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36話 泊まる場所が決まったのでございます!
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36
「本当に、本当にどうもありがとうございました!」
男の人と女の人は、私達の前で膝を地につけ土下座をしている。
そこまでしなくて良いんだけど……。
【お二人共、お顔をお上げください。私達は当然のことをしたまでですので】
そう、私が念話すると二人は顔を上げた。
「本当に感謝しているんです! 娘は猛毒(下)にかかっていたので……」
「何故、娘さんは猛毒の下なんかに?」
リンネちゃんは、二人にそう訊いた。
それに、男の人…この宿屋の店主さんが答える。
「どうやら、客が置いていった毒薬を、なんかの拍子で浴びてしまったみたいで……」
毒薬をつかって魔物を仕留める冒険者も確かにいる。
だけど、そんな商売道具である危険物を置いていくなんて、トンマな冒険者だなぁ…。
私達が居たから良かったものの、あと2日もあればこの人達の娘さんは死んでたんだけど。
【それは災難でしたね。ところでこの宿、泊まらせてもらえませんか? できれば長期滞在したいのですが】
このままだと宿屋の店主と夫人はずっと感謝したままだろうから、少し強引に話を進める事にした。
「それでしたら、丁度今、三人用の部屋が一部屋、空いておりまして……」
あれ、私は人じゃないぞ?
魔物だよ?
魔物は基本、宿屋とかの施設では頭数に入らない事になってるんだけど。
【あの、私は魔物なんですが……】
「いえ、貴女は私達の大事な一人娘を救ってくださった。それに言葉も通じる。私達にとっては立派な人間です」
【ですがお金が……】
そう、結局はお金の問題なんだよ。
二人分の部屋で済むものを三人分の部屋に入れられて、三人分の料金をとられるなんてたまったもんじゃない。
しかし、宿屋の夫妻はこう言った。
「皆様方が滞在中半年間、宿代は頂きません」
その言葉に、私達三人は互いに顔を見合わせる。
「そっ…そんは悪いですよ!」
「そうですよ、半年間も無料だなんて」
【本当によろしいのですか?】
二人は遠慮しているけれど、私としては貰えるものはもらっておきたい。
それに、普通ならば猛毒の下を治すのには120万ストンはかかる。
私が把握している限りでは、このレベルの宿屋なら一泊5000ストン。
まぁ、日本だったら8000円ぐらいだろうけど。
それが半年だから……約90万ストンか。
30万ストンも宿屋側は得をする事になる。
十分、もらうべき報酬だと思うんだけどね。
「はい、構いません! 娘の命にくらべたらその程度、安いものです」
宿屋の店主だってそう言ってる。
二人は未だ悩んでいるようだけど、私がさっきの計算結果を二人にだけ念話を特定して伝えた。
結局、二人も言葉に甘えても良いという結論に至った。
【では、お言葉に甘えてもよろしいですか?】
「はい! それではお部屋に案内します、ついてきてください」
私達は店主さんの後に続き、受付を出て、二階に上がり、窓から街の情景がかなり良く見える部屋へと着いた。
「それでは、ごゆっくり。本当にありがとうございました!」
そう言いながらリンネちゃんに部屋の鍵を渡した店主さんは、一階の受付へと戻っていった。
よし、偶然だけど、これで宿をただで確保できた。
大会に参加するための費用、10万ストンには割とすぐに手が届くかもしれない。
「ふわぁ……アイリスちゃんすごい……タダで泊まれちゃった。こんないいお部屋に」
「ねぇ、本当。お風呂もトイレもあるし、ベットも3台……3台も要らないよね、アイリスちゃん。ぼく達と寝るもんね?」
【えぇ、まあ】
今は大体、4時だね。
今から仕事行ったとしても、帰る頃には暗くなってるか野宿をしなきゃいけないかだ。
今日1日は、もうやる事がない。
どうしようかな? 食事に行くにしても、あと2時間後でいいもの。
【これからはどうします? 夕食まで、できることはないですが……】
「ん~……城下町から出て、魔物でも狩りに行く? お姉ちゃん」
「あと3万ストンで大会に参加するだけのお金は貯まるよね。だったら今日はのんびり過ごそうよ」
「そだね」
どうやら、二人の間ではやる事が決まったみたいだ。
うーん、私はもう少し情報が欲しいなぁ…。
確かに大会に参加するにはあと3万ストンでいいかもしれない。
大会の準備も、ワイバーンの鱗が使われてるから、防具は問題ないだろう。
でも、武器だよね、それと食事代。
ロモンちゃんには、基本、武器はいらないし、装備するにしても杖ぐらいかもしれないけれど、リンネちゃんは剣2本だよ?
