私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
121 / 378

120話 ダンジョン探索でございます! 2

しおりを挟む
 あれから私達は討伐したテントウムシ達を売りに行き(店の人が驚くほどたくさん売ったよ)、スペーカウの袋の買い足しとかをしてから家に帰って…ではなくせっかくだから公衆浴場に言って飲み物とかの特殊なサービスを受けながらお風呂に入ったの。
 そして昼食を大型のお店で「これ以上は他のお客様に満足にご提供できなくなるのでご遠慮願います」と言われるまでたらふく食べた。

 ちなみにさっき儲けた100万ストン…いえ、200万ストン以上のお金はそれで4分の1が吹っ飛んだけれど、まあ、別に良いでしょう。二人は満足してるし。

 それから1時間くらい、お部屋でのんびりと休んでから、午後4時にダンジョンに再突入したの。


「……思ったんだけどね、アイリスちゃんも一人でだいぶ進んでたんだよね、ここ」


 ワープしてきて、襲いかかってきたポイズンレディバを難なく斬り伏せたリンネちゃんがそう言った。


「ええ、そうですよ」
「ゴールまだなのかな?」
「それは私も思ってました。……正直わかりませんね」


 確かにあの頃は立ち止まったり魔物をおびき寄せたりして中々先に進まなかったとはいえ、結構日にちを重ねたから総合的にみてかなり進んでてはずなんだけど。
 思ったよりこのダンジョン長いのかもしれない。
 でももうハードネスレディバ以上の魔物が出てこないからそこまで緊張感もない。

 ちなみにダンジョンにはそれぞれ必ずボスが居る。
 ダンジョンのボスは必ずAランク以上。
 大体はAランクの超越種だとか、Sランクの何かだとかが多いみたいなんだけれど、この世界ではAとかSとかの魔物は軽く街一つ滅ぼせるレベルの強さだから仮にAでも油断しちゃいけない。
 それに何体も同時に出ることもあるし、SSランクが出たなんて噂もある。

 まあ、そんなんだから大体はダンジョンは実力のある人が5人前後のパーティか単独でクリアしたり、大勢の人が一気に攻略しちゃったりするらしいんだけどね。

 ダンジョンクリアしたらそれまでの苦労に見合うくらいのお宝が手に入るし、リンネちゃんの腕輪みたいにアーティファクトが手に入る場合もあるから皆挑戦するんだ。


「とりあえず今出てくる魔物は全部倒せてるから、油断だけはしないようにしてサクサクって進めばいいよね!」
「そうだねロモン。じゃあこのまま進んじゃおう!」


◆◆◆


 あれからさらに4時間。
 魔物が高いところからわんさか襲ってくるのにも、ロモンちゃんとリンネちゃんはもはや完璧に慣れてしまった。
 ここまで何もない。
 本当に何もなかったの。


「だーいぶ魔物倒したよね」
「ねー。ぼく達のダンジョン探索が終わってからテントウムシの相場が凄く下がりそうだね」


 私の回復魔法で持続的に疲れを飛ばしてるから、身体的疲労はないけれど、少し飽き飽きしてきた。
 あの頃は稼ぐことだけに集中してたから良かったものの、いざ攻略に本気で乗り出すと魔物がここまでうざいとは思わなかった。


「あー、ねー、しりとりしよー」
「いいよー。じゃあ、スライム____」


 二人も手は機敏に動かしながらも、そんな感じでしりとりを始めてしまう始末。
 今日はもう帰ったほうがいいのかしらん。


「……れ? あ、レディバ! ……いいよねレディバ系は空飛べて」

 
 そんな風にレディバ系の羽を切り落としながら羨ましそうに言うリンネちゃん。
 

「空…か。この無駄に高い天井飛べたら楽なんだろうなぁ…遠くまで眺めることができそうだし」


 ロモンちゃんが襲いかかってきたハードネスレディバの羽を凍らせながらそう言った。
 ちなみにそいつは私が腹が見えるようにひっくり返して、杖剣で刺して倒したよ。


「そういえばゴーレムの時のアイリスちゃんって羽出せるよね、飛べるっけ?」
「……確か飛べる________」


 そこまで言って、二人はバッとこちらを振り向いた。
 双子らしく同時にね。
 

「と、飛びたいんですか?」
「うん。エンジェルゴーレムのアイリスちゃんだったら、私達を乗せて飛べないかな?」
「やってみたい! そしたら早くダンジョンボスまで行けそうだし!」


