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あの日、私の前世を両親に話してから長くも短い年月が過ぎ、私も高校生になった。

私は中学生になってからヨウチューベを始めた。
聞いて驚けよ。私のチャンネルの登録者数は……約六万人やぞ!
ちなみに収益化はとっくのとうにしている。

日に日に増えていく通帳の数字を眺めるのが最近の日課だ。
ちなみにこの日課を母さんに見られたことがあるのだが、
「うれしそうね。なにみてるの?」
といわれ、通帳を見せると呆れた目をされた。
解せぬ。

あげてる動画は基本的に弾き語りや弾いてみたといった類のものだ。
流行りの曲から懐かしい曲を適当に上げている。

今は自分の曲を作ってる途中だ。
ほんといい世の中になったよな。
少し調べれば優良顔負けの無料ソフトがそこら中にあり、おまけにその使い方まで簡単に知れるのだから。
と、おじさん臭いな。
花のJKと呼ばれる年代になったのだからいつまでも昔のままでいるのは駄目だ。

そんな馬鹿な考えに浸っているとふと自分の部屋の武骨さに気が付いた。

オフィス用の大きい机の上には大きな湾曲ディスプレイと23インチほどのディスプレイがほとんどを占めており、近くにおいてある棚には様々な機器が縦に置かれている。
真っ白な壁紙に紺色のカーテンとシンプルなシングルベット。
おおよそほとんどの人がここの持ち主は男性だと予想することだろう。

さすがにこの年にもなってぬいぐるみ一つない部屋を見て申し訳なさを感じた。
母さんはいつも私のコーディネイトをしたいといっているが面倒くさくていつも断っていた。
だが、せっかく娘が生まれたのにファッションの話で盛り上がれないのはさみしいだろう。
今度母さんが提案してきたらお願いすることにしよう。

さてそろそろ登校の時間だ。
私の通う高校はほんとの進学校だ。
前世で通っていた進学校の2ランクほど上。
将来親孝行をできるようにとこの高校を選んだが、割としんどい。
はあ、早く帰って曲を作りたい。


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えー、大遅刻をかましまして誠に申し訳ございませんでした。
無事、第一志望校に合格でき幸せな学校生活を送っています。
(え?これ前回で言ってるって?……まあまあ)

えー、こほん。できるかぎり、また更新していきたいと思っているので何卒宜しくお願い致します。

ほんとにごめんよ。
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