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第三章 フベルト?

52 対策を考える1/4

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「一応確認しておくが、今回のミッションの目的はレーヌさんをこの村から救出するのが必須条件でそれ以外の事はおまけと考えても良いな?」
「そうだな…俺の望みではレーヌが心穏やかに生活できる事を最優先と考えている。他はできればと言った所だな。」
「分かった。…あと3日か、一応最善を求めて動くとするなら俺とフベルトが戦う為の理由が必要だが…何か考えているのか?」
「キヨシがレーヌを襲ったって事にしておけば良いんじゃないか?それであれば俺がキヨシに戦いを仕掛ける理由としては十分だぞ?」
こいつはいきなり何を言い出す気だ?

「なぁ、それだと俺ってこの村には今後近づけなくなるんじゃないか?」
「どうせレーヌを求めて村の連中が暗躍するはずだ。守る為にはできるだけ距離を取っておいた方がいいだろう?」
「そこだけを見るならそうだが…でもマルセル君が確か子供の事でここらの近くに住んでいたいみたいな事を言ってたからなぁ…」
「あぁ、あいつならお風呂係りの子と子を作らせれば良かろう?レーヌ?確かあの種はまだあったよな?」
「はい。一応テラス様から頂いた淫戯いんぎの木の種子はまだ幾つかございます。…♡」
なんとなくレーヌさんからエロフェロモンが噴出した感じがしたのは気のせいか?

「その…インギの木?それってどんな効果があるんだ?話の流れからマルセル君とおふリンが子供を作る為に必要そうな感じだったが?」
またお互いの体に手を伸ばし始めた2人を視線で牽制しておいた。

「ハァ~~~~~~…まぁそんな感じだな。淫戯の木の樹皮を採集して乾燥させ粉末状にした物を服用すれば我らアセルマン種族の陰茎は鋼の如き強靭さを持つ様になり…他種族の娘の体の中に精を送り届ける事ができる様になる。レーヌに子を孕ませる為には更にとある実の助けが必要ではあるが、あの娘であればそれは必要無いはずだ。」
もしかしたらこっちの世界で生まれた生物は見た目が違う種族同士でも子を作れるって事か?
「それならば…あぁそうだ、おふリンは一緒に連れて行っても良いのか?」
とりあえず忘れないうちに聞いておいた。
「そうだな…確かマルセルがあの子を気にしていたから一緒に行くのであれば特に問題は無いが…どうせならばあの子とレーヌを賭けて戦うといった態で話を進めてみるのも良いかもしれぬな。」
俺がレーヌさんとジェシカを欲したからフベルトさんと戦うことになったってストーリーでって事だよな。

「それならストーリー的に破綻しにくい感じにはなるが…なぁ、それだと俺ってすごく嫌な奴に見えないか?嫌な奴って言うよりも欲望に忠実な奴とか節操の無い奴みたいな見られかたしない?」
たぶんレーヌさんのおっぱいとジェシカの尻を求める男って感じに見られる気がするんだが…その評価ってけっこうギリギリじゃね?
「英雄とは色を好むとキヨシの世界でも言われていたのであろう?何が問題なのだ?」
そう言えばこいつらって俺の世界の事を色々知ってたね。
「自分の事を英雄だと思ってる奴は俺みたいに悩まないの。」
「キヨシはあれだな、小市民と呼ばれる連中の価値観を持っている様だな。だが一つ勘違いしているぞ。英雄と呼ばれていた連中の中にはキヨシと同じ様な価値観を持ちながらも周囲の奴らの為にあえてその称号を受け入れていた者達が多く居たはずだ。俺はこの世界に召喚されてその事を理解した。」

そう言えば、フベルトって元の世界で死んだ時は分隊長の地位だったとか言ってたな、だとすれば俺同様中間管理職としての能力を求められる様な奴だったわけだ。
確かに英雄とか呼ばれる様な奴ではなかったはずだ。
だが、こっちにテラスちゃんに呼ばれて種族の長として長く生きてきた内に種族の英雄としての行動を求められるシーンが少なからずあったって事なんだろうな。

…俺もこれから先そんな行動を求められるって事か。

「まぁそこらのストーリーに関してはフベルトにすべて任せるよ。自分のその後の評価の事も含めてレーヌさんが生活しやすい状態になる感じにしてくれ。」
「分かった。…悪いな。」
「フッ…いいよ。」

…やっべぇ…俺って今…ハードボイルドな主人公になってるんじゃね?…♪

フベルトさんとの話し合いは一応これで良いだろう。
「ではこれで話は終わって良さそうだな。」
「あぁ、こっちももう少し考えて村の連中に話を通しておくな。」
「了解、俺はこれからお前を倒す為の対策を考えないといけないからこれで戻る。」
「あぁ、…では。」
「では。」

俺は差し出されたフベルトさんの手を取り握手をして部屋を出た。


部屋を出て歩きだした時…自分の中で俺はフィリップ・マーロウだった♪
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない…フッ…か~~~~っちょえぇ~~~♡俺マジハードボイルドエッグさんじゃ~~ん♡」

気づいたらスキップしていた俺だった♪

さて、請け負ったは良いが、今回のミッション…そこまで簡単じゃないぞ。
一番の問題は俺とフベルトさんの戦いが茶番レベルでは何の意味も無いって事だから、少しぐらいは対等に戦えてるって観衆に思ってもらわなければならないのだが…でもさっき聞いた話だとフベルトって生身でもゴリラ上等♪って感じなんだろ?

そんなんに俺どうやって勝つの?

まずは勝ち筋があるのかどうかだけでも確認しておかないとだよなぁ…やっぱりヴォルトー達に聞くしかないかなぁ。
俺はひとまず離れに戻りマルセル君を連れてヴォルトーの家に行こうと考え、皆が居るはずの部屋の前まで戻ってドアをノックして声をかけるとソフィーがドアを開けれくれた。
「うぉっ?!…あー…とりあず先に聞きたい事を聞いておくな。ジェシカとマルセル君ってどこに行ったの?」
部屋にはニナとソフィーしか居なかった。

「タマーラさんって言ったかな?その人が話があるって二人を連れて行ったよ。」
「なんかその人が渡しておきたい物が有るとかって言ってたよ。」
ふむ…まぁそれならしょうがないか。
「2人の事は了解。それで?なんで2人はパンツ姿なの?」
なぜかニナとソフィーはカボチャパンツだけを穿いた姿だった。

「今ね~フィラーネさんが私とソフィーの服を洗ってくれてるの。それと着替えになる服を一式用意してくれるって。」
「なんか私とニナの着てた服の素材?それがこっちで手に入らない物でできてるらしくって価値があるとか言ってたのね。それでできれば服同士交換して欲しいって言われたんだ。ニナってまだ履く物も無かったでしょ?だから交換できるならいっかって思ったんだけど…勝手に交換するの決めても大丈夫だった?」
あの服に価値がある?俺の見た感じではこの村の人達が着ている服とソフィーの服はそんなに違いは無さそうな感じだったと思うが。
そう言えばニナの服はちょっとだけ生地が良い物に見えたけど…色々斬新な感じに切れてたからなぁ…価値が有るとすれば生地自体って事になるんだろうけど…
もしかしたらアレか?フベルトさんが俺にめんどくさい事をお願いした事への謝意みたいな感じだったりするのかな?

「まぁあの服はそもそも2人の物だったから交換するのも自由にして良いんじゃないか?あまり気にしなくてもいいぞ。」
とりあえず俺に全てを聞かなければならないって感じにはしたくないのでそう言っておいた。

そして2人がパンツ姿でベッドに座ってたりしたらさぁ?

「あ~♡キヨシそんなにしてぇ~♡昨日あんなに私の体に色々出したってのにさぁ~♡…エッチ♡」
「キヨシのエッチ」
俺の体は正直者なので考えている事を素直に行動に移してしまった♡
そしてそれを見てソフィーはニヤニヤ♡と何を考えているか丸分かりの表情で、ニナは寒風吹き荒ぶ冬の日本海を思わせる笑顔で言ってきた。

少しだけソフィーに説教しておかなければニナとの関係がまずい気がする。
それよりも先に言い訳をしておかないとひじょうによろしくない気がする。

「あのなぁ、ニナ?昨日ソフィーを抱いたのは売られた喧嘩だからしょうがないんだぞ?ニナも絶対負けられない事とか譲れない事ってあるだろ?昨日のソフィーとの事はそんな引くに引けないとても重要な事だったんだぞ?だからニナを蔑にしたとか無視して楽しんだって事じゃないんだ。そこだけは理解してくれ…るよね?」
「男の人にいっぱい敵が居るってのは聞いた事あるけど…ソフィーが悪いって事?」
「それは違うんだなぁ…ちょっと難しい話になるけど…」
それから少しの間、『男とはこうあらうべき♪こうでなければならぬっ♡』って感じの話をしつつニナを煙に巻こうとしていたらソフィーがニヤニヤ笑いをしながら俺の顔をずっと見ていた。
原因を作ったもうひとりのクセにちょっとばかり楽しんでる感じの見える姿に腹が立ったので、今日ニナと約束の子作りをした後で目にモノ見せてやると心の中でひそかに誓っていたらドアをノックする音が聞こえてきた。

「あっ、2人ともとりあえず布団を被っておいてくれ。」
「「はーい。」」
2人がベッドの布団から顔だけ見える様態になったのを確認して誰何してみた。
「誰だ?」
『フィラーネです。換えの服をお持ちしましたが入ってもよろしいでしょうか?』
ニナとソフィーを見ると揃って頷いてる。
「どうぞー。」
俺の声の後でドアが開いてフィラーネさんが少し大きな籠を持って部屋に入ってきた。
「お二人の服は今洗濯しています。それと交換していただけるようであればこちらを全てお持ち下さっても良いそうです。」

フィラーネさんが籠を部屋の中のテーブルに置きながら説明していたので、俺はドアに近づいて内側から閉めようとするといきなり怒られた。
「キヨシ様?今から女が着替えるのですよ?なぜ部屋から出ないのですか?」

あれっ?自分の奥さんの着替えって見たら駄目だったの?

少しの間仕事の時に培った交渉術を駆使してなんとか室内に居られないものか頑張って交渉してみたのだが、この世界の共通認識として男女が服数人同席した状態で全裸になるのは子作りの時を除いて考えられないらしい。
ちなみに全裸の基準はその種族の認識によって差があるので一概には言えないらしいが、この村では下着しか着てない状態はNGなんだって。

チッ…水着の事まで説明しつつ交渉したけど駄目だった。
どうもこの村の人って水に入って遊ぶと言う習慣が無いらしく水着の事を説明しても下着との違いを理解してもらえなかった。
と言うわけで俺は部屋の外に出されてしまったのだが…ここで簡単に引き下がったら男ではないよな?

俺はどうにかして部屋の中の2人の着替えが覗ける場所が無いものか色々見て回っていたのだが、1ヵ所だけ木の節が良い感じにひびが入って脆くなってそうな場所を見つけてしまった♡
そしてそこを精密ドライバーと細いラジオペンチを使って音を立てない様にしながら慎重に穴を広げていたら後ろから声をかけられた。

「キヨシはそこまでして何を聞こうとしてるんだ?今朝も同じ様な事をしていたよな?」
驚いて振り向くとそこには少し大きめの箱を持って完全に変態野郎を見ている様な顔になってるマルセル君と、マルセル君の腕に右手をかけて不思議な物でも見ている様な顔で立っているジェシカの姿が…
「妙な言いがかりをつけるのは止めてくれ。今部屋の中でニナとソフィーとフィラーネさんが話し合いをしてるからちょっとばかり気になる事を言ってたけど一緒に着替えるのに邪魔になるから外に出されただけなんだ。いや、入ったら駄目ってのは重々理解している、だが俺は2人の夫となる男だ。だから特に「あーもう良い。分かったから。」あっ?そう?わかってくれたの?」
俺は朝同様色々言葉を駆使して説明したのだが…あまり効果は無かったかもしれない。
もう少し語彙力を鍛えておかなければならない様だ。

「あっ、そうだよ、俺はマルセル君を待ってたんだ。どうせ俺とマルセル君は部屋に入れないんだ、一緒に来てくれ。あぁ、じぇし…おふリンはそのまま部屋に入っても大丈夫なはずだからここで待っててくれな。」
「…まぁいいが。」
「はい。」
とりあえずドアをノックしてジェシカを入れてくれる様に頼んでおいてから俺とマルセル君は離れを出た。

「なぁキヨシ?彼女のことはジェシカって呼んでもいいんだぞ?俺も別におふリンって呼ばなければならないって訳じゃ無いから…その…そう!それにあの呼び方はなぁそもそも…」
二人で畦道を歩いているとマルセル君がそんな事を言ってきた♪
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