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第6話 ギルド内Cランク昇格試験とライバルとの小競り合い
しおりを挟むカルナスの朝は、薄霧の中で静かに目覚めた。
川谷ゆうじは昨夜のダンジョン探索の余韻を胸に、ギルドの広間へ向かう。
今日は特別な日だ。
ギルド内でのCランク昇格試験の案内が届いていた。
Fランクの冒険者にとっては、大きな一歩となる挑戦である。
受付で書類を提出し、簡単な説明を受ける。
「試験は実技と筆記、そして連携力が評価されます。頑張ってください」
女性受付員の笑顔に、ゆうじは少し緊張しつつも決意を新たにした。
会場はギルドの訓練場だ。広い石畳のフロアに、簡易の障害物やモンスターの模型が
配置されている。試験官たちが冷静な眼差しで見守る中、参加者たちは整列する。
「さて、準備はいいか?」
試験官の声に、ゆうじは深く息を吸い込む。
「はい!」
最初の課題は、迷路状の障害物を通過し、指定されたポイントに到達すること。
転移スキルを使えば瞬間移動で突破できるが、規定時間内に全てのポイントを
踏む必要があるため、単純な飛び越えでは評価されない。
「ここは……戦略だな」
ゆうじは頭の中でルートを確認し、転移を駆使しつつ慎重に進む。
小型の障害物に引っかかることなく、全てのポイントをクリア。試験官が頷く。
次の課題は戦闘シミュレーションだ。模擬モンスターが複数出現する。
ここでゆうじは変換スキルを活用する。
手持ちのゴールドを投入し、筋力や素早さをさらに上昇させる。
「これなら、Fランクでも充分に戦える」
モンスターの攻撃を転移でかわし、反撃のチャンスを作る。
サフィアが隣で支援魔法を放つタイミングも完璧だった。
しかし、試験の途中で視線を感じる。
振り向くと、リオ・ヴェルンが試験に参加していた。
「ふん……お前、Fランクのくせに頑張るな」
冷ややかな声が耳に届き、ゆうじの心に小さな炎が宿る。
リオは剣術で模擬モンスターを効率よく排除し、周囲からの評価も高い。
ゆうじも負けじと、転移と変換の戦略で応戦する。
二人の小競り合いは、試験場内でも注目を集めることになった。
最終課題は連携プレイだ。サフィアと組んでの試験である。
二人は息を合わせ、模擬モンスターを順序良く倒していく。
ゆうじの転移で位置取りを調整し、サフィアが魔法で補助。完璧な連携が
評価される。
試験官の一人が口を開く。
「Fランクの少年としては非常に優秀だ。これならCランク昇格に値する」
心の中で喜びが込み上げる。
試験後、ギルドの廊下でリオが近づいてくる。
「……少しやるじゃないか」
挑発めいた口調だが、目には認めた光が宿る。
「俺も、もっと強くならないとな」
ゆうじは自然に拳を握る。
サフィアは微笑みながらゆうじに言った。
「今日のあなた、本当に頼もしかったわ」
胸に温かさが広がり、これからの冒険に向けて希望が芽生える。
夜、ギルド宿で一人、ゆうじは今日の成長を振り返った。
「転移も変換も、連携でこんなに生きるんだ……」
FランクからCランクへの昇格は、まだ序章に過ぎない。
国外追放から始まった川谷ゆうじの物語は、仲間との絆とライバルの存在、
そして自らのスキルを駆使する成長で、確実に歩みを進めている。
異世界アストラリオでの冒険は、今まさに加速し始めていた。
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