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155話 破滅蟹との決戦でございます…!
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【うあああああ!?】
片目を切り取られ、グラブアは大きなうめき声をあげた。あんなに硬い防御を持つグラブアでも、リンネちゃんの剣技と私の身体を使った剣を使えば大きなダメージを与えられるのね。
「ふぅ…いまからみんな来るよ! ガーベラさんからアイリスちゃんが一人で誘き出し始めたって聞いた時はびっくりしたけど、さすがアイリスちゃん! 本当に一人でなんとかなっちゃったんだね」
【ええ、おかげさまで!】
今の私はリンネちゃんより身長高いけど、胸のあたりをなでなでされた。気分がいい。
「今日は残念ながらお父さんは遠くで働いてたよ」
【えっ…そ、そうなんですか…】
「でも、ね」
リンネちゃんがにっこりと笑う。
お父さんが来れなかったけどこの余裕ってことは、もしや今回来てくれたのは…。
【ベス、モンスアーガ。そして三連リスゴロゴラム!】
【マカセナ!】
そう聞こえてきた方向を向いた。
お母さんが立っている。その横にはケル君を抱いたロモンちゃんも。
そんな魔物使い母娘の後ろには、沢山の冒険者たちがそれぞれの得物を構えている。
先ほどお母さんが唱えた最上級魔法三連は、見事に全てグラブアに被弾した。突然片目を切り取られて怯んでいた彼はうめき声をあげながらひっくり返った。
「アイリスちゃん、無事!?」
ロモンちゃんがこちらに駆けてきて、私に飛びついてくるの。私はそれをそっと受け入れた。
【見てください。ピンピンしてますよ】
「……結構MPつかったみたいだけど?」
【ま、まあ、強敵ですからね】
うーむ、さすがに苦戦してたことはバレてしまうか。何回か殺されかけちゃったし。
「す、すげぇ…あれがSランクの超越種…」
「ふええ、あんなのが街に潜んでたなんてぇ…!」
「時間稼ぎしてくれてたやつぁ、どいつだ?」
「ほら、あの水色の長髪の娘が抱きついてるゴーレムだよ」
「仲魔のゴーレム1匹で長時間凌いでたのか」
ギルドマスターが他のギルドにも掛け合ったりして集めてきてくれた冒険者。さすがAからSランクの冒険者ばかり。人数こそ50人もいないみたいだけど、それこそすごく心強い。
さらにこの国の兵士・騎士も数えきれないくらい!
…一人の男の人が私に近づいてきた。
ガーベラさんだ。
「アイリスちゃん! ……無事だったんだね」
【ガーベラさん。はい、追加連絡ありがとうございました】
「いや……俺なんてまだまだ。流石としか言いようがないよ、アイリスちゃんには」
てへへ、褒められちゃった。男の人からだけど、なんか嬉しい。
それにしても予想通りおおごとになったわね。
これで国もちゃんと魔王軍対策をし始めてくれることでしょうし、本格的にグラブア討伐始めますか。
【あ……アイリス! 君は囮だったんだね? …この数、このランクの軍団! は、ははははは! やけに顔が広いとこんなこともできるのか! そういえばいろんな道行く人に話しかけられてたもんね!】
目の痛みはとりあえず慣れたのか、グラブアは器用に立ち上がっていた。残った片方の目で私のことを見つめている。私だけを。
【人並み…いや、人間以上に頭がよく、極至種の不死身のゴーレムが囮だなんて、あはははは! ……どーしようかな、これ】
グラブアは何か考えている。
私から目を離し、軍団の数を確認してるのか遠くを見据えている。…蟹なのに溜息のようなものを吐いた。
【やるしか…ないよね?】
グラブアが片鋏を振り上げる。
「くるぞ!」