それに今の剣はただの鉄の剣。不安が募るばかり。
だって、今回、リンネちゃんが参加しようとしてる大会、F~Cランクの冒険者の剣術武闘大会だからね?
せめて鋼の剣ぐらいは使ってほしい。
だって、ほとんどの参加者はDかCランカーらしいから。
あ、ちなみにロモンちゃんが参加しようとしている大会もF~Cランクの冒険者が参加する魔物武闘大会だよ?
実際はこの大会、Cランクの魔物しか居ないらしいけどね。
うーん、稼ぐ方法ないかなぁ……。
剣二本ってすごく高いんだよなぁ……。
ここ、宿屋だし、冒険者が落とした良い情報を店主さんは知ってるかもしれない。
うん、店主さんに訊いてみようかな。
【私、少しこの宿屋を見て回ってきますね】
「ん? そう。一人で大丈夫?」
「大丈夫じゃない? アイリスちゃん、ぼく達よりよっぽどしっかりしてるし」
「それもそだね、いってらっしゃい」
【はい、行ってまいります】
私は階段が降りずらい幼体化を解き、もとのリトルリペアゴーレムとなった。
やっぱり手がでかい。
手すりが掴みにくい。
受付にはすでに店主さんが居たので、さっそく話しかけてみる。
【どうも】
「なっ……なんで魔物が!? ……って、先程のゴーレムさんでしたか」
幼体化を解いたから一瞬、私が誰だかわからなかったみたいだね。
そんなことは置いといて、とりあえず訊きたいことをきこう。
話してくれるといいんだけど。
【もう、娘さんは大丈夫なんですか?】
「ええっ! おかげさまで。さっき目覚めましたよ。今は妻が面倒を見てます。ですからこうして受付に立てているわけでして」
店主さんはとても嬉しそうに話してくれる。
こんなに嬉しそうだと、私も助けた甲斐があったってものだね。
さて、そろそろ本題に入ろうか。
【店主さん、どこかに魔物が沢山現れたりするような場所はございませんか? 少々、私の主人達には秘密裏にお金を稼ぎたいものですから】
「おや、また、それは何故……いえ、ききません。何やら事情があるのでしょう」
宿屋の主人は何か勘違いをしているみたいだけど、私はただあの娘達に新しい武器をプレゼントしたいだけだなんだよね。
ま、自分で言う必要はないか。
「……ですが、どうやって魔物である貴女が魔物の素材を売却するのですか?」
これはちゃんと方法があるんだ。
まぁ、成功するかどうかはわからないけれどね。
【お使いで魔物の素材を売りに来る人が居ると、冒険の店の人が話していたのをきいたので、ギルドでお使いをしてくれる方を探そうかと思っております。魔物が依頼をすることが、過去にあったそうなので】
「おや、それは思いつきませんでした」
そう言って、店主さんは納得をしたような表情をしている。
「なら……少々、お待ちくださいね」
なにか良い場所があるのか、そう言うと、宿屋の主人は受付の奥へ行き、すぐに手に地図を持って戻ってきた。
その地図を受付台に広げ、地図の真ん中を指差した。
「ここがこの城下町です、南南東に行ったところに、虫の魔物がそこそこ出没する森があります。そして、ここにはなんと、ダンジョンがあるらしくて……」
【そうなんですか!】
これは良いことを聞いた。
ダンジョンとは大量の魔物が住んでいる、いわゆる魔物の巣だ。
ダンジョンにいる魔物とは念話はできないし、もちろん仲魔にもできないけれど、経験値や素材は手に入れられる。
本来は自然にできる物のはずなんだけれど、時たま、まるで人工的に作ったかのような内装のダンジョンなどもあるらしい。
ダンジョンは通常、そのダンジョンの周りに街が作られ攻略されていく『管理ダンジョン』と、国や街が管理していない『野良ダンジョン』がある。
ダンジョンは今まで無かったはずの場所にも突然できるため、割と『野良ダンジョン』も多いらしい。
ダンジョンにはランクが定められていて、例えば街が管理しているダンジョンがCランクダンジョンと認定されたならば、Dランクの冒険者以下は入れないといった感じである。
ダンジョンを攻略し、奥に居るダンジョンマスターを倒せば、ダンジョンをクリアしたことになるらしく、その際は膨大な富や、アーティファクトと呼ばれる伝説級の強さを持つ武器・道具が手に入るのだとか。
こんな森の中にあるってことは、店主さんが教えてくれたダンジョンは野良ダンジョンなんだろう。
管理ダンジョンだと入場料とか、冒険者カードの提示が必要な場合があるし、正直助かった。
「そのダンジョンの名前は『天の道のダンジョン』と呼ばれてるらしくって…。最近発見された、野良ダンジョンだそうですよ。宿泊客が話してるのを聞きました。今、一部の冒険者達の間で話題になってるらしいです」
店主さん、天の道ってなんですか?
