私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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173話 ケル君と光と闇でございます!

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【じゃあ、今日は私が主に教えますからね】
【アイリス、オネガイシマス ナンダゾ!】


 いつもの練習場所にしている森の中、朝。
 宣言した私に対し、ケル君はぺこりと頭を下げた。


【光魔法と闇魔法の他の魔法との違いから教えますね】
【ゾ! グタイテキ 二 ドウチガウンダゾ?】
【そうですね、まず、耐性をもつ魔物が少ないことです。非常に光魔法に強いとか、逆に弱点であるとか…少ないんです、この二つの魔法は。なので基本的にオールマイティに誰にでも使えます】


 魔物に対する弱点を知らなかったり、弱点がなさそうだったりしたらとりあえず光闇魔法を撃てばいいって感じがするかな。私的には。


【ゾ…デモ、アイリスハ ナンダカ ヒカリマホウ 二 ツヨソウ ナンダゾ】
【ええ、そうかもしれません。例外が無いなんてことはないですからね。基本的に見た目と『光・闇魔法を使ったかどうか』で判断すればいいと思いますよ】
【リョーカイ ナンダゾ!】


 実際、私以外にも魔王軍幹部のサナトスファビドだとかは闇に耐性があるだろうしね。されでも私は魔法の威力増強と他の魔法とのコンビネーションのために使ってたけど。
 となると次に教えるべきは魔法との連携かしらね。


【そして次に、光闇魔法は他の魔法と合体というか…付加させることができます】
【ゾー? ヒゾクセイ ト カゼゾクセイ デ、『エクスプロージョン』ミタイナ バクハツマホウ ガ カイハツサレタ……カンジナノハ シッテルゾ! ソレト ドウチガウノカ ゾ?】
【火属性と風属性が合わさり、いろいろ研究されて新たな魔法が生成されると特技一覧に表示されます。ほかにもそのようなものはありますが、それとはまた違います】


 まあ、そもそも私は魔流爆を覚えちゃって、爆発魔法のコツを勝手に会得したからいきなりエクスプロージョンなんていう爆発魔法の中級を取得しちゃったわけだけども。
 そんなことは異例だし、今の話に関係ないし思い起こすのはやめておこう。続き話さなきゃ。


【光魔法と闇魔法は、お互い以外の属性魔法ととても混合させやすいのです。使えるようになっても特技一覧には表示されませんが、そのぶん、属性を混ぜ合わせて新種魔法をつくるより大幅に簡単なんです。さらに追加効果までありますよ。たとえば闇魔法と氷魔法なら、氷が溶けなくなるだとか】
【ナールホゾ、ダカラ アイリスハ カニ ノ デカイヤツ ト タタカッテル トキニ カワッタ マホウヲ タクサン ツカッテタンダゾ!】
【そういうわけです】


 なかなか子供には難しい答え方だったけど、ケル君はわかってもらえたみたいだ。
 じゃあ、もう教えちゃっても大丈夫かな。


【光魔法も闇魔法も、初級さえ覚えていれば一応混合はできますよ。その上を習得するたびに混合魔法の威力は上がりますけどね。では、これから練習始めましょうか】
【ゾ!】


 シッポをフリフリしながら期待に満ちた目でこちらを見つめてる。とってもキュート。
 

【ではとりあえず、光魔法から見せてあげましょう】


 私は手先から光の魔法陣をゆっくりと作って見せてやる。

 うーむ、しかし始めたはいいものの、私が闇魔法を習得したのは土壇場で切羽詰まってる時にサナトスファビドの魔法陣を見たからであるわけで。
 光魔法も進化した時に勝手についてきたもの。

 だから教えるのはなかなかむずかしいのよね。
 ロモンちゃんとリンネちゃんには繰り返し魔法を見せて、四苦八苦して覚えてもらったのだけど。


【ふぅ、では1回見せ終わりました。なにか掴めましたか?】
【ゾォ…スゴク、スゴーク フクザツ ダゾ…。モッカイ、ユーックリ、ユーーックリ ト マホウジンヲ ツクッテホシイゾ】
【わかりました、スゴくゆっくりとですね】


