私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
27 / 378

27話 愛娘の実力を測るお父様でございます!

しおりを挟む

 水色のオーラを纏ったリンネちゃんは、さらに補助魔法を自分に使い始める。


「オフェ……スフェ……エフェ……」


 それに対し、お父さんは物珍しそうな顔で彼女を見てこう言った。


「へぇ……なんか凄いもの纏ってるなぁ……それに自分で補助魔法を使うのか」


 魔法詠唱し終わったリンネちゃんはお父さんにこう答える。


「うん、この水色のが『魔流の気』って言って、身体能力をあげる特技なんだよ!」
「ほお、そんなのどこで?」
「それはあとで教えてあ・げ・るっ!」

 
 リンネちゃんは地面を強く蹴り、お父さんまでの間合いを一気に詰めた。
 そしてそのまま、私が人体の仕組みを教えてる時に特に教え込んだこと、それは生き物の急所……その一つであるみぞおちを狙って交差するように構えていた双剣の右での方で突こうとする。
 しかし、お父さんは全速力であるリンネちゃんのスピードに対応し、その突きを彼の左手にある剣の剣身で滑らせるように捌く。
 リンネちゃんも、その突いた時の勢いを殺さぬまま、くるりと素早く一回転し、左手の剣で首筋を狙う。
 またお父さんは左手の剣のガードでその首筋による攻撃を防ごうとするが、リンネちゃんはそれと同時に、足払いをかけていた。
 それが見事に決まり、お父さんはよろける。
 その瞬間、右手の双剣を彼女は彼の右肩に振り下ろす。
 とっさにお父さんは右手の剣を、したから突き上げるように動かし、リンネちゃんの剣の腹に向かって、肩からそらすように剣先を当てた。
 が、リンネちゃんは手首を少し曲げ、そのリンネちゃんの剣の剣先が、お父さんの肩に当たった。
 お父さんはリンネちゃんからバックステップで距離をとった。


「おお! 凄いぞリンネ!」
「やったぁぁぁぁぁっ!! 初めてお父さんに攻撃が当たったよぉ!」
「よし! 続けるぞ、リンネ」
「うん!」


 その言葉を合図に、リンネちゃんは右の双剣を横に切る動作を構えているように、肩の上に構え、その剣先に魔力が溜まっていく。

 あ、魔爆斬するつもりなの?

 私の予想は当たり、リンネちゃんはお父さんに向かって魔爆斬を両手の剣で連発する。
 お父さんは、その向かってくる刃の塊を見て、こう呟く。


「滝鏡一閃!」


 そして、いつの間にか取っていた居合の構えから、お父さんめがけて飛んでくる刃が一直線上に揃った時に、剣を振るった。
 だけど、もちろんそれは全部爆発が仕込まれてる刃。
 打ち斬り落とされた刃はそのまま空中で爆発する。


「おわっ!」

 
 爆風により視界を阻まれたお父さんに向かって、リンネちゃんがまたもや間合いを一気に詰め、技を放った。
 

「蛇行交斬!」


 これは、5日前に新しくリンネちゃんが覚えた技だ。
 二つの剣筋がまるで蛇のように唸って交わる、少し変わった技。

 また、お父さんに当たったかと思われたがしかし、なんとお父さんはすでにリンネちゃんの後ろに回っていて、こう呟く。


「断斬!」
「きゃっ!」


 リンネちゃんはその言葉とともに後ろに転ぶ。
 というか転ばされ、お父さんが放った剣撃を回避させられた。
 どうやら、お父さんが技を当てないようにしたみたいだ。
 ちなみに断斬はリンネちゃんも7日前に覚えている。

 お父さんの勝ちだね。


「ふぇ…お父さん強い……」
「リンネも、かなり強くなってたじゃないか! お父さんびっくりしたぞ、一体何があったんだ?」
「えへへ……実はね」


 リンネちゃんはお母さん、お父さんに私に特訓をつけてもらっていること、私の特技のおかげで私と特訓することで上達の速さが何倍にもなることを言った。
 ロモンちゃんもそれに相槌をうつ。