なんか、名前からしてすごく強そうな感じがするんだけど……ま、金稼ぎのためなら仕方ないかな。
【なるほど、ありがとうございます】
「いえいえ、娘の恩人なので。…まだ、お金を稼ぐ方法なら一応あるのですが、聞きます? 私はあまりオススメしないのですし、ゴーレムである貴女は無理かもしれませんが……」
お使いの容量でなんとかできるかもしれない。
店主さんはオススメしないって言ってるけれど、聞いておくだけ損はないと思う。
【まぁ、なんとかなるかもしれません。その方法とは?】
「単純ですよ、近々行われる魔物武闘大会で国公認の賭け事が行われるんです。国の資金調達ですね。ですから私はあまりオススメはしません」
なんだ、賭け事か…。
でも、その魔物武闘大会ってどう考えても私が出場するやつだよね……。
なら、私が私自身になんらかの方法を使って賭ければ……。
大金が手に入る可能性があるね。
それも、運次第の賭け事じゃなくて自分が頑張れば確実な代物。
武器の購入とは別に、賭け用の資金を用意するのも悪くないかも。
【うーん、私には難しそうですね。魔物が賭けれられるとは思いませんから……。とにかく、情報ありがとうございました】
「いえいえ、またなにか情報がありましたらお訊
き下さいね。答えられることはお答えします」
私は店主さんに一礼し、ロモンちゃん達が居る部屋へと戻る。
さて……稼ぐのは今夜だな。
二人が寝てからね。
「本当に、本当にどうもありがとうございました!」
男の人と女の人は、私達の前で膝を地につけ土下座をしている。
そこまでしなくて良いんだけど……。
【お二人共、お顔をお上げください。私達は当然のことをしたまでですので】
そう、私が念話すると二人は顔を上げた。
「本当に感謝しているんです! 娘は猛毒(下)にかかっていたので……」
「何故、娘さんは猛毒の下なんかに?」
リンネちゃんは、二人にそう訊いた。
それに、男の人…この宿屋の店主さんが答える。
「どうやら、客が置いていった毒薬を、なんかの拍子で浴びてしまったみたいで……」
毒薬をつかって魔物を仕留める冒険者も確かにいる。
だけど、そんな商売道具である危険物を置いていくなんて、トンマな冒険者だなぁ…。
私達が居たから良かったものの、あと2日もあればこの人達の娘さんは死んでたんだけど。
【それは災難でしたね。ところでこの宿、泊まらせてもらえませんか? できれば長期滞在したいのですが】
このままだと宿屋の店主と夫人はずっと感謝したままだろうから、少し強引に話を進める事にした。
「それでしたら、丁度今、三人用の部屋が一部屋、空いておりまして……」
あれ、私は人じゃないぞ?
魔物だよ?
