うつつ

Nick Robertson

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うつつ

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起きたものの
未だ睡眠に片足突っ込んでいて
ぼってりと倒れて夢うつつでいた次第

その夢でも
メモ帳に行動を逐一記していたと思う
いいことだ


足りないものを補った

こりゃ二度寝はしやすそうだなぁ
せっかくだから無理に起こしにかかりはしないでおこう

たんぽぽが黄色なのは
花に黄色の太陽光の波長を弾き返す性質があるから

茶色の線を引いて
すっと落ちていく

敬称を使ってくれないなんて
私は何かあなたを怒らせましたかという頭の悪い質問に
イエス!で応えてみた

ラーメンをズルズルすすって
大将に熱い汁をいっぱい飛ばした

擬態語に囲まれているので
いつも賑やかで寂しくないですし
怖いものもないのです

クラリネット奏者は
クラリネット管理に1番神経を使うが
とは言え
演奏中は指揮者にもクラリネットにも注意を払わなければいけないために大変である

不思議なことずくめだ、全く

もう寝るのかい?早いねぇ

肺が圧迫されているような苦しさ

帰省して肩が凝った

ナマズの腹から真理を取り出す

一般人に公開している教えは
あれは信者獲得のためのダミーでっせ

ちゃあんと終わるようにできている

やりたかったいくつかをまだやってない

的確な指示は出しづらい

混乱を招かないように
いくつもの嘘をついた
時間が経ってそれが嘘だとバレる時には
ほとぼりが冷めていると信じる

これでいいのだ
シンプルに強気な言葉

グニャグニャに歪んだ文字から
どうも自分に似た境遇を感じる
シンパシーと言うのかしらん
愛着を覚えちゃってるのだ、つまりは

長文にも手を出すが
深入りして仕事然にならない方が良いなぁと考える今日この頃

うつぼはタコを食うんだそうだ
ガッと咬んで引きずりこんじゃう

メロンの表面をそっと撫でると
ネットみたいな白い模様の部分が
嬉しくなっちゃってみんな剥がれた

いつまでも夢見がちな姿勢でいたい

失敗なんて知らない

どうもうまくいかないね

水ぼうそうの身をつまむ

いっつも彼岸の向こうで手を振って怒っている

かゆいので何ともならない
思考をそれが侵食し他に何も考えたくなくなるが
それでも他のことを思わないと
いつまでも意識しちゃう

やめてくれ、もう動けない

汗をかいていても正しく在る

お守りとしての役目をもっと果たそっか

床の腐った部分は丁寧にえぐり除いた

長文行くか

万年筆を紙につけて置き続けること

猫のしっぽに絡められて
好きなタイミング、俺には何の断りもなく
押し倒されたり、吹っ飛ばされたり

かゆいのは脱力で治せ
そうしていよう

机の中央にバキ、と割りたい

大きい魚の腹から恐さが漏れていく

奇しくも私は人だった

抵抗があっちゃ、抵抗がちゃいけないのだ

物足りなさよ
私の中で膨らんでおくれ

1日の中でできることって少ないんだもん、あまりにも

2300字書いたのを移すの嫌がったら
次の日5000字移す必要があるわけじゃない
だからコツコツやるっきゃないんだって

人の仕事の邪魔をする
時たま横取りもする
なぜか感謝されることもある

時間がまだ来ていないのだよ

しらみつぶしに探したのに
しらみ1匹も見つからねぇから、不十分なんだろう

意識しないこと
障壁と思わないこと

忍耐の修練なのだ
履修して損は無い

未完でいいもん、絶対いいもん

自慰するのはいかがなものか
時間使っちゃうんだもの
夜でないのは特にいけない
寝る前ならともかく

「やばいって、やばいって」
万能の若者語が競技場の建物の内から聞こえてくる
坂で自転車を押してた兄ちゃん2人も「やばいってあれ」といい
母でさえ「そのケーキやばい」と言う

行きと帰りとで街の明かりがまるで違う

下りのスピードは緩やかだった
私のために抑えているのかと聞くと
夜はスピード落としているのだと答えた
空き缶1つが命取りになるからと

石畳のここよりもっと酷い所をサガンは行く

バニーホップはうさぎ跳び

夕焼けの赤紫色

自販機の下はきれいである

店内はマスク着用を義務づけているようだが
知り合いということもあってか
怒られはしなかった

烏が幾羽も塒へ帰って行く

5ヶ月分の自転車の整備は全て任せて
土産話をつらつら語る


桃の果実の内側からエネルギーを感じた。
舟の舵取りは、それを両手で包んであたりを見渡す。
霧がすんだ池は静寂に包まれている。
櫓はお役御免と立てかけられて、水面に同心円状の波紋を作っている。