「……戦闘準備!」
「構えて!」
全員がくるであろう攻撃に構えた。グラブアは人の塊に向かってその、人よりも大きい赤い凶器を振りおろす。
爆発音が鳴り響いた。
「うおおおおおお!!?」
「ヤベェ、ヤベェよ!」
「今の攻撃の被害者は?」
「運良く高ランカーだらけの冒険者の群れに当たったようだ! 負傷者はゼロ!」
あたりを見渡すのが得意な騎士さんが状況報告を大声でしている。それにしてもすごい破壊力……私以外があったら即死は免れないわね。
【まだまだ行くよ!】
グラブアは両手を高く持ち上げ、鋏を両方同時に振り下ろす。やけにでかい盾をもったSランカーらしき男の人が、たった一人でそれを受け止めた。
苦悶の表情はさすがに隠せないみたいだけど、持ちこたえている。
「おお! やっぱSランカー心強い!」
「いけるか? いけるんじゃないか?」
「攻撃! 攻撃だ! 騎士団長サマの攻撃指示に従って攻撃だぁ!」
冒険者の方を指揮とってるのもお母さんなのね。
お母さんは杖を構えた。
全体念話をし始める。
【みなさん、聞こえますか? これより『グランルインクラブ』に攻撃を仕掛けます。雷魔法が有効なようです! 魔法使いの方々は雷魔法、あるいは一番得意な魔法を! 剣士の方々は雷の技を、魔物使いの方々は_________】
さすがに戦闘慣れしてるだけあって、見事な采配。結果的には主に冒険者がせめて、兵士や騎士達のうちで(冒険者になった場合に)Aランクの実力に満たない者は全力で補助に回るように、とのこと。
そしてメイン火力はSランクの冒険者とお母さん、そして私たちらしい。
「「「うおおおおおおお!」」」
本格的な戦闘が始まった。
グラブアは鋏を振り回し応戦する…動かすだけで破滅をもたらすかのよう。しかし、その自慢の火力も雷魔法の雨によって全力が出せないみたい。
「うごぉ!?」
それでも…全力でなかったとしても、破壊力は健全で、次々と冒険者や兵士達が吹き飛ばされている。
「アイリスちゃん、私たちもモンスアーガしよっ」
【はいっ!】
私の中にロモンちゃんの魔力が流れてくる感覚。
ロモンちゃんが考えてること、わかる。手を空に向かってあげて______
【リスベアラム!】
回復魔法を唱えた。
全体にかかるから分散されて威力は低くかるかもしれないけど、ダメージを受けてる人をピンポイントで狙っていけば回復が間に合う!
そして。
【フェルオール! フェルオール! フェルオール、フェルオール、フェルオールッッ!!】
ステータスが高そうな人を選りすぐり、私の十八番の補助魔法5回がけをする。私とリンネちゃん、ガーベラさんにお母さんとベスさん、その他、Sランカーと思われる強そうな雰囲気の人たちに。
「!? アイリスちゃんから補助魔法きたわね……すごい、これだけの力が出るなんてっ…! パパが『これはすごい』って言ってたのがわかるわ。ベス……三重魔法陣、行くわよ!」
【オオ、ワカッタ!】
お母さんとベスさんがSランクの、さらに頂点の方として君臨できていた一つの理由。それは魔法の超火力(らしい)。
例えば三連なら、ベスさんの3つの口から魔法を同時に放つの。そして三重なら……?
「【リスゴロゴラム!】」
ベスさんが展開した魔法陣は一つ。
しかし、それは魔法陣が3つ重なってできたもの。一本に威力が凝縮される。
私自身は初めて見るけれど、どんな威力なのかしら。
凝縮されて、とんでもない高火力、後出圧のレーザーのような魔法が噴出された。
まっすぐにグラブアの腹の真ん中に被弾。
撃ち抜くことまではできなかったけれど…!
【んぐあおおおお!?】
グラブアは後ろにふっとんでいた。
あの巨体を吹っ飛ばす……噂以上の威力ね。
######
次の投稿は7/7です!