「へぇ……そんな事がなぁ…」


 お父さんは私にかなり興味を持ったみたいだ。
 お母さんは相変わらずメモを取っている。

 するといきなり、何を考えているのかリンネちゃんはお父さんの袖を引っ張って上目遣いをし始めた。ぶりっ子可愛い。


「うぉっ!? どうした、リンネ。そんな可愛い顔して…お父さんに何かお願いあるのかな? 言ってごらん」


 すると、リンネちゃんはニコッと笑ってこう言った。


「お父さんの覚えてる特技……粗方教えて欲しいの、アイリスちゃんに」


 それを聞き、お父さんは非常に驚いた顔をしている。


「ア…アイリスちゃんに!? いいけど……なんで?」
「それはね! お父さん」


 今度はロモンちゃんが、私が技を一度でもゆっくりと見れば再現し、習得できることを伝えた。
 
 途中、お母さんも口を挟む。


「でもそれじゃ、私の魔法はアイリスちゃん魔物だし、覚えられないから、ロモンは魔物魔法をどうやっておぼえるの?」
【それならば心配いりません】


 いつの間にかお母さんまで教える事になっている事は置いていておく。
 
 それよりも、最近気づいた、私が傍に居えすれば、教授の叡知は効果があることを4人に告げる。
 ちなみに、これはロモンちゃんもリンネちゃんも初耳である。


「わかった……可愛い娘のためよ! お母さんの技術、たっぷり仕込んであげるわよ、明日!」
「あ……ありがと! お母さん!」


 ロモンちゃんはお母さんに抱きついた。


「私の剣技もちゃーんとおぼえるんだぞ! リンネ、アイリスちゃん」
「ありがと!」
【ありがとうございます】


 リンネちゃんはお父さんに抱きついた。


 そうだ、もう少し交渉してみるか。
 魔法の種類を増やしたい。
 もしかしたら、氷魔法以外の魔法を覚えられるかも。


【お母様、お父様】
「ん? なんだ?」
「どうしたの?」


 私は、自分は魔方陣を見ただけで、その魔方陣をイメージする事によってその魔法を使えるようになる事をさらに告げた。


「ならベスが、土、風、火の魔法を使えるわ。それに私も雷の魔法が使える」
「そうだな、私も水魔法と火魔法が使えるぞ!」


 そうか、ならば教えてもらおう。


【是非とも……全て教えていただきたいのです!】
「ええ、いいわよ」
「いいぞ!」
【ありがとうございます!】


 よし、明日は少し忙しい1日に____
 そう考えた矢先、お父さんとお母さんがニヤッと笑いだす。
 ちょっとなんか企んでそうな顔だ。


「ねぇ、アイリスちゃん。私達にもお願いがあるんだけど」
【はいなんでしょう?】


 お父さんが、まずはお願いをしだした。


「私と勝負してくれ。是非とも伝説的なその力と闘ってみたいのだ!」
【ええ、いいですよ】


 お母さんもお願いをしだす。


「私は、貴女とベルを闘わせたい。いいかしら?」
【ええ、どうぞ】


 少々安易に頼まれてしまったが、私にとっても自分より強いだろう相手と試合ができるのは好ましいことだ。
 
 そう考えていた矢先、さらに二人は顔を見合わせ、同時にこう発した。なんだなんだ?


「そしてもう一つ」
「「その魔流の気とかいう特技を教えてくれないか(ちょうだい)」」


 私はいきなり息を合わせてきた二人に驚きつつ、念を送る。


【ええ……よろしいです】
「そうか……感謝する。では早速」


 そう言いつつ、彼は背中の剣をとり、構える。


「勝負といこうか」
【え? 今からですか?】
「そうだ、今からだ。私は身体は疲れてないから心配するな」
【そうですか、わかりました】


 私も、彼から数歩距離をとり、拳を構える。
 まだ時間もあるし、いいだろう。
 心の準備も既にできている。


【お願い致します!】
「あぁっ!」


 そんな風に3人で盛り上がってた中、双子姉妹は口をポカンと開けていて、この状況に追いつけないでいたみたいだった。
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

処理中です...