荒涼の華

Nick Robertson

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39バナナ

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私はバナナを植えた。
バナナはすくすく育ってたわわり実をつけた。
私は喜んで食べた。
私はバナナになった。
死にたくないので大きくなると主人は我がものがをで私をちぎった。
私は悲鳴も上げれずにただ涙なしに泣いた。
主人は自分が作ったとでも言いたげに私の一部をもぎ取って売り飛ばす。
私が作ったんだ。
私が…
私はおじいさんになった。
私はあまり子孫を残す気がなくなってきた。
どうせもがれるし、そんなことに力を使いたくはない。
主人はちょっと変な顔をした。 
その次の日私は切られて薪になった。
私の悲痛な叫びは炎となってパチパチと爆ぜる。
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