魔物は基本、宿屋とかの施設では頭数に入らない事になってるんだけど。
【あの、私は魔物なんですが……】
「いえ、貴女は私達の大事な一人娘を救ってくださった。それに言葉も通じる。私達にとっては立派な人間です」
【ですがお金が……】
そう、結局はお金の問題なんだよ。
二人分の部屋で済むものを三人分の部屋に入れられて、三人分の料金をとられるなんてたまったもんじゃない。
しかし、宿屋の夫妻はこう言った。
「皆様方が滞在中半年間、宿代は頂きません」
その言葉に、私達三人は互いに顔を見合わせる。
「そっ…そんは悪いですよ!」
「そうですよ、半年間も無料だなんて」
【本当によろしいのですか?】
二人は遠慮しているけれど、私としては貰えるものはもらっておきたい。
それに、普通ならば猛毒の下を治すのには120万ストンはかかる。
私が把握している限りでは、このレベルの宿屋なら一泊5000ストン。
まぁ、日本だったら8000円ぐらいだろうけど。
それが半年だから……約90万ストンか。
30万ストンも宿屋側は得をする事になる。
十分、もらうべき報酬だと思うんだけどね。
「はい、構いません! 娘の命にくらべたらその程度、安いものです」
宿屋の店主だってそう言ってる。
二人は未だ悩んでいるようだけど、私がさっきの計算結果を二人にだけ念話を特定して伝えた。
結局、二人も言葉に甘えても良いという結論に至った。
【では、お言葉に甘えてもよろしいですか?】
「はい! それではお部屋に案内します、ついてきてください」
私達は店主さんの後に続き、受付を出て、二階に上がり、窓から街の情景がかなり良く見える部屋へと着いた。
「それでは、ごゆっくり。本当にありがとうございました!」
そう言いながらリンネちゃんに部屋の鍵を渡した店主さんは、一階の受付へと戻っていった。
よし、偶然だけど、これで宿をただで確保できた。
大会に参加するための費用、10万ストンには割とすぐに手が届くかもしれない。
「ふわぁ……アイリスちゃんすごい……タダで泊まれちゃった。こんないいお部屋に」
「ねぇ、本当。お風呂もトイレもあるし、ベットも3台……3台も要らないよね、アイリスちゃん。ぼく達と寝るもんね?」
【えぇ、まあ】
今は大体、4時だね。
今から仕事行ったとしても、帰る頃には暗くなってるか野宿をしなきゃいけないかだ。
今日1日は、もうやる事がない。
どうしようかな? 食事に行くにしても、あと2時間後でいいもの。
【これからはどうします? 夕食まで、できることはないですが……】
「ん~……城下町から出て、魔物でも狩りに行く? お姉ちゃん」
「あと3万ストンで大会に参加するだけのお金は貯まるよね。だったら今日はのんびり過ごそうよ」
「そだね」
どうやら、二人の間ではやる事が決まったみたいだ。
うーん、私はもう少し情報が欲しいなぁ…。
確かに大会に参加するにはあと3万ストンでいいかもしれない。
大会の準備も、ワイバーンの鱗が使われてるから、防具は問題ないだろう。
でも、武器だよね、それと食事代。
ロモンちゃんには、基本、武器はいらないし、装備するにしても杖ぐらいかもしれないけれど、リンネちゃんは剣2本だよ?
それに今の剣はただの鉄の剣。不安が募るばかり。
だって、今回、リンネちゃんが参加しようとしてる大会、F~Cランクの冒険者の剣術武闘大会だからね?
せめて鋼の剣ぐらいは使ってほしい。
だって、ほとんどの参加者はDかCランカーらしいから。
あ、ちなみにロモンちゃんが参加しようとしている大会もF~Cランクの冒険者が参加する魔物武闘大会だよ?
実際はこの大会、Cランクの魔物しか居ないらしいけどね。
うーん、稼ぐ方法ないかなぁ……。
剣二本ってすごく高いんだよなぁ……。
ここ、宿屋だし、冒険者が落とした良い情報を店主さんは知ってるかもしれない。
うん、店主さんに訊いてみようかな。
【私、少しこの宿屋を見て回ってきますね】
「ん? そう。一人で大丈夫?」
「大丈夫じゃない? アイリスちゃん、ぼく達よりよっぽどしっかりしてるし」
「それもそだね、いってらっしゃい」
【はい、行ってまいります】
私は階段が降りずらい幼体化を解き、もとのリトルリペアゴーレムとなった。
やっぱり手がでかい。
手すりが掴みにくい。
受付にはすでに店主さんが居たので、さっそく話しかけてみる。
【どうも】
「なっ……なんで魔物が!? ……って、先程のゴーレムさんでしたか」
幼体化を解いたから一瞬、私が誰だかわからなかったみたいだね。
そんなことは置いといて、とりあえず訊きたいことをきこう。
話してくれるといいんだけど。
【もう、娘さんは大丈夫なんですか?】
「ええっ! おかげさまで。さっき目覚めましたよ。今は妻が面倒を見てます。ですからこうして受付に立てているわけでして」
