9 / 28
9. Crafting!これ使う人限られてるね!
しおりを挟む放課後、家庭科室にやってきた私と凪。凪は両手に紙袋を持っていた。
「今日は何を作るんですか?」
「今日は…これを作ろうと思う」
「これって……シュシュですか?」
「ああ」
「何故に?」
「特に深い理由はない……が、お前の髪を結ぶときに使えるだろ?」
「いや、まあ、そうですけど……」
我男子ぞ?と言いたくなるが、元女子だったこともあり、嫌悪感は全くないし、髪を結べたら何でもいいかなと思ってしまう。1回ヘアゴムが切れて、代わりに輪ゴムで結おうとしたら、凪に怒られたし、クラスメイトには涙ながらにめちゃくちゃ止められたため、それからちゃんとヘアゴムで結うようにしているのだ。
私達はシュシュ作りに没頭した。凪はフワフワとした白い生地を使って作っていき、私は黒いシンプルな生地を使って作っていく。
「この生地はいつものお店で買ったんですか?」
「ああ、いい生地が入ったと聞いてな。それと他にいくつか取り寄せたんだ」
凪には、行きつけの手芸屋さんがあって、そこの店主さんと仲が良いため、良い商品が入荷したら連絡をくれるのだ。
「できた」
「え、早くないですか?流石ですね……」
「まあ、こんなもんだろ」
「あ、じゃあ次はこの生地で作って下さい。私、この生地好きです」
「分かった」
凪は私が差し出した濃紺の布にラメが控えめに入っているものを受け取り、シュシュを作り始めた。
いつの間にか夕暮れ時になり7個目のシュシュを作り終えた私はそろそろ帰宅を促そうと凪の方を見た。
凪は黙々と大小様々な大きさのシュシュを量産しており、机の4分の1が埋まるくらい作っていた。
「凪、そろそろ帰りませんか?」
「…………ああ、そうだな」
作っていた物を素早く終わらせると、凪は机の上にあるシュシュの山に気がつく。
「これ、作りすぎじゃないですか?」
「あー……没頭して、つい」
「どうするんですか、これ。私こんなにいらないんですけど……」
「余ったのは、いつものようにネットで売ればいい」
そうですね。と返事をしながら大量のシュシュを布地を入れていた袋に詰め、持って帰ることにした。
部屋に帰ってから、欲しい物だけ頂戴することにしよう。
「あ、良ければ、自分の分以外にいくつか貰ってもいいですか?」
そう訊ねると、特に理由を追求することなく、いいぞ、と快諾してくれた。
私は一言お礼を言い、シュシュを詰めながら欲しい物に目星を付けていった。
「……白川、ちょっといいか?」
「え、なんですか?」
私の質問に答えることなく、凪は私の髪を手に取った。
急に近づいてきて、私の髪を弄る。
その行為に、ああ、髪をアレンジしたかったんだな。と察し、これ私じゃなかったら惚れてたなと目からハイライトが消えて空笑いをする。
「できたぞ」
スマホのカメラ機能を鏡替わりにして見せてくれた凪。
私の髪はサイドを三つ編みにされ、セミロングの髪をお団子にされていた。お団子をまとめるために使われたシュシュは、私の瞳と同じ色…水色のシフォン生地のものだった。
「あら、可愛いですね。明日もやってくれます?」
私が聞けば凪から、気が乗ったらな、と曖昧な返事を貰ったのだった。
翌日の朝、凪に前回より凝ったアレンジをされ、朝からキャーキャー言われたことをここに記しておこう。
50
あなたにおすすめの小説
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。
或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。
自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい!
そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。
瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。
圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって……
̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶
【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ
番外編、牛歩更新です🙇♀️
※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。
少しですが百合要素があります。
☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました!
第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
聞いてた話と何か違う!
きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。
生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!?
聞いてた話と何か違うんですけど!
※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。
他のサイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる