裁縫の御所

Nick Robertson

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9あ

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私はなおも急ぐ。
暗い道から空気が吸い込まれています。
私は慎重になって歩く。
後ろからそろそろとタチがついてくる。
しばらくして裂け目にたどり着きました。
閉じようとすると、向こうになにやらギラギラしたものが見えます。
それは向こうからすごいスピードでやってきます。
私は急いでしゃがみました。
その光るものは私の頭をかすめてまた上に舞い上がります。
目が異様にギンギラ光る鳥だ。
私は走って逃げましたが追いつかれて鋭い鉤爪が服に刺さります。
私は悲鳴をあげたが時すでに遅し。
私は空を飛んだ。
あたりは闇に包まれているのでわからないがよほど高いと思われました。
私はどうすることもできなかった。
そうして鳥ーその時私は鷲であることに気づきましたがーは急降下しました。
どさりと私は落とされる。
中ではぴいぴい声がする。
ひなだ。私はそう思いました。
すると、私は今から食べられることになります。
どうすればいいんだ。
何かが近づいてくる気配がしたのでとっさに手を出すと鷲の嘴をがしりと押さえていました。
鷲は今にも私をついばもうと大口を開けていたのである!!
私は必死に抵抗しました。
そうして鷲は振りほどこうと嘴を横に振りました。
私の手は外れた。
が、私は間一髪鷲の背中に飛び乗ってガッチリ掴んだ。
鷲は怒って羽ばたいた。
しかし私は離さない。
わしはいよいよカンカンになって巣から飛び出た。
私も必死に爪を立てる。
先ほど掴まれた方が痛む。
血がにじんでいるのがわかる。
鷲は暗い世界から飛び出してそうしてぐるぐる回った。
くらむように明るくなった。
私はしがみついていたが、片足が外れ、もう一方の足も外れ、そして両手も外れて落ちていきました。



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