スルーの達人になりたい

Nick Robertson

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道が緩やかに下り始めた。
どうやらこっちで方向は合っていたらしい。
俺は直進を続けた。
しかしその足はピタリと止まる。

長いレールにトロッコみたいなやつが繋がっている。
「なんだこれ?乗っていいやつ?」
いけないやつに決まっていた。
乗ったら最後どこかに真っ逆さまに落ちるやつだ。これは罠だ、トラップだ。
そこで俺は乗った。
男を楽しめるのは冒険とスリル、それに習慣、食事…、いや、今はスリルが一番、ということにしよう。
かかってこい!

トロッコは初めはズンと揺れたように思えた。
それから一気に加速して坂を下る。
「あわわわ」
俺は冷静沈着に驚く。
ここで終わりじゃ、ないんだろ?
知ってんだぜ。
ほら見ろ、槍が伸びてきた。
俺のトロッコは槍を弾き飛ばす。それどころか粉砕までしたものもある。

は?
ガコウンといって大砲が出てくる。
うわ、難易度が急に…
バーンとタマが当たったようなのだが、トロッコは速度を緩める素振りさえ見せない。

次は大きな、俺が9人縦に並んだような背の高さで、俺が5人横に寝たような太さのおにーさんが出てきて構えた。
しかしトロッコは御構い無しにおにーさんを突き飛ばした。

そうして一番下まで滑り落ちると、勝手に止まった。
俺は、ここのボスは一体何がしたいんだろうと本気で考えた。
最後は遊ばれたという結論になった。
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