9 / 10
第9話 Dランク昇格後、初めてのSランク布石依頼と仲間の絆
しおりを挟むカルナスの町に朝の光が差し込む。
川谷ゆうじはDランクに昇格して初めての朝を迎え、胸の高鳴りを隠せなかった。
「これから……もっと大きな冒険が待っている」
ギルドの掲示板には、新たな依頼が次々と掲示されている。
Fランク時代では手が届かなかった、大規模な討伐や護衛依頼も見える。
「Sランクの依頼も、そろそろ目に入るな」
ゆうじは心の中で静かに笑う。
ギルドの広間で、サフィアと顔を合わせる。
「今日の依頼は少し難しいけど、二人なら大丈夫」
彼女の笑顔に、ゆうじは力強く頷く。
「はい、頑張ります」
今日の任務は町外れの小村で発生した、山賊の襲撃対応。
報酬は高額で、Sランク依頼の布石となる可能性がある。
「これは……いい経験になる」
ゴールド稼ぎとスキル成長、両方を兼ねた絶好の機会だ。
森を抜け、村に向かう道中で、ゆうじは転移スキルを活用して小道を
ショートカットする。Fランク時代では考えられなかった速度で村に到着する。
「このスキル、本当に便利だ……」
一人で感心しながら、胸の中に自信が芽生える。
村に着くと、山賊がすでに村を荒らしていた。
村人たちは恐怖に怯え、逃げ惑う。
「よし……戦略で挑む」
ゆうじは変換スキルでステータスを最大限に引き上げ、戦闘準備を整える。
サフィアと連携し、二人で山賊を退ける作戦を実行する。
転移で敵の死角に回り込み、サフィアが魔法で支援。
Fランク時代では考えられなかった戦術が、確実に成果を生む。
戦闘の最中、リオ・ヴェルンが遠くから観察しているのが目に入る。
「ふん……Dランクでもやるな」
挑発めいた声が耳に届き、ゆうじの心にさらなる闘志が湧く。
山賊を全て退けると、村人たちは歓声を上げて感謝する。
「ありがとう、勇敢な冒険者さん!」
笑顔の村人たちに、ゆうじは自然と笑みを返す。
報酬として得た高額のゴールドを、変換スキルで能力強化に回す。
筋力、体力、素早さ、知力――全てが着実に上昇する。
「これで、さらに戦える」
Fランク時代には想像もできなかった成長が、確かな手応えとして体に宿る。
村を救った後、サフィアと共に帰路につく。
「今日も無事だったわね」
微笑むサフィアに、ゆうじは少し照れながら頷く。
帰還途中、リオが現れた。
「……今日は手を抜いたわけじゃないな」
視線に認める光が宿る。二人のライバル関係は、確実に次の段階に進みつつあった。
夜、ギルド宿で一人、ゆうじは今日の出来事を振り返る。
「転移も変換も、戦略と組み合わせればこんなに役立つのか」
Dランク昇格、初めての大規模依頼、ゴールドによる大幅成長――
すべてが次の冒険への布石となる。
国外追放から始まった川谷ゆうじの物語は、仲間との絆、
ライバルの存在、そして自らのスキルを駆使した成長で、着実に加速していた。
異世界アストラリオでの冒険は、まだ序章に過ぎない。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
天才王子、引き篭もる……いや、引き篭もれない
戯言の遊び
ファンタジー
平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」
辺境に飛ばされた“元サラリーマン王子”、引き篭もるつもりが領地再生の英雄に――!
現代日本で社畜生活を送っていた青年・レオンは、ある日突然、
中世ヨーロッパ風の王国「リステリア」の第五王子として転生する。
怠惰で引き篭もり体質なレオンは、父王により“国の厄介払い”として
荒れ果てた辺境〈グレイア領〉の領主を任される。
だが、現代知識と合理的な発想で領内を改革していくうちに、
貧困の村は活気を取り戻し――気づけば人々からこう呼ばれていた。
『良領主様』――いや、『天才王子』と。
領民想いのメイド・ミリア、少女リィナ、そして個性派冒険者たちと共に、
引き篭もり王子のスローライフ(予定)は、今日もなぜか忙しい!
「平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」
社畜転生王子、引き篭もりたいのに領地がどんどん発展していく!
――働きたくないけど、働かざるを得ない異世界領主譚!
こちらは、以前使っていたプロットを再構成して投稿しています
是非、通学や通勤のお供に、夜眠る前のお供に、ゆるりとお楽しみ下さい
国王像にヒゲを生やしただけで無人島に送られました!
忍絵 奉公
ファンタジー
国王像にヒゲを一本描いただけ。それだけの理由で青年リオは「国家反逆罪」というとんでもなくくだらない冤罪を着せられ、島流しにされてしまう。だが護送中の船は嵐に遭遇し、辿り着いたのは地図にも載らない完全な無人島だった。
生存能力ゼロ、知識ゼロのポンコツ状態で始まったサバイバル生活は、なぜか喋るカニや歪む空間など、次第におかしな方向へ転がり始める。
やがてリオは、
一番偉い悪魔、四大神獣、そして偉そうな神様たちが軽く喧嘩しながらバーベキューをしている場所に辿り着く。
しかも、国王像ヒゲ事件は――実は宇宙規模の因果の一部だったと知らされる。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略
神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。
そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。
これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる