お金は天からの回りもの

笛鳴ことり

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お金は天からの回りもの

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「奢ってあげる。」りかはいつも気前が良い。


「この間も奢ってくれたし良いよー。悪いよ。」


「みさとお小遣い少ないって愚痴ってたじゃん。私バイトしてるし、昨日給料日だったから。」


「ありがとね。」


りかは本当に良い子なんだ。


私もバイトをしたいけれどママが心配しているし、、、こうなればお小遣いの交渉をするしかない!






「ママー!お小遣い上げてよ。千円でも良いからさ。」



「ダメよ!先月からパパのお小遣い上げたばっかりなのに。」


「パパだけずるい!」


「パパは後輩に奢ったりしないといけない立場なの。しょうがないのよ。」


交渉は上手く行かなかった。


隠れてバイトをするしかないか、、、。


私はりかがバイトしているメイド喫茶で裏方の洗い場でバイトすることにした。


りかはお店では大人気のメイドだった。


りか指名で中年の男性が入って来た。


「お帰りなさいませー。ご主人様。」


「ただいまー。りかちゃん。」


何だか聞き慣れた声だ。


洗い場にいた私ははっきりは分からないがその客は毎週りかに会いに来ていたみたいだった。


「りかめっちゃ人気じゃん!」


「ありがとう。今日はこんなにプレゼントもらっちゃった。でもほとんど要らないから売っちゃうんだ。」


りかはプレゼントの多くは質屋へ行きお金に換えているらしい。


それで私にあんなに奢ってくれてたんだと妙に納得してしまった。


でも中年の男性に対して少し申し訳ないような、可哀想な同情する気持ちも生まれて来ていた。


ある日お店の電話が鳴った。


誰も対応できる人が居なかったので仕方なくお店の方へ出て電話対応していた。


するとりかが接客していた中年の男性に目が入った。


「え!?パパ?!」


なんとりかを指名してプレゼントを贈っていたのはパパだったのだ。


それを今まで知らずにりかにたくさん奢ってもらっていた。


何とも言えない気持ちになったが、母に言ってもお小遣いは上がらない。パパのことをママにバラしても私がここで隠れてバイトしていた事がバレたら怒られるだけ、、。


ああ!そうか!もうりかに遠慮する必要がないじゃないか。

バイトをすっぱり辞めて今まで通りりかに奢ってもらう生活に戻ろう!


誰かが言っていた、、、、、。


「お金は天からの回りもの」って!ww


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感想 1

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みんなの感想(1件)

忠行
2025.09.03 忠行

お金。
来る時は一人なのに出て行く時は友達を連れて行く。
だから財布の中はいつも寂しい……。

2025.09.03 笛鳴ことり

感想ありがとうございます。
私も気がつけばお財布が寂しくなってます。
皆様の金運が上がります様に、、、!

解除

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