているのが前提になるにしても、1日200km程度は軽く移動できるはずだ。大黒丸の移動速度の倍だせるとまでは言えないが、海路で行くよりかなりのショートカットになるはずなので、荷を運ぶわけではなく確認に行くのであれば、そこそこ早く現地へ行けるはず。
その後ハバキがコンテナの魔素の充填量を確認したところ、移送の魔法が使える状態になっていたらしく、急ぎEVビークルを移動させてしまおうという事になった。

「いやしかしこうして現地に来てみるとでっかいのぉ」
ラウリー爺さん大喜びであった。

あちこちに魔法をかけて何かを調べているが、俺の目に映るラウリー爺さんはこの間会った時の見え方と全く違う感じに見えている。前回見た時は単に年老いた爺さんにしか見えなかったのだが、今俺の目にはその爺さんの周囲にそれなりに大きなつむじ風がゆっくり立ち昇っている様に見える。
「マサル、あれがこの爺さんの本質だ。魔法管理組合の長ってのはこんな奴ばっかりだからな」
「あぁ…これはすごいな。でもハバキもラウリー師匠にそこまで劣った感じじゃないだろ?」
「私の場合は種族的に魔素を保持しやすい体質があるからこんな感じだけど、爺さんは人として見たら驚異的だ」
確かにセルビスやラルクアの魔素の立ち昇るイメージに比べたら数倍ではきかない程度に違いがある。
「それとな、お前とマリアも私から見れば爺さんと大差ない魔素の含有量に見えるから真面目に訓練を積めば爺さんが扱う程度の魔法が使えるようになるかもしれないからな」

少しの間、ハバキと魔素の見え方やイメージに関する話をしていたら、やっと気になる事を見終えたらしいラウリーが俺達の元に歩いて戻ってきた。
「爺さん、そろそろ気が済んだか?」
「あぁ、楽しませてもらったぞ。ではそろそろ目的のブツを移送させるとするかのう」
ラウリーをEVビークルが安置されたコンテナに連れて行くと、魔法を使う準備が始まった。
「ちなみにこの上にある似た様な箱は無視して移送させてもいいのか?」
「できればゆっくりとここの高さに降ろせるならばそれに越した事は無いが、そんな事って出来るのでしょうか?」
一応コンテナを固定する為の足枠が等間隔にあるので、そことのロックを外せば自重落下するはずだけど、その場合船体にそこそこ大きなダメージが入る可能性がある。運が悪ければロックしてある周辺のコンテナと干渉して大規模な崩落などが起きることもあり得る。できればゆっくり降ろしたいが…
「ワシは移送に全精力を使う事になるからのぉ…ハバキ、お前が降ろせ。それぐらい出来よう?」
「出来ないとは言いませんが、その後私は半日ぐらい動けませんが?」
「お前が動けなかろうが特に問題なかろう。おぬしは何を危惧しておるのじゃ?」
「移送先に行ってその乗り物に乗ってあそ…試乗をしなければならないので寝てるわけにはいかないのです」
「もっと本心を隠せ。バカ者が。…まぁそれはワシも一緒に遊びたいからのぉ…よっし、マサル殿、魔力の供給を頼む。これだけの魔素を使えるならばなんとか3人そろって遊びに行けよう」
なんか急に俺に仕事を割り振ってきたけどこいつら遊びたいからそう言ってるだけだよな。
「まぁ…俺が現地で作業するのが前提で、このEVビークルが動くから、出来るだけ疲弊していない状態で現地に行きたいと思ってるが…」
「魔素が枯渇すれば動けなくなるが、3人の魔素の量から考えればなんとかうまく調整すれば3人とも2割ぐらいは魔素が残るはずじゃ。それであれば少し全力疾走をした程度の疲労で済むじゃろう。少し休めば何とかなる」
少し全力疾走ってのはそこまで簡単に回復しないと思うが、俺が手伝わなかったらそれ以上に疲弊する事を前提にラウリーもハバキも魔法を使う気だったのだから…
「やるしかないか。そもそもEVビークルを動かすのは大黒丸の住環境をよくするのに必要な事だったからな」
俺の言葉でラウリーとハバキが魔法を使う為に俺も参加して魔力供給タンクの仕事をすることになった。

