BL学園の姫になってしまいました!

内田ぴえろ

文字の大きさ
11 / 28

11. Charming!可愛いは正義!

しおりを挟む

「ねぇ、白川様。委員長と何かあった?」

 お茶の準備をしていると、突然桃山くんが話しかけてきた。
 私は唐突な話題に反応が遅れたが、桃山くんの質問に答える。

「ええ、とある生徒と少しばかり揉めましたが……何故分かったんですか?」

「委員長ね、疲れてたり苛立ちとかで感情が昂ってたら、いっつもミルクティーにするの」

 可愛いでしょ?と愛らしく笑う桃山くんに、クスッと笑って、可愛いですね。と答える。

「で、委員長とその生徒は何で揉めたの?」

「簡単に言えば、生徒会との関わり方についてですね」

「あ~、また生徒会か~」

「また、ですか?」

 うん、と頷いて、桃山くんは沸騰したお湯をティーポットに注ぐ。

「委員長があんなになるのは、仕事が多い時か生徒会……主に有栖川が絡んでる時かのどっちかなの」

「そうなんですね。まあ、生徒会と風紀委員は犬猿の仲と言われてますし、仕方ないのでしょうか」

「ま~ね、ボクも生徒会嫌いだし!特に双子!」

 ゔぅ~と唸るような表情で空を睨む桃山くんに、思わず笑ってしまう。
 笑い事じゃないんだけど~!?とぷりぷり怒る姿も愛らしく、すみませんと口で言いながら、頭1つ分程低い位置にある頭を撫でてしまう。
 もぉ~、と言いつつ、桃山くんは撫でられることを拒まず、お茶の準備を終わらせた。

「よし、できた!」

「私が運びますね」

 私はトレイにカップを乗せ、桃山くんが開けてくれたドアから出る。
 桃山くんが持ってきた資料を見ながら仕事をしている氷川先輩の机の上にミルクティーを邪魔にならない所へ置くと、氷川先輩は書類から目を離すことなく礼を言った。

 私と桃山くんは、来客用のテーブルに紅茶を置き、ソファーに座って要件を済ませることにした。
 テーブルの上に持ってきたシュシュをざっと並べると、桃山くんの目が輝いた。

「これ、全部作ったの!?」

「正確には、凪が、ですけどね」

「黒瀬様すっご~い!どれも可愛い~!」

「お好きなだけお取りください」

「やった~!ありがと~!」

 どれにしようかな~とシュシュを手に取り、選り好みする桃山くん。
 私もいくつか桃山くんに似合いそうな物を手に取り、ふわふわなピンク色の髪を結っていく。

 可愛い~と思いながら、写真を撮ろうとスマホのカメラを向けると、カメラに気付いた桃山くんは花が咲いたようにニコッと笑ったり、頬に手を当てるなどの可愛いポーズを決める。
 自分の可愛さを分かっているから出来る事だなと、あざとさを感じながらも、可愛いものは可愛い。可愛いは正義。と写真を撮る手を止められなかった。

 シュシュ選び及び撮影会が終わり、最終的に選んだのは大小様々なシュシュ5つだった。

「あ、そうだ、白川様が作ったのはこの中にある?」

「えっと…………この4つですね。あと、桃山くんが持ってる、その薄い紫の物も私が作りました」

 私はシュシュの山から自分が作った物を取り、桃山くんの前に並べる。

「んー、じゃあ、この黄色のやつも貰っていい?」

「ええ、勿論!」

 わぁ~い!とはしゃぐ桃山くんの可愛さにデレッとしてしまう。

「この紫のやつ、ボクの目の色に似てるな~って思ってたんだ~!」

「私もこの布が目に付いた時、桃山くんの瞳の色みたいだと思って、作ったんです!」

「ほんとに?白川様、大好き~!」

「ふふっ、私も大好きですよ、桃山くん」

 キャッキャッと戯れてから、名残惜しいけれど帰ることにした。

「それでは、桃山くん、氷川先輩、私はこれで失礼します。」

「ああ、気をつけて帰れ」

「また来てね~!」

「ええ。今度はお菓子でも持ってきますね!」

 失礼しました、と言って風紀委員室を出る。
 廊下から見えた空は青さを残しながらも赤くなりかけていた。

 満足感と心地良さを感じながら、私は寮へ戻る道を辿ったのだった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。 生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!? 聞いてた話と何か違うんですけど! ※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。 他のサイトにも投稿しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

処理中です...