店主さんはとても嬉しそうに話してくれる。
こんなに嬉しそうだと、私も助けた甲斐があったってものだね。
さて、そろそろ本題に入ろうか。
【店主さん、どこかに魔物が沢山現れたりするような場所はございませんか? 少々、私の主人達には秘密裏にお金を稼ぎたいものですから】
「おや、また、それは何故……いえ、ききません。何やら事情があるのでしょう」
宿屋の主人は何か勘違いをしているみたいだけど、私はただあの娘達に新しい武器をプレゼントしたいだけだなんだよね。
ま、自分で言う必要はないか。
「……ですが、どうやって魔物である貴女が魔物の素材を売却するのですか?」
これはちゃんと方法があるんだ。
まぁ、成功するかどうかはわからないけれどね。
【お使いで魔物の素材を売りに来る人が居ると、冒険の店の人が話していたのをきいたので、ギルドでお使いをしてくれる方を探そうかと思っております。魔物が依頼をすることが、過去にあったそうなので】
「おや、それは思いつきませんでした」
そう言って、店主さんは納得をしたような表情をしている。
「なら……少々、お待ちくださいね」
なにか良い場所があるのか、そう言うと、宿屋の主人は受付の奥へ行き、すぐに手に地図を持って戻ってきた。
その地図を受付台に広げ、地図の真ん中を指差した。
「ここがこの城下町です、南南東に行ったところに、虫の魔物がそこそこ出没する森があります。そして、ここにはなんと、ダンジョンがあるらしくて……」
【そうなんですか!】
これは良いことを聞いた。
ダンジョンとは大量の魔物が住んでいる、いわゆる魔物の巣だ。
ダンジョンにいる魔物とは念話はできないし、もちろん仲魔にもできないけれど、経験値や素材は手に入れられる。
本来は自然にできる物のはずなんだけれど、時たま、まるで人工的に作ったかのような内装のダンジョンなどもあるらしい。
ダンジョンは通常、そのダンジョンの周りに街が作られ攻略されていく『管理ダンジョン』と、国や街が管理していない『野良ダンジョン』がある。
ダンジョンは今まで無かったはずの場所にも突然できるため、割と『野良ダンジョン』も多いらしい。
ダンジョンにはランクが定められていて、例えば街が管理しているダンジョンがCランクダンジョンと認定されたならば、Dランクの冒険者以下は入れないといった感じである。
ダンジョンを攻略し、奥に居るダンジョンマスターを倒せば、ダンジョンをクリアしたことになるらしく、その際は膨大な富や、アーティファクトと呼ばれる伝説級の強さを持つ武器・道具が手に入るのだとか。
こんな森の中にあるってことは、店主さんが教えてくれたダンジョンは野良ダンジョンなんだろう。
管理ダンジョンだと入場料とか、冒険者カードの提示が必要な場合があるし、正直助かった。
「そのダンジョンの名前は『天の道のダンジョン』と呼ばれてるらしくって…。最近発見された、野良ダンジョンだそうですよ。宿泊客が話してるのを聞きました。今、一部の冒険者達の間で話題になってるらしいです」
店主さん、天の道ってなんですか?
なんか、名前からしてすごく強そうな感じがするんだけど……ま、金稼ぎのためなら仕方ないかな。
【なるほど、ありがとうございます】
「いえいえ、娘の恩人なので。…まだ、お金を稼ぐ方法なら一応あるのですが、聞きます? 私はあまりオススメしないのですし、ゴーレムである貴女は無理かもしれませんが……」
お使いの容量でなんとかできるかもしれない。
店主さんはオススメしないって言ってるけれど、聞いておくだけ損はないと思う。
【まぁ、なんとかなるかもしれません。その方法とは?】
「単純ですよ、近々行われる魔物武闘大会で国公認の賭け事が行われるんです。国の資金調達ですね。ですから私はあまりオススメはしません」
なんだ、賭け事か…。
でも、その魔物武闘大会ってどう考えても私が出場するやつだよね……。
なら、私が私自身になんらかの方法を使って賭ければ……。
大金が手に入る可能性があるね。
それも、運次第の賭け事じゃなくて自分が頑張れば確実な代物。
武器の購入とは別に、賭け用の資金を用意するのも悪くないかも。
【うーん、私には難しそうですね。魔物が賭けれられるとは思いませんから……。とにかく、情報ありがとうございました】
「いえいえ、またなにか情報がありましたらお訊
き下さいね。答えられることはお答えします」
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さて……稼ぐのは今夜だな。
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