おお、七夕じゃないですか(・ω・三・ω・)
片目を切り取られ、グラブアは大きなうめき声をあげた。あんなに硬い防御を持つグラブアでも、リンネちゃんの剣技と私の身体を使った剣を使えば大きなダメージを与えられるのね。
「ふぅ…いまからみんな来るよ! ガーベラさんからアイリスちゃんが一人で誘き出し始めたって聞いた時はびっくりしたけど、さすがアイリスちゃん! 本当に一人でなんとかなっちゃったんだね」
【ええ、おかげさまで!】
今の私はリンネちゃんより身長高いけど、胸のあたりをなでなでされた。気分がいい。
「今日は残念ながらお父さんは遠くで働いてたよ」
【えっ…そ、そうなんですか…】
「でも、ね」
リンネちゃんがにっこりと笑う。
お父さんが来れなかったけどこの余裕ってことは、もしや今回来てくれたのは…。
【ベス、モンスアーガ。そして三連リスゴロゴラム!】
【マカセナ!】
そう聞こえてきた方向を向いた。
お母さんが立っている。その横にはケル君を抱いたロモンちゃんも。
そんな魔物使い母娘の後ろには、沢山の冒険者たちがそれぞれの得物を構えている。
先ほどお母さんが唱えた最上級魔法三連は、見事に全てグラブアに被弾した。突然片目を切り取られて怯んでいた彼はうめき声をあげながらひっくり返った。
「アイリスちゃん、無事!?」
ロモンちゃんがこちらに駆けてきて、私に飛びついてくるの。私はそれをそっと受け入れた。
【見てください。ピンピンしてますよ】
「……結構MPつかったみたいだけど?」
【ま、まあ、強敵ですからね】
うーむ、さすがに苦戦してたことはバレてしまうか。何回か殺されかけちゃったし。
「す、すげぇ…あれがSランクの超越種…」
「ふええ、あんなのが街に潜んでたなんてぇ…!」
「時間稼ぎしてくれてたやつぁ、どいつだ?」
「ほら、あの水色の長髪の娘が抱きついてるゴーレムだよ」
「仲魔のゴーレム1匹で長時間凌いでたのか」
ギルドマスターが他のギルドにも掛け合ったりして集めてきてくれた冒険者。さすがAからSランクの冒険者ばかり。人数こそ50人もいないみたいだけど、それこそすごく心強い。
さらにこの国の兵士・騎士も数えきれないくらい!
…一人の男の人が私に近づいてきた。
ガーベラさんだ。
「アイリスちゃん! ……無事だったんだね」
【ガーベラさん。はい、追加連絡ありがとうございました】
「いや……俺なんてまだまだ。流石としか言いようがないよ、アイリスちゃんには」
てへへ、褒められちゃった。男の人からだけど、なんか嬉しい。
それにしても予想通りおおごとになったわね。
これで国もちゃんと魔王軍対策をし始めてくれることでしょうし、本格的にグラブア討伐始めますか。
【あ……アイリス! 君は囮だったんだね? …この数、このランクの軍団! は、ははははは! やけに顔が広いとこんなこともできるのか! そういえばいろんな道行く人に話しかけられてたもんね!】
目の痛みはとりあえず慣れたのか、グラブアは器用に立ち上がっていた。残った片方の目で私のことを見つめている。私だけを。
【人並み…いや、人間以上に頭がよく、極至種の不死身のゴーレムが囮だなんて、あはははは! ……どーしようかな、これ】
グラブアは何か考えている。
私から目を離し、軍団の数を確認してるのか遠くを見据えている。…蟹なのに溜息のようなものを吐いた。
【やるしか…ないよね?】
グラブアが片鋏を振り上げる。
「くるぞ!」
「……戦闘準備!」
「構えて!」
全員がくるであろう攻撃に構えた。グラブアは人の塊に向かってその、人よりも大きい赤い凶器を振りおろす。
爆発音が鳴り響いた。