 私はとてつもなく慎重な作業をするように、ゆーっくりと光の魔法陣をかいた。こんなにゆっくりとした魔法陣を作るのは初めてかも知れない。
 さて、ほどなくして書き終わったけど、ケル君はどうなのかしら。


【どうです? なにか掴めまし________】
【ゾゾゾ! ゾゾゾゾゾ! オクチ ガ ヒカッタゾ!】
「あー! ほんどだ!」
「ケル、すごいよ!」


 なっ…もう完成してしまったの!?
 ゆっくりと書いてる最中に一緒に作って見てたのかしら。たしかに見ながら作ったほうが早いけど。
 それにしても、こんな易々と…ほんとにすごいわ。


【ケル君、もう…】
【ゾ、ヒカリマホウ キエタゾ……ステータス 二 カイテナイン ダゾ。マダ ガンバルゾ】
【おや、そうでしたか】


 なるほど、まだ覚えるには至ってないけどなんかでちゃったってことね。それでもでも、幸先はかなりいいんじゃないかしら! なんだか嬉しい。


【今の感覚を絶対に忘れないようにしてください! 少しむずかしいかと思ってましたが、これならもしかしたら、今日中に光と闇の初級魔法は覚えられるかもしれません!】
【ゾー! ソシタラ コンドハ フタツ ノ チューキューマホー ゾ?】
【いえ、今のケル君ではまだ格段に覚えるのがむずかしく、控えた方が良いです。しかし混合魔法として中級魔法と使えば、闇と光が初級でも十分な効果を発揮するので心配はいりません】
【ゾ…リョーカイダゾ!】
【では、頑張りましょう!】



◆◆◆


【ネムネムダゾ…ゴハン デキタラ オコシテ…ゾ】
【はい、ゆっくりとおやすみなさい】


 MPを使い切ってしまったケル君は眠ってしまった。
 ちなみに昨日の結果としては……。


「アイリスちゃん、ありがとね! おかげでケル、今日だけで光魔法と闇魔法覚えちゃった!」
「ええ、やはりとても習得が早いですね」
「アイリスちゃんもケルも、2人ともすごいよ! えらいよー!」
「えへへ、照れます」


 予想していた通りにしっかりとケル君は覚え込んだの。しかも、1回だけ混合魔法も出せるだなんて。
 今ならDランクぐらいの魔物とタイマンしても勝てる可能性があるだろうし、Cランクの魔物にも痛手は負わせれるくらいの実力はある。


「明日からはどうするの、ロモン」
「んー、新しい魔法か…それともそろそろ実戦訓練か」
「ケル君が覚えたい魔法を全て覚えることができた以上、私は実戦がいいのではないかと思います」
「じゃあダンジョンいこうよ! まだFランクかEランクしか見てないしさ、丁度いいんじゃないかな?」


 たしかにこのタイミングでダンジョンに行くのはちょうどいいかもしれない。仮に途中でBランクのトカゲ系の魔物が出てきても、今の私たちならケル君を庇いながら戦えるだろうし。
 経験値が美味しいし、進化もすぐできちゃうかもしれないし。


「リンネちゃんに同意します」
「そっか、じゃあそうしてみようよ。 私もそろそろ新しいダンジョンに入って見たかったし」
「じゃ、決まりだね!」


 そういうわけで明日はケル君をダンジョンに連れて実戦訓練をすることに決定ね。
 どういった感じで進ませるのがいいかな。とりあえず魔物を見つけしだい、中級魔法を放って攻撃してもらうのがいいかもしれない。
 炎魔法も雷魔法もトカゲ系の魔物に効きにくいだなんてことは…まあ、ある程度進化しちゃったらあるけれど、FランクやEランクである時点なら『ファイリザード』『ゴロゴリザード』とかでない限り無いし。

 明日もケル君は魔力切れを起こすのかしらね。
 まあ、ボーナスとやらでレベルアップした時にMPが上がりやすくなってると思うから。自ずとなくなってくよね。

 
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