舟には3人の同士がきれいに縦に並んで眠っている。
詰まっているので、上の人の足裏が下の人の頭に当たってさえいるが、一向に気にならないようだ。

舵取りは落ち着いた様子で、桃を捻った。

グク、と手ごたえがあって果実は真っ二つに分かれた。
左右の手のひらにそれらを乗せてみると、空から光の柱が断面に降りかかった。曇りの日であるのに、その厚い雲の層を貫いて、薄白のカーテンが注いでいるのだった。

思いついて、舵取りは腕を伸ばして桃を舟の外へ突き出すようにした。
すると水面に赤紫色の鮮やかな彩りが浮かぶ。
光が桃を透過しているのである。

舵取りはまた、3人の同士が眠っているのチラと確認し、桃を体に引き寄せて2つをきっちり合わせ、少し回して元に戻した。



もともと興味はあったが、リオが直接的な引き金になって卓球にハマった。
百均でラケットと玉を買ってきてスコンコンコンコン壁打ちをしていた。
百均のボールは非常に壊れにくいので、何年ももった。

数年経って、8000円のラケット母からもらった。

いらないと言ったのだが、「試合に使うかもしれないでしょう?」と渡された。
確かに「試合出てやるぜぇ」と叫んではいたけれど。

一緒に買ったお高いボールはすぐに全部割れてしまった。
よく弾むけど、耐久性が低すぎる。

それから大分経って、ラージボール大会なら卓球教室に所属しなくても出場できることがわかり、早速手続きした。

すると県の卓球協会長の人が連絡してきて、無所属とはどういうことか、云々を聞いた。
「ラケットはあるのか」と言うので、「百均のがある」と返すと、「百均!!」と驚いていた。
そしてラージボールの試合にはそれ用の特殊なラケットが必要だと教えられた。

結局「お母さんに代わって」と言われ、母によく説明していた。
その日のうちに、母と共にスポーツ用品店を訪れ、ラケットを買い求めた。表面がプツプツしたラバーだ。

一番安いのがいいと思ってたけど、それは片面ペン持ちラケットだったから、こんなの使えるかぁ、とやめにした。

後日、柳承敏と言うペン持ちの人の動画を見て、こんなに簡単に決めに行くスタイルができるんだったらペンにしてもよかったなぁと思った。

試合会場には車で連れてってもらった。
自転車で行くつもりだったのだが、あの協会長が反対したのである。

中には沢山のおじいさんおばあさんがいて、加齢臭がプンプン香った。

待ち時間は長かったりダブルスとかが先に行われて、私の出た『40歳以下個人』はかなりプログラムの後だったのである。

やっと番が回ってきた。
3人参加していたのだが、1人欠場が伝えられたそうだ。

と言うわけで、私はいきなり決勝戦を戦うことになった。
相手は金髪の兄ちゃんである。



朝起きてみると、僕らは蛇のように絡み合って密接していた。

「どうしよう、動けないわ」有紗は言う。

性器は昨日挿入したままになっていて、体をどうにか動かそうとすると快かった。
乾きかけていた有紗の女性器が息を吹き返したように体液を分泌し始めて、すぐにグチュグチュと音が鳴り始める。

「ちょっと、やァ!セックスしてる場合じゃないの!」
「案外僕はこのままで構わないと思い始めているな」

ベッドのシーツは皺がめちゃくちゃに刻まれていて、大きなシミが残っている。そして今、またそこへ新しい汁を広げる。

僕は強引に有紗の唇を奪った。有紗も嫌がらずに応えてくれた。

舌と舌を溶け合わせ、互いの唾液を啜り合う。

ンッ、ンッ、と可愛げな有紗の呻きが聞こえる。
彼女の唾は、コクリと喉が動くのに従って燕下する。

艶やかな睫毛が目の前いっぱいに反り返っている。
2人で一瞬視線を合わせてらそれから目蓋を下ろして心地良さだけに身をゆだねた。

腰の動きが一段と激しくなる。
ドン、と僕らはベッドから落ちた。

背中の右の方に痛みが走ったが、関係あるものか。
僕と有紗は2人とも火照って、体温さえつながっているのだ。心臓の鼓動さえ、1つになる。

蛇だ。大蛇だ。
そこにいるのは1匹の愛の大蛇だ。



貧乏な女子高生から、ニーソ付きの左脚を370万円で買い取った。いつもはホルマリンに漬けているが、時折我慢できなくなった時にそれを瓶から取り出す。

服で拭き取り、ドライヤーで急速に乾かす。
暖まった足はまだふっくらした柔らかさが残っている。

それに頬や鼻を擦り付けて匂いを嗅ぐ。

つま先を内側に向けて股間へ押し付けた。

一旦肺いっぱいに匂いを楽しむと、柔軟剤を吹きかける。
甘ったるい香りに酔うように、再び強く抱きしめるのだ。



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