「うおおおおおお!!?」
「ヤベェ、ヤベェよ!」
「今の攻撃の被害者は?」
「運良く高ランカーだらけの冒険者の群れに当たったようだ! 負傷者はゼロ!」
あたりを見渡すのが得意な騎士さんが状況報告を大声でしている。それにしてもすごい破壊力……私以外があったら即死は免れないわね。
【まだまだ行くよ!】
グラブアは両手を高く持ち上げ、鋏を両方同時に振り下ろす。やけにでかい盾をもったSランカーらしき男の人が、たった一人でそれを受け止めた。
苦悶の表情はさすがに隠せないみたいだけど、持ちこたえている。
「おお! やっぱSランカー心強い!」
「いけるか? いけるんじゃないか?」
「攻撃! 攻撃だ! 騎士団長サマの攻撃指示に従って攻撃だぁ!」
冒険者の方を指揮とってるのもお母さんなのね。
お母さんは杖を構えた。
全体念話をし始める。
【みなさん、聞こえますか? これより『グランルインクラブ』に攻撃を仕掛けます。雷魔法が有効なようです! 魔法使いの方々は雷魔法、あるいは一番得意な魔法を! 剣士の方々は雷の技を、魔物使いの方々は_________】
さすがに戦闘慣れしてるだけあって、見事な采配。結果的には主に冒険者がせめて、兵士や騎士達のうちで(冒険者になった場合に)Aランクの実力に満たない者は全力で補助に回るように、とのこと。
そしてメイン火力はSランクの冒険者とお母さん、そして私たちらしい。
「「「うおおおおおおお!」」」
本格的な戦闘が始まった。
グラブアは鋏を振り回し応戦する…動かすだけで破滅をもたらすかのよう。しかし、その自慢の火力も雷魔法の雨によって全力が出せないみたい。
「うごぉ!?」
それでも…全力でなかったとしても、破壊力は健全で、次々と冒険者や兵士達が吹き飛ばされている。
「アイリスちゃん、私たちもモンスアーガしよっ」
【はいっ!】
私の中にロモンちゃんの魔力が流れてくる感覚。
ロモンちゃんが考えてること、わかる。手を空に向かってあげて______
【リスベアラム!】
回復魔法を唱えた。
全体にかかるから分散されて威力は低くかるかもしれないけど、ダメージを受けてる人をピンポイントで狙っていけば回復が間に合う!
そして。
【フェルオール! フェルオール! フェルオール、フェルオール、フェルオールッッ!!】
ステータスが高そうな人を選りすぐり、私の十八番の補助魔法5回がけをする。私とリンネちゃん、ガーベラさんにお母さんとベスさん、その他、Sランカーと思われる強そうな雰囲気の人たちに。
「!? アイリスちゃんから補助魔法きたわね……すごい、これだけの力が出るなんてっ…! パパが『これはすごい』って言ってたのがわかるわ。ベス……三重魔法陣、行くわよ!」
【オオ、ワカッタ!】
お母さんとベスさんがSランクの、さらに頂点の方として君臨できていた一つの理由。それは魔法の超火力(らしい)。
例えば三連なら、ベスさんの3つの口から魔法を同時に放つの。そして三重なら……?
「【リスゴロゴラム!】」
ベスさんが展開した魔法陣は一つ。
しかし、それは魔法陣が3つ重なってできたもの。一本に威力が凝縮される。
私自身は初めて見るけれど、どんな威力なのかしら。
凝縮されて、とんでもない高火力、後出圧のレーザーのような魔法が噴出された。
まっすぐにグラブアの腹の真ん中に被弾。
撃ち抜くことまではできなかったけれど…!
【んぐあおおおお!?】
グラブアは後ろにふっとんでいた。
あの巨体を吹っ飛ばす……噂以上の威力ね。
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