 まるで新しい刺激でも見つけたかのように目を輝かせて二人はそう迫ってくる。


「いえ、でも危険ではないですか? その間、ロモンちゃんとリンネちゃんはほぼむき出しで…私たちに向かって魔物が飛んで襲ってくるでしょうし…」


 そう言うと、二人はさらに私に迫ってくる。
 目を見開いていて…好奇心が抑えられないみたい。
 ちなみにこんな状態でも、二人ともしっかりと襲ってくる魔物を撃破してるよ。
 なんかこの探索で二人の技術的な強さがさらに上がったみたいだね。まあ次々と襲ってくるしね。


「どうにかできないかな?」
「待ってください、ちょっと考えます」


 確かに飛んだら速そう。
 うーんでも二人を安全に…かつテントウムシを撃破しながら進むには……。
 二人の持ち方は魔流創気などでいくらでも工夫できるとして、どうやって守るか。
 まず補助魔法は全部振るでしょ?
 そして目に見える魔物は私や、飛んでる間は上半身だけで済むような攻撃でロモンちゃんとリンネちゃんも戦ってもらわなきゃ。
 でも一方でMPは私はほぼ無尽蔵にあるから心配いらないし、ハードネスレディバ程度の攻撃じゃあビクともしない防御力もあるし、気と魔法を併用すれば結構色々できるかも。……よし。


「いけるかもしれません」
「「本当!?」」
「はい、ですが危ないと判断し次第でやめにしますよ」
「「そりゃあもちろん!」」
「では……やってみますか!」


◆◆◆


「「わぁーーっ!」」


 二人は目を輝かせながら、私の手と魔流創気に包まれている。そして私はやっぱり緑の光線状の羽根を羽ばたかせながら宙を飛んでいた。


「すごいすごい、本当にアイリスちゃん飛んでるね!」
「本当は空飛べる魔物じゃないのに! あ、リシャイム!」


 私は手が使えないので、普通に呪文を唱えて主に威力が馬鹿高くMPの消費が尋常じゃないほど抑えられている光魔法で敵を殲滅しながら、ロモンちゃんとリンネちゃんは私の手と魔流創気で作り出された気の防御壁に守られながら遠距離攻撃を、私が撃ち漏らした敵を倒していっている。
 色々ツッコミどころはあるよ。
 例えば私の体重(無論ゴーレム時の)に対して羽が小さめなんじゃないかとか、魔法耐性もあるハードネスレディバを私は光系単発上級魔法(リシャイム)の1~2発で倒せてしまってたり、最初っからこうすれば速かったんじゃないかと悩んだり。

 そうだけれどもかなり安定してる。
 これいい。
 大隠密と併用すれば、日常的な移動にも使えるかしらん。そういえば人の時も羽は生やせるんだったっけ?
 今度試してみても良いかもしれない。


「アイリスちゃん、良いねこれ!」
【はい、想像以上でした。やはりこれも極至種の恩恵の一つでしょうか】
「そうかもね! と___________……ん? ね、なんかおかしくない?」


 リンネちゃんがそう言う。


「えっ…何が…? いや、確かにおかしいね」
「ね、もう魔物が出てこないよ」


 そういえばさっきから魔物が出てこない。
 フライトを始めて20分、ずっと魔物は襲ってきていたのに。


「………アイリスちゃん、一回地面に降りたほうがいいかも」


 リンネちゃんがそう言った。
 特技無しで一番この中で目がいいリンネちゃんがそういうんだ。そうしたほうがいいだろうね。


【わかりました】


 私は言われた通りに地面に降りる。


「あと、人間に戻らないほうがいいかも」


 と、リンネちゃんは追うように。
 私もリンネちゃんが見てる先を、小石視点で見て見て……悟った。


【……そのようですね】
「えっ、え、何があるの?」


 突出して目がいいわけじゃないロモンちゃんがそう私とリンネちゃんに尋ねる。


「どうやらゴールみたいだよ」


 そう、リンネちゃんは簡単に答えた。


######


次の投稿は2/17です!
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

処理中です...