「俺は二人の首に手を触れていればいいんだな?他に何か気を付けるような事とか無いな?」
「あぁそれでいい。魔素を引き出すのはワシとハバキが勝手にやるから魔素が減る感覚に備えて手を離さぬように気を付けておれ」
「一応言っておくが、一気に魔素が減ったら体の末端から力が抜けるような感覚があるのでしっかり踏ん張ってろよ」
「了解」
俺の言葉が合図になったのか、ラウリーとハバキの魔素の状態に変化が見え始めた。
ラウリーはコンテナの周囲に自らの魔素を纏わり付かせるようにしていて、ハバキは上にあるコンテナを自分の魔素で包み込んだ。
「動かすぞ、ハバキ、マサル殿、準備はいいな?」
「こっちはいつでもいいぞ爺さん」
「俺の方もいつでも」
「ハバキには一度真面目に説教してやらんといかんのぉ。まぁそれはまた今度という事で、行くぞ!」
ラウリーの気合いの入った声と共にラウリーの体から迸る魔素の流れが速くなる。一瞬の間をおいてハバキの体から放出される魔素も勢いを増して動き始めた。
「これよりこの箱をセルビスの設置した指標範囲へ移動させる。はぁっ!」
ラウリーの気合いの入った声と共に、目の前が強い光に包まれて何も見えなくなった。そしてハバキの言っていた脱力感が体に感じられ始めるが…?
「なんか足下から魔素が流れ込んできてる感じがするが…これって…?」
俺のつぶやいた声に反応してラウリーへ流れ出る魔素の量が一気に増えた。そしてその一瞬後にその反応を感じたらしいハバキも魔素を吸いだす量を増やした。
「おぉう…これはかなり効くな。足の先から両手に向かって魔素が勢いよく流れるのを感じる」
そして急に光が消え、目の前が一瞬真っ暗に感じるのと同時に、コンテナが少し大きな音を立てて甲板に落ちた振動を足の裏に感じて、魔素の流出が止まった。
「ふぅ…一応移送は完了したが… マサル殿はなんで意識を保ち続けられておるんじゃ?」
「本当になんで倒れてないのか不思議だ」
「ちょっと待て、お前らすごく元気だけど疲れるって話はどうなったんだ?」
「なんか魔素の流入を感じるとか言っておったので吸い上げる量を増やしたからのぉ」
「私も爺さんの声でマサルに船から魔素が流入してるのに気づいて出来る限り引っ張り出したが…死んでないな」
「おいハバキ、お前俺に普通なら死ぬような事したのか?」
「一応マサルの体の魔素の残量は確認しながら吸い出したが…お前船と体が繋がってるな。今まで魔素の移動が無かったから全く気付かなかったけど」
魔法使ってないから魔素の量が変わるなんて事は無いだろうことは何となく分かるが…
「なぁ、俺と大黒丸が繋がってるってのは何か問題になったりしないのか?船から離れたら急に意識を失うとかそんな事無いよな?」
爺さんとハバキが思考に沈みながら俺の方をじっと見続けている。何も反応が無いとそこそこ怖いんだが…
「ハバキ、少しマサル殿から魔素を吸い取るので船からの供給量と体で生成される魔素の量を確認せい」
「了解。いつでもどうぞ」
ラウリーが俺の手首を握り一気に魔素が吸い上げられる感覚が感じられるが、減ったそばから足元から魔素が送り込まれる感覚があり、その後3回ほど魔素の流出速度が上がったが、俺には特に体に何か感じられるような変化はなかった。
「マサル殿、魔素を供給する仕事とかしてみんか?素晴らしい魔素の回復量じゃ!ハバキも感じられたな?」
「えぇ。普通の奴なら干からびてしまう流量でも、おそらく…最大で1割ぐらいか?それぐらいしか減らなかった。マサル、お前は化け物だな。あっ、良い意味での化け物って意味で言ったから勘違いするなよ?」
「化け物って評価に良いも悪いもあるか! …で?俺は船から離れても死んだりしないのか?」
「回復量もかなりのものじゃから特に変調をきたす事などは無かろう」
「あぁ、身体強化の魔法を使えるようになったら不眠不休で走り回れる体になる程度の魔素の回復力だ。一家に一台欲しいぐらいだ」
なんか家電の良い評価でももらった気分だが、デメリットが無いのであればまぁいいだろう。
「とりあえずEVビークルを動かしに行こう。話は後でするので二人とも覚えてろよ?」
「あぁ覚えておいてやるからさっさと行こう」
「ワシはどうせもらえるならマリアちゃんのほうがえぇのぉ。可愛く着飾ってもらって一緒におってもらえたら色々捗るってもんじゃ♡」

俺は、マリアを爺さんのもとには絶対に一人で行かせない事を心に誓って、浮き桟橋への階段を移動した。
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