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風呂から出て体を拭く。
ざっと流した程度だが、不快な感じがまるでなくなった。
「風呂入ったら」
「あとでね」
少年はすげなく答えた。
私はそれ以上はもう何も言わず、冷蔵庫の中の茶をコップに注いで飲んだ。
すっかり鼓動も落ち着いてきた。
今日はもうどこにも行かないでおこうか。
ちらりと少年を見やる。
私が動かなければ、少年も動くことはないだろう。
すると、少年は突然「いつでも行けるよ」と言った。
顔はゲーム機の画面へ向けられている。
私が悩んでいるのを見透かされている。
「いや、今日はもういいかな」
無意識にそう返した。
私自身が、外出を嫌がっているらしい。
それなのに、家の中でやることもない。困った。
本棚から適当に一冊漁る。
パラパラとそれを眺めた。
狐が出てくる話だ。人間に化けて人間と同じ空間を暮らす。
その狐がヘマをすることによって、話がどんどん続いていく。
鼻から空気を抜いて、本を閉じた。内容はもう知っている。読んだことがある。
家という空間は、外よりもずっとずっと小さいので、やれることは限られている。
しかし読書など、動かずにじっとしていることは体力が要らないので、いつまでも続けていられる。
歩くのは疲れるのだ。だからやれることが少ないはずの家に留まりたいのだ。
ざっと流した程度だが、不快な感じがまるでなくなった。
「風呂入ったら」
「あとでね」
少年はすげなく答えた。
私はそれ以上はもう何も言わず、冷蔵庫の中の茶をコップに注いで飲んだ。
すっかり鼓動も落ち着いてきた。
今日はもうどこにも行かないでおこうか。
ちらりと少年を見やる。
私が動かなければ、少年も動くことはないだろう。
すると、少年は突然「いつでも行けるよ」と言った。
顔はゲーム機の画面へ向けられている。
私が悩んでいるのを見透かされている。
「いや、今日はもういいかな」
無意識にそう返した。
私自身が、外出を嫌がっているらしい。
それなのに、家の中でやることもない。困った。
本棚から適当に一冊漁る。
パラパラとそれを眺めた。
狐が出てくる話だ。人間に化けて人間と同じ空間を暮らす。
その狐がヘマをすることによって、話がどんどん続いていく。
鼻から空気を抜いて、本を閉じた。内容はもう知っている。読んだことがある。
家という空間は、外よりもずっとずっと小さいので、やれることは限られている。
しかし読書など、動かずにじっとしていることは体力が要らないので、いつまでも続けていられる。
歩くのは疲れるのだ。だからやれることが少ないはずの家に留まりたいのだ。
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