私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
55 / 378

55話 大会当日でございます!

しおりを挟む
 昨日は仕事は一切せず、すぐに休んだ。
 たっくさん、私は2人に可愛がってもらったんだよ。

 そして、今は当日の朝。
 2人は少し早めに起きて準備をしてる。朝食もすでに食べ終わったしね。


「あ、あ、アイリスちゃん、今更だけどさ…緊張するね?」


 ロモンちゃんが、いつもより少し暗めな声でそう言った。言葉通り、かなり緊張しているように見える、


【そうですかね?】
「す…するよぉ……」
「ふふ、ロモンもアイリスちゃんも、ぼく、全力で応援するからね!」


 って、リンネちゃんは言うけれど、きっと、来週そう言われるのはリンネちゃんの方なんだよね…。
 緊張でお腹くだしたりしなきゃいいけどね。


「さ、準備ができたね、いこう!」
【まだ集合規定時間まで1時間ありますが…まあ、行っても問題無いでしょうね】
「う……うん、い、行こう!」


 私達3人は部屋を出た。
 宿屋の店主さん達ご家族や、他の部屋に泊まっている冒険者さん達は私達に声をかけてくる。
 やっぱり、前回決勝までいった相手が私達の対戦相手だとみんな把握しているみたいで、私の実力を知っている店主さん達以外は、諦めるなとしか言わなかった。

 どうせみんな、スベルとかいう名前の方にかけるんでしょう? 損確定ですね。ふふ。

 ロモンちゃんの緊張を、他愛の無い話でほぐしているうちに、割とすぐにコロシアムに着いてしまった。
 コロシアムで受付を済ませたら、後は一回戦を待つのみ。リンネちゃんとはここで別れた。


「うぅ…緊張するよぉ」
【大丈夫ですよ、頑張って特訓したでは無いですか】
「確かにそれはそうだけど…」
【そうですね、緊張するなら、もう一回、大会のルールを確認しますか?】
「うん」


 大会のルールはこう。

・制限時間5分間で戦う。先に相手を戦闘不能させた方が勝ち。5分間たった場合、HPが残っている方が勝ち。
・相手の魔物を基本、故意に死なせてはいけない。
・魔物使いに反動が出る『魔人』の特技使用禁止。
・武器の持ち込みは可。
・魔物使いの直接的な戦闘の介入は不可。
・魔物使いの通常補助魔法、回復魔法の戦闘中、戦闘前の使用不可。

 というもの。
 過去に何件も死んでしまった魔物がいるらしい。ま、魔物だしね。しょうがないね。
 私はどんなに傷を負っても完全回復できるけどね。


「あ…アイリスちゃん…が、頑張ろうね?」
【ええ、勿論。あ、何か飲み物でも飲みましょうよ】
「うん!」
 

 私達は出店でジュースを買い、飲みながら大会開始の時間を待っているた。
 すると、私達の元に1人の初老であろうおじさんが、1匹の氷のような色のトゥーンゴーレムのオスを連れて近づいてきた。
 

「君が…ロモンとアイリスかな?」
「は、はいっ…そうです」


 そう、この人がスベル…さん。確かね。
 この街の外から来た、Bランクのパーティの冒険者の一員だよ。


「まあ…宜しく頼むさね」
「はっ…はい、こちらこそ」


 スベルさんはそれだけを言うと、身を翻し、その場から去ってしまった。その間……あのトゥーンゴーレム……おそらく、幼体化させられているスヒョウゴーレムなんだろうけれど、私の事をチラッチラッと見てきたかと思いきや、私にこんな念話を送ってきた。


【ギミ…ヂャワビー…ドドー】


 はっきり言ってなんて言ってるかわかんないけど、多分、私の事を可愛いって言ったんだろう。
 私ってば、ゴーレムからしたら美人なのかしらね?
 美人でも人間じゃ無いのはなぁ……。人間…ワーゴーレムになっても美人かしらね? それだと良いのだけど。


◆◆◆


 ロモンちゃんが私の頭をなでたり、私がロモンちゃんに擦り寄ったりしていたら、あっという間に時間になってしまった。
 この部屋にはモニターのような水晶がところどころにあって、そこから外のコロシアムの風景が観れるようになってる。
 

《さあ! 始まりました第___回、魔物武闘大会! 司会は私、カルサイト・スピーチャがお送り致します!》


 そう、ちょっとチャラい声で司会が入る。
 画面からでも十分な観客の歓声も聞こえる。
 見ている側ってのは、こういうので気分がこうようするんだろうけど、私達、特にロモンちゃんにとっては不安と緊張が募るだけ。
 ….…ロモンちゃんはここに来てからの4回目のお花摘みに行った。


≪それでは早速、本日第一回戦! _____≫


 第一回戦はおぼっちゃまというか、いかにも金持ちといういか、そんな感じの少年vs.その人のパーティ自体はCランクなのにCランクの下の魔物を率いてるカリゲンとかいう好青年。

 おぼっちゃま風の少年の魔物はピヨール。Eランクの下の魔物。
 正直、私がロモンちゃんと出会う前のトゥーンゴーレムの時でも勝てたと思う。

 そしてカリゲンとか言う人の魔物は、イタチのような魔物、メタルミミンカー。
 普通のミミンカーとは違い、鋼色だね。
 きっと、防御と素早さが高いタイプだ。

 ま、結果は言うまでも無いよね…。
 カリゲンとか言う人の圧倒的勝利だよ。

 ありゃりゃ、おぼっちゃま、悔しそうに地団駄踏んでる。でも、優しくピヨールを抱き上げて退場していった。
 魔物に対する愛は持ってるみたいだね。


≪勝者! カリゲン&ミクック!!≫


 そう、司会者が言った。会場は一気に湧き上がっている。お花摘みに行っていたロモンちゃんが帰ってきた。


「はふぅ……」
【お腹の調子はどうですか?】
「ん、もう大丈夫! ところで、どっち勝ったの?」
【ミクックとか言う、メタルミミンカーを連れた青年の方です】
「そっか…あ、始まるみたいだね、次!」


 ロモンちゃんがそう言ったと同時に、係員さんに声をかけられた。


「ご準備をお願いします。ロモン選手の入場口はあちらです」
「はい、わかりました!」


 そう言いうと、ロモンちゃんは私の手を引きながら、案内された場所へと向かった。
 その場所は通路のようになっていて、狭かったけれどちゃんとモニターは着いてた。
 というか、歓声がすごい聞こえる。うるさい。


≪それでは第二回戦_____≫


 二回戦目は互いにだいたい、16歳程度の男の人だった。

 緑色の服を着ている方は、ボスゴブリンを。
 焦げ茶色の服と、白い帽子をかぶっている方はココモスというDランクの魔物を使っている。

 上中下の段階も同じだ。

 結局、ボスゴブリンが5分粘って、ギリギリ勝った。
 正直言おう、つまらない試合だよ。


≪勝者、グリテ&ボフトン!≫


 グリテとか言う人が、私達が居る通路に、疲れ果てているボスゴブリンを…まだ幼体化はできないのか、肩を組みながらやってきた。
 ロモンちゃんは自分が振りまく魅力に気付いてないのか、安易にその人に声をかける。


「お疲れ様でした!」
「おっ…おお!? お疲れ様……。頑張って」
「はいっ!」


 アナウンスで入場しろと言われたから、私達は入場を始めた。
 グリテとか言う人は私達がコロシアムに出るまでずっとロモンちゃんを見つめてたのは小石視点で見ていた。
 見る分には、まだいい。

 ……と、対戦、対戦っと。
 


#######

次の投稿は7/3です!
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...