船と共に

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No.1

28 エピローグ

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「一応転送自体は出来たのですか?」
白衣を着た女性がテーブル越しに頭の薄い中年男性に質問する。
「はい。転送自体は間違いなく行われました。ただ、その後72時間経ってもリターンが何も発生しなかった為、現在は衛星を使った捜索にステージが切り替わりました」
頭の薄い中年男性は空調が効いた室内で1人汗をかきながら説明している。
「そう…あのモノリスに書いてあった場所が人の生存できない環境だったのか、敵対的な生物が存在していたのか…」
「それか、単に大黒丸が移送された場所から大きく動いたかといった所でしょうか」

白衣を着た女性は考える。そもそも大黒丸が転送された件は事故。こちらの意図した状況での出来事ではない。それでもモノリスに記載されていた通りに状況が進んだ。
モノリスには、こっちの世界と他の世界に同じ物質を元にしたキーパーツを存在させることによって、双方のリンクさせられた量子もつれ状態の原子が道しるべになり安全に移動が可能になる…と、解読できる文字が書かれていた。言葉の意味をこちらの技術力に照らし合わせてみての解読結果ではあるが…

「何にしても道が通じているのですから、出来るだけ多くの回数の実験によって転送先からのリターンを待つしかないかと」
この男は人を使う実験を当然と考える程度には狂っている様だな。
3名の人員を実験に使った私がそれを非難できる訳もなし…か。

その後囚人を使った転送実験が行われる事が決定され、実質終身刑の懲役刑などに服役している重犯罪者が最初の対象者になる事が決まった。
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