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11. Charming!可愛いは正義!
しおりを挟む「ねぇ、白川様。委員長と何かあった?」
お茶の準備をしていると、突然桃山くんが話しかけてきた。
私は唐突な話題に反応が遅れたが、桃山くんの質問に答える。
「ええ、とある生徒と少しばかり揉めましたが……何故分かったんですか?」
「委員長ね、疲れてたり苛立ちとかで感情が昂ってたら、いっつもミルクティーにするの」
可愛いでしょ?と愛らしく笑う桃山くんに、クスッと笑って、可愛いですね。と答える。
「で、委員長とその生徒は何で揉めたの?」
「簡単に言えば、生徒会との関わり方についてですね」
「あ~、また生徒会か~」
「また、ですか?」
うん、と頷いて、桃山くんは沸騰したお湯をティーポットに注ぐ。
「委員長があんなになるのは、仕事が多い時か生徒会……主に有栖川が絡んでる時かのどっちかなの」
「そうなんですね。まあ、生徒会と風紀委員は犬猿の仲と言われてますし、仕方ないのでしょうか」
「ま~ね、ボクも生徒会嫌いだし!特に双子!」
ゔぅ~と唸るような表情で空を睨む桃山くんに、思わず笑ってしまう。
笑い事じゃないんだけど~!?とぷりぷり怒る姿も愛らしく、すみませんと口で言いながら、頭1つ分程低い位置にある頭を撫でてしまう。
もぉ~、と言いつつ、桃山くんは撫でられることを拒まず、お茶の準備を終わらせた。
「よし、できた!」
「私が運びますね」
私はトレイにカップを乗せ、桃山くんが開けてくれたドアから出る。
桃山くんが持ってきた資料を見ながら仕事をしている氷川先輩の机の上にミルクティーを邪魔にならない所へ置くと、氷川先輩は書類から目を離すことなく礼を言った。
私と桃山くんは、来客用のテーブルに紅茶を置き、ソファーに座って要件を済ませることにした。
テーブルの上に持ってきたシュシュをざっと並べると、桃山くんの目が輝いた。
「これ、全部作ったの!?」
「正確には、凪が、ですけどね」
「黒瀬様すっご~い!どれも可愛い~!」
「お好きなだけお取りください」
「やった~!ありがと~!」
どれにしようかな~とシュシュを手に取り、選り好みする桃山くん。
私もいくつか桃山くんに似合いそうな物を手に取り、ふわふわなピンク色の髪を結っていく。
可愛い~と思いながら、写真を撮ろうとスマホのカメラを向けると、カメラに気付いた桃山くんは花が咲いたようにニコッと笑ったり、頬に手を当てるなどの可愛いポーズを決める。
自分の可愛さを分かっているから出来る事だなと、あざとさを感じながらも、可愛いものは可愛い。可愛いは正義。と写真を撮る手を止められなかった。
シュシュ選び及び撮影会が終わり、最終的に選んだのは大小様々なシュシュ5つだった。
「あ、そうだ、白川様が作ったのはこの中にある?」
「えっと…………この4つですね。あと、桃山くんが持ってる、その薄い紫の物も私が作りました」
私はシュシュの山から自分が作った物を取り、桃山くんの前に並べる。
「んー、じゃあ、この黄色のやつも貰っていい?」
「ええ、勿論!」
わぁ~い!とはしゃぐ桃山くんの可愛さにデレッとしてしまう。
「この紫のやつ、ボクの目の色に似てるな~って思ってたんだ~!」
「私もこの布が目に付いた時、桃山くんの瞳の色みたいだと思って、作ったんです!」
「ほんとに?白川様、大好き~!」
「ふふっ、私も大好きですよ、桃山くん」
キャッキャッと戯れてから、名残惜しいけれど帰ることにした。
「それでは、桃山くん、氷川先輩、私はこれで失礼します。」
「ああ、気をつけて帰れ」
「また来てね~!」
「ええ。今度はお菓子でも持ってきますね!」
失礼しました、と言って風紀委員室を出る。
廊下から見えた空は青さを残しながらも赤くなりかけていた。
満足感と心地良さを感じながら、私は寮へ戻る道を辿ったのだった。
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