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第7章 自爆覚悟の告白の末……

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 部長がわたしを好きであることは100パーセントないだろうけど。

 でも……
 振られたところで、何かを失うわけでもない。

「そうだね。宗一郎さん、ありがとう。たしかにいつまでもグズグズしてるなんて、わたしらしくないね」

「ああ、まったく花梨らしくない」
 宗一郎さんは微笑みながら頷いた。
  

***

「ごちそうさまでした」
「ちょっと夜景を眺めない?」
「うん」

 その階のエレベーターホールの窓の前にはソファーが置かれていて、外が眺められるようになっていた。

  丸の内界隈のビルの明かりやライトアップされた街路樹、その奥の、そこだけぽっかり穴が空いたような皇居の暗い空間が目の前に広がっている。

「わー、きれい」
 となりに座った宗一郎さんは「あのさ、花梨」と呼びかけてきた。

 彼に視線を移すと、真面目な表情でわたしを見つめている。

「実はさ、あのとき花梨に渡せなかった指輪、まだ持ってるんだ」

「えっ?」

「もちろん、あれから他の人とも付き合ったし。ずっと君だけを思い続けてたってわけじゃないけど。でも、花梨以上に好きだと思う人にも出会わないんだよね。残念ながら」

「宗一郎さん……」

「今日もあわよくば、口説いてヨリが戻せたらって、ちょっとは期待してたんだけど」
 それから、ふっと小さく笑って言った。

「まさか、他の男に告白しろって、花梨の背中を押すことになるとはね」

「ごめん……なさい」
  宗一郎さんは明るい声で言った。

「いや、困らせるつもりで言ったんじゃないよ。だから、僕もちゃんとはっきりさせてほしいんだよ。じゃないと、諦めきれないからさ。花梨のこと」

「うん、わかった」

「すっきりと振られてくることを期待してる。そのときは僕が下心込みでたっぷり慰めてあげるから」

 わざとおどけた調子で、宗一郎さんは言った。
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