ふつふつ

Nick Robertson

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水色の空に白い爪が走っている
熱っぽい空気が鼻を行き来する
道路を走っていく車たちは風景の一部だ

だがあの車の中に1人以上は必ず人が入っているという事実をいまいち受け入れられない

運転手が無人である車は少なくともここには存在しないのだ

きっと自分の行動に正当性を感じている個人個人が
この夏の日和の中をまっすぐ通っている

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